スタートレックのレプリケーターも、もはや夢じゃないかも。
3D Systems社から、プラスティック素材を使用したものとしては世界初の連続階調フルカラー3Dプリンター「ProJet 4500」が発表されました。
半硬質プラスティックをさまざまな色の階調でプリントすることができるこのプリンター。動画を見てみると、どうやら粉末焼結方式を使用しているようです。粉末焼結方式では、粉末状の材料にレーザー光線を当て一層ずつ造形していきます。現在市場に出回っているリーズナブルな3Dプリンターは熱溶解積層方式を使っているものがほとんど。もちろん熱溶解積層方式でもマルチカラーオプションはあるにはあるのですが、一度に印刷できる色が一色のみで、色付けした材料を他の色と混ぜ合わせたりはできないので、微妙な色合いは表現できません。
ProJet 4500のもう1つの特長は、その「速さ」。実際のプリントスピードもさることながら、モノづくりの過程をスピードアップできるというのが一番の強みであり、このプリンターの売りです。柔軟性のあるプラスティック素材とフルカラープリントで細かいディテールまで表現できるので、プリントしたものを後処理したり、色付けしたりする必要がなく、プロトタイプの製作にかかる時間は大幅に短縮されます。つまりデザインから最終プロダクトにいたるまでのリードタイムが短縮されるし、思いついたものをすぐに形にできることで生産性の向上も見込めるというわけ。ものによってはそのままこのプリンターで最終プロダクトまで作れてしまいますよね。動画に出てくるスマホカバーなんて、店頭に並んでいても全くおかしくありません。
ProJet 4500の詳細な価格や出荷状況などはまだ明らかにされていませんが、モノづくりにパラダイムシフトをもたらしそうな予感です。
[3D Systems via SlashGear]
ANDREW LISZEWSKI(米版/mana yamaguchi)