画面とキーボードが貝のようにパタンと閉じるクラムシェル――今となっては当たり前過ぎるデザインだけど、これを30年前に世界で初めて実現したラップトップの名前、ご存知ですか?
答えは...GRiDシステムズの「Grid Compass 1101」。英国のインダストリアルデザイナー、ウィリアム(ビル)・モグリッジ(William Moggridge)が1979年にデザインし、1982年4月に発売になった世界初のラップトップのひとつです。
今みなさんがお使いのラップトップ、お手持ちのラップトップ、買いたいと思ってるラップトップはどれも元をただせばこの「Grid Compass 1101」を真似たもの、そう言っても過言ではないのですよ。
30周年を記念してタイム誌がクラムシェル・デザインの歴史、普及せずに終わってしまった他の多種多様なポータブルコンピュータのデザインとの比較を特集しているのですが、これを読むとモグリッジのクラムシェルが長生きした理由がよくわかります。要するに他のデザインがどれも帯に短し襷(たすき)に長しだったんですね...ミシンみたいなのとか、特大の電卓みたいなデザインもあるし、普通のコンピュータのまんまで単に重量がデスクトップより2ポンド(907g)軽いからポータブル標榜してるものもあったり...。
以下は、タイムからの抜粋です。
モグリッジのデザインでは、オズボーン(1981年4月発売のミシン型コンピュータ)より遥かに携帯性の優れたコンピュータができる。ユーザーは自分の好きな角度にスクリーンを調整できるし、マシンを使ってない時はディスプレイの裏面でスクリーンとキーボードの両方が保護できる。また、後に沢山登場した持ち運び用コンピュータ・ケースと違って、メカニカルな構造そのものがシンプルだったのだ。これはコンピュータ史上屈指のエンジニアリングの傑作だ。
今もすべてのラップトップの中に息づいているGrid Compassのクラムシェル・デザイン。憧れますね。詳しくはタイム(英語)で。
[TIME]
関連:奥出直人氏による『モグリッジ氏講演レポート』の連続ツイート - Togetter
Casey Chan(原文/satomi)