デジタル回路におけるトランジスタはCPUやGPUなどに使われています。従来はトランジスタ 情報の記憶領域がCPU内でも別々の回路となっていたため、読み取って計算結果を書き込む際のボトルネックが生じていたとか。ハードディスクをSSDに換えてもSATAの転送速度を超えることはできない、と、そういうカンジですね。そのため単にクロック数をあげていっても得られる速度はトランジスタとメモリの転送速度を超えることはできないようです。
「アトムトランジスタ」は同研究グループによる、原子スイッチの研究過程において生まれた1品。従来の100万分の1の消費電力で動作し、記憶領域を完全にドッキング。誤動作も起きにくく、トランジスタとしての性能も向上しています。カンタンに言えばCPU メモリを脳みそのように1パッケージ化できるわけです。
低消費電力ということはエネルギーロスが少なく、発熱も低くなりそう。よりシンプルな回路設計も可能になるでしょうし、バッテリーの持ちもグーンとアップするはず。実用化はまだ先のようですが、うまくいけばiPod nanoサイズの回路 ディスプレイで高性能なパソコンが構築できるようになるでしょう。期待ですね!
100万分の1の消費電力で、演算も記憶も行う新しいトランジスタを開発[独立行政法人物質・材料研究機構]
(武者良太)