さくらインターネット田中社長インタビュー@HOSTING-PRO
HOSTING-PRO 2011会場にさくらインターネットの田中社長がいらっしゃったので、インタビューしてみました。
以下、インタビュー内容です。 時間が限られていたこともあり、内容は簡易なものとなっています。あらかじめご了承下さい。
Q: Google Mapsで石狩データセンターの位置を見ると、海の近くのように見えるのですが、塩害対策はどうなっていますか?
実際には2kmほど離れており、防潮林もありますし、事前に計測したところでは札幌市内とほぼ変わらない数値となっていました。 ただ、それでも不安なので、除塩フィルタはつけています。
今後の計測結果によっては、それらを外す可能性もあると考えています。
Q: 雪が空気の取り込みを防ぐ対策はどのような形になっていますか?
今年の大雪でも埋もれないところに空気の取り込み溝があります。 さらに、直接ダイレクトに空気を取り込むのではなく、ジグザクで空気を取り込みながら雪きりができる構造になっています。
そのうえで、サーバに送り込む空気は外気と内部の空気を必要に応じて混合する構造であり、冬場はそれほど空気を取り込む必要がないと現時点では予想しています。
Q: 昨年10月に発表されたデータセンターファシリティスタンダードと石狩データセンターの関連を教えて下さい
データセンターファシリティスタンダードは、弊社の既存の都市型データセンターを想定して策定に参加しています。 石狩データセンターは、全てをゼロベースにするという思想のもとに行っており、既存の思想に捕われずに行うためにデータセンターファシリティスタンダードをあえて参照しないことを選択しました。
ただし、そのスタンダード策定に関わったメンバーが石狩データセンターにも関わっているので、理念等については共有されており、石狩データセンターの先進性向上にエッセンスが反映しております。
参考:日本データセンター協会「データセンターファシリティスタンダード」の策定について〜 日本の実情に即したデータセンターのファシリティ基準を作成 〜
Q: 6rdを開始されましたが、World IPv6 Dayへの参加準備の一環ですか?
そういうわけではありません。 当社は既にIPv6に対応しているので、特に今のところWorld IPv6 Dayのために特別に何かをする予定はありません。
ただ、お客様への啓蒙は続けます。 当社のインフラを使っているお客様がWorld IPv6 Dayに参加するお手伝いはしたいと思います。
参考:ITpro: さくらインターネット、6rd方式によるIPv6接続の試験サービス「さくらの6rd」を開始
Q: Amazonが東京データセンターを発表しました。昨年は日本の事業者による地方データセンターの話題が色々出る一方で、外国企業が東京のデータセンターに進出しているのが対照的だと感じました。今後、どのような棲み分けが行われていくと思いますか?
やはりデータセンターを作る一つ目は東京なのだろうと。 なので、Amazonさんが東京に作るのは当然だと思います。
クラウドの原価におけるデータセンターコストの割合は、規模が小さいときには郊外に設置するコストメリットも小さいと言えます。 ただ、Amazonさんが拠点を大きくするにつれて、そのデータセンター運用コストが増大するものと思われます。 そうなったときに、二つ目以降のデータセンターとして郊外を選択する可能性は十分にあるのではないでしょうか。
Q: 先日発表された新しいVPSプランへの反応はどうでしたか?
非常に反応が良いです。
以前から上位プランに関して「まだかまだか」とご要望を頂いていましたし、「そのうち来るのではないか」との憶測も多くありました。
今回の新プランを含むVPSサービス全体では、今月末には1万契約を越えると思われます。
Q: これは、さくらインターネットさんに限らないとは思いますが、VPSは非常に楽しい一方で、セキュリティ管理を各自で行うので既に乗っ取られているサーバがチラホラ登場しています。安価でユーザが管理するVPS数が増えることでクラックされてしまったホスト数が増えていますか?それとも従来と変化はありませんか?
全体では増えたのかどうかに関しては正確には把握しておりませんが、従来のサービスを含めて、割合が特に増えたということはありません。 少なくとも、頂いている報告の件数としては劇的な増加はありません。
ファイアウォールの設定を簡単にするような仕組みは検討しております。
Q: IPv4アドレス枯渇後にIPv6に関しての問い合わせは増えましたか?
増えましたね。明らかに増えました。
今までは、ほとんどなかったものが、チラホラ散見されるようになったので、2倍3倍という程度ではなく、さらに増えているという印象があります。
Q: ホスティング事業者によるIPv4アドレス圧縮の今後のトレンドはどのようになっていきそうですか?Webやメール用のALGサービスが今後徐々に発表されていくのでしょうか?
あるかも知れませんね。 80番ポートは高いとか登場するんですかね?
VPSもローカルIPで提供しつつ、IPv4アドレスでグローバルが必要な人は買うというサービスも市場に登場するという可能性もあります。
世知辛い世の中になるんですかね?
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