●ファンとともに作り上げた温かいライブ

 2011年10月22日(土)、東京・恵比寿にあるライブハウス“Live Gate Tokyo”にて、長谷川明子の初となるソロライブが開催された。チケットは発売するなり、即完売となったこのプレミアライブ。5pb.でアーティストデビューを果たしてからの2年間をギュッと凝縮した、濃密なライブとなった。

 会場は歩くのも困難なほどの超満員。ファンも、イベントの開始をいまかいまかと待ちわびる。そして、イベント用にアレンジされた『XXX(上倉紀行 Remix)』のイントロが流れ始めると、緑色のサイリュームと赤色のサイリュームが会場を埋め尽くす。そしてデビュー曲となった『LEVEL∞』のアレンジバージョンである『LEVEL∞(Disillusion Special ver.)』に突入。激しく疾走する楽曲で、会場の熱を一気に上げていくと、この瞬間を待ちに待ったファンからの「アッキー!」という歓声が会場中に響き渡る。続いて披露されたのは『Stay Tuned!(上倉紀行 Remix)』。おだやかな歌声で会場をしっとりとクールダウンさせる。

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 「長谷川明子の初ソロライブ、“Simply Lovely”へようこそー!」と元気いっぱいに切り出した長谷川。「いまもドキドキしているんですが、皆さんの笑顔を見ているとそれも吹っ飛んじゃいます。皆さんといっしょに歌って踊る気満々なので……」と会場のファンとともに歌って踊る気満々。「え? 皆さんが歌うんですよ? いっしょに歌うんですからね?」とファンに念押しをした長谷川。ここでさっそくスペシャルゲストを呼ぶことに。いったい誰が来るのか、という空気が会場に蔓延するなか、長谷川が某おかしのCM風に「教えてあげないよ!」というと、会場から「ジャン!」と返ってきて、これに「すごい!」と大感動。ファンとの一体感を楽しむ。そして、ゲストとして登場したのは、上倉紀行氏。『Sunrise!』の作曲者で、『XXX』と『Stay Tuned!』をライブ用に編曲したという上倉氏。「控え室でモニターを見ていたんですけど、盛り上がりがすごいですね。ファーストライブとしてはすばらしい盛り上がりじゃないかと。これに続いて、2弾3弾と続いていくといいですね」(上倉)とコメント。今後の展開にも期待を寄せた。

 そしてライブでは、上倉がギターを弾き、『Sunrise!』を披露。会場にはUOが乱れ咲き、長谷川を後押しする。高音を響かせて会場を煽ると、間髪入れずに『I Can Fly』へ。上倉のギターサウンドが会場をさらにアツくさせていく。会場が赤のサイリュームで染まると、長谷川もアツい歌声を会場に響かせた。

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 「楽しいですねー。やぁやぁやぁ、楽しい! この楽しい気持ちをさらにさらにさらに盛り上げたいと思いませんか?」と笑顔で語る長谷川。さらにもうひとりスペシャルゲストを呼ぶことになり「誰だと思います?」と長谷川が質問してみると、「イトケンさん!」と会場にはバレバレ。前髪を上げた状態で登場した“スーパーイトケンさん”として呼び込まれると「ライブの1曲目に『LEVEL∞』が流れたとき、ちょっとじーんとした」と長谷川のデビュー曲を作曲した伊藤ならではのコメント。そんな伊藤は、ショルダーキーボードを携えて生演奏を披露することに。キーボードの音をかき鳴らすと、そのまま上倉とふたりで即興で曲を弾き始める。これには長谷川も困惑気味に「長くない? 長くない?」と曲に合わせて歌い始める始末。ふたりの即興演奏が終わると「完全にセンター取りましたよね(笑)」と冗談で会場を沸かせた。そして、今度こそ長谷川の曲へ。もちろん曲は、伊藤と高橋コウタによるユニット“RESONATOR”が作曲・編曲を手がけた『蒼凛のペンデュラム』。曲が始まると会場中が真っ青に染まる。きらめく蒼の海とは裏腹に、会場にはアツい熱気が充満した。

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 『蒼凛のペンデュラム』が終わると、長谷川の親友である、声優の下田麻美によるVTRが流れる。「あっきーのライブなんですけど、せっかくなので、あさぽんコールをしてもらいたいです(笑)」といつもの笑顔で提案を始める下田。さらに「(長谷川から呼ばれる際の愛称である)アーサーっていうコールをあまりいただいたことないので、アーサーコールをしてもらえますかー」とコメント。これに会場のファンも、黄色いサイリュームを取り出し、「アーサー!」とコールするなど、歓迎ムード。そしてVTRは、長谷川がライブリハーサルをしているというスタジオへ、突撃リポートするという流れに。元気いっぱいにリハーサルスタジオに突入する下田だったが、長谷川もスタッフも完全無視状態。戸惑いながらエアギターに挑戦したり、観客のように盛り上がったりする下田の姿がそこにはあった。なお、同VTRは事前打ち合わせありの完全仕込み映像だったそうで、あとから長谷川が「アーサーが入ってきた瞬間笑いそうになって必死で堪えてました(笑)。無視していたわけじゃありません!」と釈明する姿もあった。さらにVTRはまだまだ続く。下田が長谷川に質問をする形で、ライブ前の心境などを語るインタビュー映像では、“ライブを目前に控えた現在の心境”や“部屋を片付けていますか?”など、ライブに関連することからプライベートな話まで質問。“おにぎり波に続く、新しい技を考えない?”という下田からの提案には、“最近塩にハマっている”という理由から「シオシオのピストル! バァン!!」と長谷川が銃を撃つ仕草をすると、ファンが「ベトベトするー!」とコールするという新たな技が生み出された。

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 そしてライブは後半戦へ。1曲目はアルバム表題曲である『Simply Lovely』。赤いチェックの衣装を着た長谷川がかわいらしく登場すると、会場も大盛り上がり。コールを入れながらアルバム表題曲である同曲をみんなで楽しむ。続いて『2100年の東京タワー』を長谷川が歌い上げると、ファンもサイリュームを左右にゆっくりと振りながら曲に身を委ねていった。

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 曲が終わると、会場中から「かわいいよー!」という声が長谷川に贈られる。そして「さっきの技やってみようかな」と切り出すと、「シオシオのぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ピストル、バン!」とおにぎり波に続く新技を披露。会場のファンも、これに「ベトベトするー!」というコールで返して、新技誕生の瞬間を祝う。そして3人目のゲストである千葉梓が登場。VTRの流れから会場のファンが下田麻美の登場を期待していたせいか、登場するなり「どうも、下田麻美です!」(千葉)と笑顔でコメントし、会場の笑いを誘う。そして曲はもちろん、千葉が作曲を手掛けた『Fateful Actor』を披露。じつは千葉もステージでの生演奏は初ということで、ソロライブが初となる長谷川とともに「私たちの初めてをよろしくお願いします!」(長谷川)とファンに向けてメッセージを届けた。そんな愉快なトークとは裏腹に、大人っぽい楽曲を華麗に演奏する千葉と、艶やかな歌声で楽曲を彩る長谷川の姿がそこにはあった。

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 ライブの最後を締めるのは、『おにぎりマーチ』。“おにぎり”ということで白いサイリュームが会場中を埋め尽くすと、長谷川も笑顔で元気いっぱいに同曲を歌い上げる。途中のコール&レスポンスで会場との一体感を味わうと、「お前を塩まみれにしてやろうかー!」という長谷川のセリフとともに、会場中が赤とオレンジのサイリュームで埋め尽くされ、一気にハードな雰囲気に。さらに、そこへ長谷川がサインボールを投げ込むなど、趣向を凝らした楽曲で、会場のファンを魅了した。

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 会場からのアンコールに応えて登場した長谷川は、ライブTシャツ姿。自分に合うサイズがなかったので、特別にXSを作ってもらったという長谷川は、ライブの感想として「本当にあっという間で……、もっと曲があればいいんですけどね(笑)」と素直な気持ちを語る。そんな長谷川の1stソロライブ、アンコール1曲目として選曲されたのは、『いやだよ 好きだよ』。気持ちを込めて歌う長谷川の姿、そして、その歌声に会場のファンも釘付けとなった。

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 最後は、ゲスト陣がステージに勢揃い。「自分の曲でサイリュームが振られるのを見たことが初めてだったので、個人的には何とも言えないあれでしたね(笑)」と言葉にならない上倉に、「とても尊いことですよね」とフォローを入れる長谷川。そして、「アンコールで出てきたときに曲数が少なくて申し訳ないって(長谷川が)言ってたじゃない。だからこれから2枚目、3枚目とアルバムを出してね。こうやってまたいっしょに舞台に立てるといいね」と伊藤はやさしい笑顔を長谷川に向けて語る。そして千葉が「『おにぎりマーチ』を最後まで初めて弾いたんですけど、生の“アッキー!”がすごかったです。皆さん盛り上がってくれてありがとうございました。最後の曲も長谷川さんといっしょに盛り上がっちゃってください!」と元気いっぱいのコメントをすると長谷川も「萌え」と笑顔。そして「(皆さんの)元気をすべてこの曲にぶつけてください。すべてぶつけてください。すべてぶつけてください!」と会場を煽ると、『LEVEL∞(Hard Rock ver.)』を披露。アツく激しいコールと緑とオレンジのサイリュームが会場の熱気をさらに一段高いところまで持ち上げる。ゲスト3人による生演奏と長谷川の歌声、そして会場中から響き渡るコールが、どこまでもどこまでもアツい空間を作り上げていく。さらに、間奏では長谷川も全力でマフラータオルを振り回し、会場を煽り続けるなど、どこまでもアツく突き抜ける一夜となった。

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 ライブを完走すると、ファンに向けて「本当に皆さんの声援がうれしくてね、そりゃ酸素もなくなりますよ! こんなに応援してくれてね、本当に長谷川は幸せ者です」と感謝の言葉を紡いだ長谷川。「今日は本当に本当にありがとうございましたー!」と力いっぱい挨拶をすると、さらに会場の隅々にまで手を振りながら「ありがとうございました!」と本当にひとりひとりに届けるように、手を振り、感謝の言葉を伝えていく。会場のファンも後方のファンの顔が長谷川に見えるように協力して中腰になったり、一旦はステージの袖にはけた長谷川が、名残惜しそうに再びステージに姿を現し、再び会場のファンに「ありがとうございました!」と伝えるなど、どこまでも温かさが染み渡るライブとなった。

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■【おまけ写真館】

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▲リハーサルのときに一発録りしたという『On Our Way』の映像を納めたUSBがライブ終了後に会場で販売された。

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▲リハーサル中の風景。手前で見守るのは中村プロデューサー。

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▲本番終了後の楽屋にて、観覧に来ていた今井麻美といっしょにパシャリ。

■長谷川明子1stソロライブ“Simply Lovely” at LIVE GATE TOKYO
セットリスト
01. XXX(上倉紀行 Remix)
02. LEVEL∞(Disillusion Special ver.)
03. Stay Tuned!(上倉紀行 Remix)
04. Sunrise!
05. I Can Fly
06. 蒼凛のペンデュラム
07. Simply Lovely
08. 2100年の東京タワー
09. Fateful Actor
10. おにぎりマーチ

【ENCORE】
11. いやだよ 好きだよ
12. LEVEL∞(Hard Rock ver.)

【2011.10.27.20:05修正】蒼凛のペンデュラム』の作編曲者を伊藤賢治氏と上倉紀行氏と記載しておりましたが、誤りでした。正しくは伊藤賢治氏と高橋コウタ氏による作編曲となります。読者の皆様、ならびに関係各位にご迷惑をおかけしたことをお詫びするとともに、ここに訂正させていただきます。