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LOOK KG231 11速化 – 9速からのアップグレード

LOOK KG231 11速化 – 9速からのアップグレード

LOOK KG231 11速化 – 9速からのアップグレード

懸案だった9速時代のホイールも、昨年ひととおり11速化できたことで、現在所有しているロードバークの11速化に着手しました。まず、手始めにしたのが、このLOOK KG231です。変速がULTEGRA(6500系)をメインとしたコンポーネントなため、アップグレードが安価で試しやすいのが1番の理由です。

なにぶん昔のロードバイクなので、できる限り交換する部品を少なくすることで、元の雰囲気を残しつつアップグレードをしたいというのがコンセプトです。

どのコンポーネントをアップグレードした?

この時代のカーボンフレームは細身で、最近のコンポーネントのゴツい感じは合わないとの思いもあり、当初は、デュアルコントロールレバーとリアディレイラーのみでの11速化を想定していました。しかしながら、実走した結果、最終的なアップグレードで交換したコンポーネントは以下の一覧となります。

Component 9 Speed 11 Speed
Shifters Shimano Ultegra ST-6501 9speed Simano Ultegra ST-6800 11speed
Front Derailleur Shimano Dura-Ace FD-7700 9speed Shimano Ultegra FD-R8000 11speed
Rear Derailleur Shimano Dura-Ace RD-7700-SS 9Speed Shimano Ultegra RD-R8000-GS 11speed
Sprocket Shimano Dura-Ace CS-7700 9speed 11-27T Shimano Ultegra CS-R8000 11 Speed 11-30T

結果的には、当初の目論見のデュアルコントロールレバーとリアディレイラーに加え、フロントディレイラーを含めての11速化となり、流用は9速コンポーネントはクランクとブレーキ周りのみにとなりました。

デュアルコントロールレバーの交換

当然ながら、デュアルコントロールレバーでの11速化には、11速対応品が必須となります。デュアルコントロールレバーは、現行のST-6501(9速)から11速対応のST-6800に変更しました。11速化を見据えて、以前に海外のセール時に購入しておいたものです。個人的には、現行のULTEGRAの8000系よりも、デザインが直線的で気になっています。

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余談ですが、ULTEGRA 6500系のデザインは特徴的で、特にクランクのカブトガニのような丸みを帯びている感じが苦手でした。結局クランクは、他のロードバイクものきなみDURA-ACEに変更して、ほとんど売却してしまいました。

フロントディレイラーの交換

当初は9速FD(FD-7700)を流用していましたが、調整がシビアなため最終的には11速FD(FD-R8000)に交換しました。一般的には、フロントディレイラー周りは互換性が高く[1]、11速フロントレバーで9速FDを動作させること自体は可能です。

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ただ、チェーンの外幅の減少[2]によるフロントディレイラーのケージ幅変更[3]の影響は大きく、2世代の差の調整は、実用的には非常にシビアなものでした。
実測では、9速FDのゲージ内幅(12.5mm)と11速FDの内幅(11.3mm)は1.2mmほどの差がありました。しばらくは、シフトアップを重視した調整で乗っていたのですが、何度かチェーンが外側に落ちる場合がありました。

期間にして2ヶ月ほど調整をつづけましたが、逆にチェーン落ちの防止を重視するとシフトアップがもたついてしまい、最終的に流用はあきらめ、11速のFD-R8000に換装しました。KG231はフロントディレイラー直付けのフレームなのですが、FD-7700と同様にシマノのバンドアダプター(SM-AD91-MS)にて取り付けにつけました。ただ、FD-7700は直付けのボルド穴が低めで位置が悪くバンドで取り付けたのですが、取り付け後のFD-R8000を見ると標準の直付け金具での取り付けも可能な感じです。

リアディレイラーの交換

シマノ11速では、リアシフトケーブルの全体の巻き量の変更(20 -> 27mm)[4]と共に、巻き量に対するリアディレイラーの移動比率も大幅に変更(1.7 -> 1.4)[5]されたため、9速リアディレイラーの流用はできません。

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9速から10速への移行は、ディレイラーの移動比率は固定(1.7)[5]で、1シフト当りのケーブル巻量の変更(2.5 -> 2.3mm)で対応でした。残念ながら、シマノの11速では大きな仕様変更となり、必然的リアディレイラーもに交換となります。

ただ、9速から11速に変化したことで調整もシビアになるかとも思いましたが、インデックス調整も含めて(なんとなく)9速より簡単な印象を受けました。感覚的な話ですが、リアシフターやディレイラー自体の精度も向上しているのかもしれません。

クランクの流用

クランク周りについては、デザイン的な面もあり最初から流用を決めていました。前述の通り、多段化によりチェーンの外幅は狭くなりましたが、チェーンの内側の幅およびチェーンリングの厚さについては、大きな変更がない部分です[6]。また、カンパ、シマノのロード共に180mmのクランクを常用しているため、価格を含めてクランクが入手しづらく、できれば流用したかった背景もあります。

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交換にあたり、実際にシマノチェーンをのローラー幅を計測しましたが、9速のチェーン(CN-7701)は2.3mm、11速チェーン(CN-GH901-11)は2.2mmでした。これは9速の廉価版(CN-HG53)でも同じ数値で、9速チェーンのローラー幅のほうが0.1mm幅広でしたが、許容範囲の数値かと思います。

ブレーキの流用

近年のシマノブレーキには(Super)SLRとNewSLRの規格があり、シマノからはブレーキキャリパーとレバーを同じ規格のものを組み合わせることが推奨[7]されていますが、今回は自己責任で流用を試してみました。

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実用的なブレーキレバー可動域(20度)で比較すると、9速のSLRのケーブル引き量(7mm)に対して、11速のNewSLRの引き量(8mm)が長くなった違いがあります[8]。今回の場合には、11速のブレーキレバーで9速のブレーキを引くことになるため、原理的に制動力が落ちるのため注意が必要となります[8]

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ブレーキレバーの引き量の違いもそうですが、NewSLRのキャリバーブレーキは、シマノのSLRやカンバのものと比較すると、手の感触で体感できるほど、明らかにバネ感が弱いです。とりあえずは、この組み合わせで、しばらく実装で確認してみることにしました。

しばらく乗ってみて

この組み合わせで、2ヶ月ほど乗ってみましたが、おおむね安定的に違和感なく乗れており、交換前との決定的な違いはほどんど感じられず、スムーズに移行できと思っています。逆に言えば、11速化による決定的な差は感じ難く、もちろん巡航速度があがったとか最高パワーを更新できたいったこともありませんでした。

これからは、もうすこし乗り込んで、多段化で2枚増えたメリットを活かせるように使いこなさないと .... といったところですが、ちょっとだけ、交換前後で気が付いた点をまとめてみます。

ブラックパーツの印象

最近のシマノ、カンパニョーロのコンポは、いわゆるシルバーパーツ的な構成が少なくなり、ほとんどがブラックやカーボンを基調としたものが主流となっています。今回用いた11速化のコンポーネント(6800/8000系)のブラックパーツの変更で、外観がどう変化するかが、ちょっと心配でした。

今回、ディアルコントロールレバーとディレイラー周りがブラック基調になりましたが、結果的には、ブラック/シルバーの適用箇所と比率は、カンパニョーロの10速時代と同じような構成となり、違和感なくアップグレードできた感じです。カンパニョーロは9速時代からカーボンパーツの採用からブラックパーツのの比率が段階的に増えてきましたが、それは許容できていた背景もあったかと思います。

フロントディレイラーの進化

速さには直接関係はないものの、フロントディレイラーについては、明らかに性能の差は感じられました。時期的にも11速化もが遅れたこともあり、最新式(FD-R8000)への交換となりました。なんといっても、9速時代(FD-7700)と比べると圧倒的に引きが軽く、あまりにスムーズで変速できたか心配になってしまうほどです。

整備面についても、ケーブルテンションの調整がマニュアル化されたことにより、組み付けも非常に簡単になりました。従来のようにセッティング最後に試行錯誤して、ともするとケーブル固定からやり直し .... なんてことはありません。マニュアル通りセッティングすれば、試行錯誤なく一定時間で完了するのもホビーユーザーには嬉しいところです。

リアディレイラーの性能

リアディレイラーの性能については、特に9速(7700系)と11速(8000系)の違い、多少クリックが軽く(弱く)なったかな?の印象を受ける程度で、決定的な違いは感じられませんでした。クリック感は好みの問題もあるとは思いますが、リアディレイラーに移動については甲乙つけ難く、明確な性能差は感じられませんでした。

ブレーキの組み合わせ

心配したブレーキの組み合わせですが、こちらも体感できるほどのは制動力の違いはなく、実走での違和感はありませんでした。ただ、前述した通り、今回の組み合わせは、旧SLRブレーキはバネの力も強く、原理的には制動力が落ちているはずですので、それは念頭に置いて運転すべきかと思います。そのいった意味では、テクトロの一部のブレーキのように、よりバネが強いキャリパーとの組み合わせは、避けたほうが無難と思われます。

チェーンの剛性

なんとなく気になったのは、11速化でチェーンの剛性感が落ちたような感覚があったことです。9速チェーンの交換時には、明らかに新品の高い剛性感を感じられたのですが、今回新品の11速チェーンでは、その感覚がありませんでした。

この剛性感の違いについては、しばらく不思議に思っていましたが、後日、新旧のチェーンを計測してみて、シマノの出荷状態のチェーンの遊びに違いがあることがわかりました[9]。端的に言えば、シマノの9速チェーンと比較すると、出荷状態の遊びが大きい(0.18% → 0.25%)ことがわかりました[9]

これから、どうする?

今回、一部のパーツを流用することにより、9速ロードの11速へのアップグレードを試してみました。今回のアップグレードによる、最終的な外観とパーツ構成は以下となりました。

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Component Product
Frames LOOK KG231
Fork LOOK HSC1 Carbon
Headset Shimano 600 Ultegra HP-6400
Shifters Simano Ultegra ST-6800 11speed
Front Derailleur Shimano Ultegra FD-R8000 11speed
Rear Derailleur Shimano Ultegra RD-R8000-GS 11speed
Crankset Shimano Dura-Ace FC-7701 180mm
BB Shimano Ultegra BB-6500
Sprocket Shimano Ultegra CS-R8000 11 Speed 11-30T
Brake Levers Integrated
Brake Calipers Shimano Dura-Ace BR-7700
Stem Simano PRO LT 100mm
Handlebar Shimano PRO LT Anatomic J 420mm
Seatpost Shimano 600 Ultegra SP-6400-A 25.0mm
Saddle Selle Italia Flite
SN C8CL 100651

この時代のロードはヘッド回りは1インチがまだまだ主流で、なおかつシートポスト系はメーカ独自(この時代のLOOKは25.0mmが多い)であまり標準化されていなかった背景もあり、どうしても一部は古いパーツが残ってしまします。

ただ、今回のシマノでの9速から11速化のアップグレードで、基本的なポイントは確認はできました。もう少し乗りこんでみて操作感の確認しつつ、カンパニョーロも含めて、他のロードについても順次11速化を進めていければと思っています。