マイクロソフトの協力を得てシングルサインオン環境を実現
Active DirectoryでLinuxも管理、ターボリナックス
2009/03/11
ターボリナックスは3月11日、Acitve Directoryによって、Linuxを搭載したクライアントPCやサーバをWindows同様に管理できるようにする「Linux Connector for Active Directory」を発表した。Turbolinux 11 Server、Client 2008およびRed Hat Enterprise Linux 5に対応しており、4月27日より販売を開始する。
Active Directoryは、Windowsで構成されたシステムのユーザー情報やプリンタ、サーバなどのリソースを一元的に管理する仕組みだ。Linux Connector for Active Directoryを導入することにより、Linuxマシンをその管理下に組み入れ、Windows端末に対するのと同じようにユーザー認証やアクセス制御を行うことができる。Active Directoryのグループポリシーを活用して、Linux上で動作するGNOMEなどのデスクトップ環境やFirefox、Thunderbirdの設定をコントロールすることも可能だ。
ターボリナックスではこのツールによって、システムやサーバごとに個別に行っていたユーザーおよびリソース管理の手間を省くことができ、運用コストを削減できるとしている。またユーザーにとっても、シングルサインオンでさまざまなリソースをシームレスに利用できるため、利便性の向上につながるという。
「企業においてはWindowsとLinuxの混在環境が当たり前になっている。これらが対立の関係ではなく、有機的に融合できる関係作りが求められているいま、今回の発表は意味があること」(同社代表取締役社長兼CEO、矢野広一氏)。
オープンソースソフトウェアの「Samba」を利用しても、WindowsとLinuxの混在環境でのリソース共有は可能だ。特にSambaバージョン3以降では、Active Directoryのドメインへの参加機能が実装されている。しかしSambaはGPLv3で配布されているため、企業で利用するにはライセンスの面で懸念があると考えられることから、マイクロソフトの協力を得て独自のプロトコルを1から開発した。また、Sambaに比べて設定作業が簡単に行える点も特徴だという。
なお、Linux Connector for Active Directoryは、2007年にターボリナックスとマイクロソフトが結んだ包括的提携に基づいて開発されたツールだ。この提携では、知的財産権の保護に加え、研究開発分野における連携やデスクトップ分野での協調に加え、「相互運用性の向上」として、WindowsとLinuxにまたがるシングルサインオンツールの開発がうたわれていた。
対応するActive DirectoryプラットフォームはWindows 2008/2003 Server。また、Windows上でユーザー情報を管理するためのGUIツールとして「Turbo ID Aio」も提供される。価格は、Linux端末5接続までのバージョンが9万8000円、無制限版が29万8000円。パブリックベータ版も同社サイトで公開する。
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