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FirefoxのGreaseMonkey相当の機能を実現

ChromeにJavaScriptで機能追加、サイボウズ・ラボの奥氏が開発

2008/09/10

 グーグルが提供するWebブラウザ「Google Chrome」では、プラグインやユーザーが作成したJavaScriptによる拡張が公式にはサポートされていない。デフォルトでFlashなど一部のプラグインが入っているほか、簡単なJavaScriptをブックマークとして登録する“ブックマークレット”は利用可能だが、Firefoxのように開発者が自由に拡張する方法がない。

 こうした中、サイボウズの子会社で研究開発を行うサイボウズ・ラボの奥一穂氏は9月10日、Chrome上で任意のWebページに対してユーザーが作成したJavaScriptを動かす「Greasemetal」を公開した。

 Greasemetalは、Firefox用のプラグインとして人気のGreaseMonkeyに相当するChrome向けランタイム環境だ。Chromeは拡張用APIを提供していないが、AutomationProxyと呼ばれる自動検証用のプロセス間通信のインターフェイスを使って実現しているという。

 GreaseMonkeyを使うと、例えば複数ページに分かれたニュースサイトの記事を1ページの縦長のHTMLコンテンツのように見せる「AutoPagerize」が利用できる。ページ末付近までスクロールしたときに次のページを自動的に先読みし、HTMLに動的に付け加えるJavaScriptで、GreaseMonkeyユーザーの間で人気の高いスクリプトだ。すでにGreasemetalで、Opera向けに書かれたAutoPagerizeスクリプトが動作しているという。ほかに、GreaseMonkeyで人気が高いのは選択した単語をWikipediaなどのオンライン辞書で検索して結果を閲覧中のWebページにオーバーレイで表示するようなスクリプトだ。

 JavaScriptを使ってWebブラウザにさまざまな機能を追加する流れがWeb開発者の間で1つのトレンドとなっている。Mozillaファウンデーションは8月29日に「Ubiquity」を発表。Webブラウジング中に、ちょっとした計算や特定サイトでの検索、WebAPIを使ったマッシュアップによる地図検索などをページ遷移なしに行うことができるプラットフォームとして注目を集めている。

 Chromeはリリース後まだ1週間ほどしか経過していないので、今後の動きは予測できないが、もし開発者たちがクライアントサイドの拡張機能を重視するようなら、グーグルが今後は公式にプラグインのAPIを公開する可能性もある。

 Greasemetalを開発した奥氏は、Palm OS用のWebブラウザ「Palmscape」を開発したことや、IPAの未踏ソフトウェア創造事業で天才プログラマー/スーパークリエータとして認定された経歴がある。

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(@IT 西村賢)

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