Unified Modeling Language / 統一モデリング言語 / 統一モデル記述言語
オブジェクト指向によるモデリングを行う際に使われる標準的な表記法。業務分析やビジネスデザイン、システム設計、ソフトウェアモジュール開発などに利用される。
対象物(ソフトウェアやビジネスフローなどの“システム”)の構造を、箱と線で構成される図(ダイアグラム)で記述するビジュアル言語である。目的に応じて複数のダイアグラムが定義されている。
1990年代初頭、さまざまなオブジェクト指向開発方法論が提唱され、そのモデル表記法も乱立していた。それらは基本的な概念は似通っていたが、方法論ごとに表記法やその要素の名称や意味が異なっており、エンジニア同士の意思疎通を阻害していた。1994年、米国ラショナルソフトウェア(現IBM)のグラディ・ブーチ(Grady Booch)、ジェームス・ランボー(James Rumbaugh)らによって統一方法論の試みが始まった。この試みは頓挫したが、モデル表記方法の部分がUMLとして公表された。1997年11月にOMG(Object Management Group:オブジェクト指向技術標準化団体)の標準として採択された。その後、OMGの専門チームで改訂作業が行われ、実用的なUML 1.3が1999年に、MDAを見据えた大幅改訂版であるUML 2.0が2007年に公開されている。
また、この改訂とは別に国際標準化も進められ、UML 1.4.2相当のバージョンが「ISO/IEC 19501-1:2005」として成立している。
UML 1.x | UML 2.x | 説明 |
クラス図 | クラス図 | クラスの構造とクラス-クラス間の静的な関連を示した図 |
オブジェクト図 | オブジェクト図 | ある場面におけるオブジェクト同士の関係や構造を示した図 |
− | 複合構造図 | クラスやコンポーネントの内部構造や外部との境界を示した図 |
ユースケース図 | ユースケース図 | システムのコンテキストと、外部機能との関係を示した図 |
コラボレーション図 | コミュニケーション図 | オブジェクト間でやり取りされるメッセージやデータの流れを示した図 |
シーケンス図 | シーケンス図 | オブジェクト間でやり取りされるメッセージを時間順序系列から示した図 |
− | インタラクションオーバービュー図 | 複数の相互作用同士のコントロールフローを大まかに示す図 |
− | タイミング図 | 細かい時間間隔でのオブジェクトの状態遷移や時間制約などを示す図 |
ステートチャート図 | ステートマシン図 | オブジェクトの生成から消滅までの状態遷移を動的に示した図 |
アクティビティ図 | アクティビティ図 | プロセスの逐次的なステップ、手続きの制御フローを示した図 |
コンポーネント図 | コンポーネント図 | コンポーネントの外部仕様、内部構造を詳細に示す図 |
配置図 | 配置図 | オブジェクトやファイルなどをどのハードウェアに配置するか、物理的視点で示した図 |
− | パッケージ図 | モデル要素の論理的グループ(パッケージ)の依存関係を示す図 |
▼『UML 2.0仕様書――2.1対応』 Object Management Group=著/西原裕善=監訳/オーム社/2006年11月(『Unified Modeling Language specification』の邦訳)
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