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『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』

北村 健太郎 20140930 生活書院,304p.
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last update:20160812
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『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』表紙 北村 健太郎 20140930 『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』生活書院,304p. ISBN-10: 4865000305 ISBN-13: 978-4-86500-030-6 3000+税 ※

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内容紹介  著者紹介  本書目次  正誤表  一部引用  書評・言及  紹介  開催報告  Twitterの言及  関連文献


 

■内容紹介(生活書院ウェブサイトより)

今ここにある個人の身体から切り離し難い障害/病気=血友病を立脚点に現代社会の課題を描き出す。

1960年代後半から1980年代における血友病者および血友病患者会/コミュニティの歴史を論じ、血友病者を軸に、医療技術、公費負担、学校教育、マスメディア、 優生思想、感染症問題などの様々な主題へと展開。血友病を何かの具体例として扱うのではなく、血友病を視座に社会を捉え直そうとする意欲的な試み。
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■著者紹介

1976年生まれ、2003年3月、久留米大学大学院比較文化研究科前期博士課程比較文化専攻保健・福祉社会文化コース修了 修士(文学)。 2007年3月、立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程先端総合学術専攻修了 博士(学術)。現在、立命館大学非常勤講師。
一般社団法人ヘモフィリア友の会全国ネットワーク理事特定非営利活動法人ある理事
ウェブサイト「Living Room」(http://www.livingroom.ne.jp/

編著に、山本崇記・北村健太郎編 『不和に就て――医療裁判×性同一性障害/身体×社会』(生存学研究センター報告3)立命館大学生存学研究センター、2008年。 天田城介・北村健太郎・堀田義太郎『老いを治める――老いをめぐる政策と歴史』生活書院、2011年。
共著に、「子どもと家庭の権利保障を理解する」 (堤荘祐編『実践から学ぶ子どもと家庭の福祉』保育出版社、2008年)。 「血友病者本人による社会と結び付く活動の生成――Young Hemophiliac Club 結成を中心に」 (天田城介村上潔山本崇記『差異の繋争点――現代の差別を読み解く』ハーベスト社、2012年)。
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■目次

献辞

序章 血友病患者会/コミュニティの歴史への問い

1 血友病患者会/コミュニティの歴史への問い
2 本書の基本的視座
3 本書の基本概念と時期の区別
4 近接領域の概観と薬害研究の限界
5 本書の用語説明

前史 戦前から戦中を生きた血友病者たち

1 はじめに
2 戦前に就職した血友病者
3 徴兵された血友病者
4 空襲に遭った血友病者
5 おわりに

第 I 部 血液製剤の登場と全国ヘモフィリア友の会の創立

第1章 血液製剤の登場と普及――血友病と医療技術(1940〜)
1 はじめに
2 日本の血液事業の展開
3 献血推進の主張
4 血友病治療の大転換
5 製薬企業と医師たちの問題認識
6 “ホーム・インフュージョン”の導入
7 ライシャワー事件以後の国会審議
8 閣議決定が生んだ矛盾
9 おわりに

第2章 全国ヘモフィリア友の会の創立――血友病と公費負担(1967〜1974)
1 はじめに
2 患者運動と難病対策の展開
3 全国ヘモフィリア友の会の創立
4 公費負担の開始
5 年齢制限の壁
6 小児慢性特定疾患治療研究事業の成立
7 公費負担成立の背景
8 おわりに

第3章 大西赤人君浦高入学不当拒否事件――血友病と学校教育(1971)
1 はじめに
2 血友病者の進学や就職
3 浦高事件以前
4 内申書をめぐる対立――浦高事件・1
5 実現する会結成とメディアの反響――浦高事件・2
6 特別抗告棄却と大検合格――浦高事件・3
7 おわりに

第 II 部 Young Hemophiliac Clubの誕生と「錆びた炎」問題

第4章 Young Hemophiliac Clubの誕生――若手血友病者の台頭(1973〜1976)
1 はじめに
2 パンフレット『若者よ 集まれ!』
3 松嶋兄弟にみる個人差と地域差
4 「青年の集い」の開催
5 Young Hemophiliac Clubの結成
6 松嶋兄弟とYHCの交流
7 “ホーム・インフュージョン”への期待
8 おわりに

第5章 「錆びた炎」問題・「ブラックジャック」問題――血友病とマスメディア(1977・1981)
1 はじめに
2 「錆びた炎」問題
3 抗議と反論の位置
4 かみ合わない議論
5 抗議運動の終結
6 抗議運動の成果と限界
7 「ブラックジャック」問題
8 おわりに

第6章 Young Hemophiliac Clubの再編――血友病者の新しい身体(1978〜1979)
1 はじめに
2 YHCの組織再編
3 YHCと全友にできた溝
4 一人で旅行ができる身体――網野合宿・1
5 問われた血友病者の社会性――網野合宿・2
6 できる範囲/できない範囲の境界の変動
7 年齢制限撤廃運動のその後
8 おわりに

第 III 部 全国ヘモフィリア友の会の展開とエイズ問題

第7章 全国ヘモフィリア友の会の展開――血友病者と自己注射(1975〜1982)
1 はじめに
2 フラターナル・ナイトの開催
3 デートリッヒ医師の講演
4 全友の出版物等監視委員会
5 北村会長のアメリカ単独行
6 武見医師会会長と橋本厚生大臣への面会
7 医学書『血友病』の発行
8 おわりに

第8章 「神聖な義務」問題――血友病と優生思想(1980)
1 はじめに
2 機関誌『全友』にみる出生前診断
3 「神聖な義務」問題とその背景
4 渡部への批判
5 血友病者側の反応
6 血友病者側の反論の困難
7 血友病者と青い芝の差異
8 おわりに

第9章 自己注射の公認と高額療養費限度額の改正――血友病者の明暗(1983〜1984)
1 はじめに
2 自己注射の公認
3 日本の血友病者たちの1970年代
4 「明るい未来」の崩壊
5 高額療養費の限度額改正
6 おわりに

第10章 全国ヘモフィリア友の会の休止――血友病とエイズ問題(1985〜1989)
1 はじめに
2 加熱処理製剤の認可
3 立ち上がる血友病者たち
4 第20回全国大会をめぐる応酬
5 野村会長の就任
6 エイズ予防法案との闘い
7 おわりに

跋章 血友病患者会/コミュニティの歴史が拓く問い

1 第1期の総括から第2期の議論へ
2 「錆びた炎」問題の歴史的意義
3 血友病患者会/コミュニティの分断破線
4 血友病患者会/コミュニティの歴史が拓く問い
5 1970年代の忘却に抵抗する

補論1 C型肝炎特別措置法による差別――血友病とC型肝炎

1 はじめに
2 C型肝炎特別措置法案をめぐる長い一日
3 両院の厚生労働委員会の質疑及び決議
4 C型肝炎特別措置法の問題点
5 おわりに

補論2 ヘモフィリア友の会全国ネットワークの結成――血友病コミュニティの再生

1 はじめにWFHのページ)
2 ヘモフィリア友の会全国ネットワークの結成
3 国会決議に基づく厚生労働省との協議
4 遺伝子組換製剤ノボセブンの不採算品再算定
5 全国ヘモフィリアフォーラムの開催
6 ヘモフィリア友の会全国ネットワークの含意
7 おわりに

血友病患者会/コミュニティ略年表
あとがき
謝辞
参考文献(別ページ)

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■正誤表

19ページ2行目
(誤)全国ハンセン病療養者協議会
(正)全国ハンセン病療養所入所者協議会

196ページ7行目
(誤)9-2 民主党
(正)9-2 民社党

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■引用

補論2 ヘモフィリア友の会全国ネットワークの結成――血友病コミュニティの再生

 
5 全国ヘモフィリアフォーラムの開催

 2011年3月12日および13日、東北地方太平洋沖地震の影響で全国ネットワーク2010年度総会,第8回懇談会は中止となった. 4月16日および17日の「全国ヘモフィリアフォーラム2011――Your Life! 私たちの医療―今と未来―」は予定通り大阪で開催された. WFHからストリート医療担当副会長(当時)が再び来日し,特別講演が行われた.16日のパネルディスカッションでは,急遽「災害時における血友病医療」が取り上げられた. 宮城を中心に福島,山形,秋田の会員で活動している東北ヘモフィリア友の会会長の藤野秀一は, 全国フォーラムへの参加を断念せざるを得なかった広範囲にわたる被害を簡潔に伝えた.

 ……今回の震災に際し,血栓止血学会の先生方,全国の友の会の仲間等からウェブ上で様々な情報の提供をいただきましたこと,重ねて御礼申し上げます. おかげさまで,現在私の把握している範囲では,治療や製剤に問題はないようです.これも先生方や製薬会社の皆様の御協力の賜物と思います. /東北友の会は,震災の影響が大きい宮城,福島の会員が多く,宮城では津波で,福島は津波に原発問題で,安否確認が出来なく,大変心配しています. 皆無事と確信しています.震災の被害は想像を絶する甚大なものです.まるで映画でも見ているかのようです. そんな中,会員の仲間で,職場が津波に流され失業しましたが,石巻赤十字病院で薬剤師のボランティアをしています. また,南三陸町の中学生の会員は,自宅が津波に流され避難所生活をしていますが,その避難所内でボランティア活動をしています. これは仲間として大変嬉しく,頼もしい限りです./まだまだ震度の大きい余震が続き,なかなか落ち着いた生活が出来ませんが,着実に復興に向けて進んでいます. しかし,その道のりは大変厳しいものがございます(全国ヘモフィリアフォーラ>269>ム実行委員会 2011: 40).

 岩手ヘモヒリー友の会事務局長の村上由則は,震災直後に県を越境して6日間の帰宅難民になった様子を克明に描写し,さらに岩手の状況を知らせた.

 ……手持ちの製剤は1000単位2本でした.普段の生活から一変しましたので,ちょっとした移動も不安で,常時杖を離せませんでした. 当日,製剤を1本使用しました.3日目の月曜日に,〔勤務先の――引用者注〕大学の車で仙台の国立病院で製剤を2本処方してもらいました. 病院でまたまた1本輸注しています.翌日は,再度同じ病院に行き,メーカーの製剤供給体制が十分機能し,在庫も問題ない旨を医師に伝えて処方をお願いしましたが, 受け付けられませんでした./何日間の足止めになるかも判らない状況で,その時点での手持ち本数2本では非常に心許ないものです. ……救急での対応が可能との了解をいただき,車で直行いたしました.その結果,10本の処方をいただき,すぐに製剤を入手することが可能となり,ホッとした次第です. その後,何とか製剤を温存しながら,1週間後に盛岡の自宅に帰ることができました.……被害の大きな地域に4名の会員がいます.今のところ,会員1名が津波で亡くなりました. 2名は安否の確認ができていません.1名はツイッター上での書き込みを確認しました. 被害の大きな釜石,大槌にいる患者1名に製剤を持参したところ,震災前に十分に処方されていましたので一安心です. 最後に,私の実家は1メートル半ほど床上浸水していました.もう住むことはできないようです(全国ヘモフィリアフォーラム実行委員会 2011: 41-42).

 村上は血友病者が災害に備えて心得るべきことを8項目にまとめて,全国フォーラム参加者に伝えた.〔注15〕 村上の指摘を整理すると,第一に,被災地では電気がなく,パソコンも携帯電話も使えないこと.情報の入手はラジオぐらいに限られる. 第二に,血液製剤の確保には,主治医と連携した院外処方箋がある.ファクシミリによる製剤入手は可能だが,薬局までの移動あるいは誰かが取りに行く必要がある. また,被災地の病院に血液製剤があっても,>270>医師による考え方の違いから処方を渋る場合もある.〔注16〕 第三に,日頃からの自分の身体状況を伝えられる人間関係の構築の重要性. 緊急時には人前で注射をしなければならない場合もあるし,無理をして身体を不安定にしてはいけない. 多くの人々に話すことはできなくても,自分の味方となってくれる人を作ることは大切だろう. 第四に,血友病者の所在確認には,患者会事務局の情報と製剤メーカーの供給先の病院を照合して血友病者の避難先等を確認した. 以上は,災害発生直後にあたっての心得である.
 次に,帰宅難民など災害の長期化および血友病性関節症を抱える血友病者に関する示唆をまとめる. 第一に,帰宅難民などに備えて,緊急宿泊用のエアーマット,布団などを職場に準備できると良い.血友病者にとって固い床は毛布を敷いただけでは出血の可能性を拡大し得る. 出血の可能性の縮減をいろいろと考えるべきである. 第二に,杖や固定用サポーター,包帯,湿布は絶大な効果がある. 村上は杖や固定用サポーター,包帯の使用によって弱い部位への注意を高めて過剰な運動が減少し,慎重な動作を実感した. 村上は椅子や机の活用によって足への負担の軽減にも気を使った.最終的に椅子と低い机を組み合わせてベッドを作った(全国ヘモフィリアフォーラム実行委員会 2011: 41-42).
 地震発生後,全国ネットワークでは情報をメーリングリストで共有し, 携帯からも閲覧できるウェブサイト「被災者支援血友病関連情報」として整備した(阿部 2011). 医療者側では小児血液学会の小児血友病診療ネットワークによる定時の情報発信が行なわれ, 地域の病院に様々な医療情報が届けられた(全国ヘモフィリアフォーラム実行委員会 2011). これらの情報は,村上が指摘したように電気が通じていないと得られないが, 地震発生当初は被災地以外の血友病患者会/コミュニティのパニックを防ぐ役割を果たしたかもしれない.(pp.268-270)


補論2 注
注15 村上が提示した順序を入れ替え,内容ごとに整理した.
注16 病院の通院患者を優先する判断をした医師もいた.いつ薬剤が在庫切れになるか,次が供給されるか,不安定な状況での判断であるから一概に責めることは難しい.

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■書評

栗岡 幹英 20151231 「北村健太郎著『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』(生活書院,2014年, A5判,304頁,3,000+税)」『社会学評論』66(3):433-434.

蘭 由岐子 20160531 「北村健太郎著『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』(生活書院、2014年)」 『福祉社会学研究』13(2016-05):159-163.
https://www.gakubunsha.com/cgi-local/MOKUJI/978-4-7620-2653-9.html

新ヶ江 章友 20160731 「北村健太郎著『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』(生活書院、2014年)」 『保健医療社会学論集』27-01(2016-07):134-135.
http://square.umin.ac.jp/medsocio/box/cover/27-1.htm

■言及

◆患者・家族調査研究委員会 編 20160331  『血友病患者が日々を過ごす知恵と苦心――ヘモフィリア患者のライフスキル調査報告書―その共有と継承―「生きなおす」声を聞く 追跡調査報告書』 特定非営利活動法人ネットワーク医療と人権,202+18p.
「第XII章 薬害HIV事件がもたらした感染者・非感染者への影響」(城本 友恵・大達 亮)127p.


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■紹介

 本研究センター客員研究員の北村健太郎さんによる単著『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』の紹介文を掲載いたします。
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北村健太郎『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』
 本書の執筆動機の一つは、血友病医療費の公費負担の問題です。大学院修士課程のとき、血友病児を育てた父親にインタビューをしました。 父親は公費負担の年齢制限の撤廃活動にも積極的にかかわりました。その話を聞いて、2000年代は公費負担への対応が必要になると考え、 血友病医療費の公費負担の患者運動を調べ始めました。本格的に取り組み始めた矢先、公費負担の制度変更が起こりました。幸いにして、 まだ血友病医療費の窓口負担は発生していません。

 徐々に、血友病患者会/コミュニティという問題系の幅広さと奥行きに気がついて驚嘆しました。日本の血友病患者会/コミュニティの歴史は、 誰も手掛けていない主題でしたから、まずは資料に残された血友病者やその家族の生のことばを尊重しようと決めました。本書は、 彼らの生のことばで埋めつくされています。当時の雰囲気を伝えることを第一に考え、学術用語をさほど用いていません。執筆するなかで、 血友病患者会/コミュニティの歴史から下記に示す様々な主題を考えさせられました。

 本書は、2006年度立命館大学大学院先端総合学術研究科課程博士学位論文「日本における血友病者の歴史――1983年まで」を加筆修正し、全国ヘモフィリア友の会とYoung Hemophiliac Clubを対置させて、 日本の血友病患者会/コミュニティの歴史を描きました。血友病者を視座に、医療技術、公費負担、学校教育、マスメディア、優生思想、感染症問題という様々な主題へ展開させ、 現代社会の論点を捉え直す試みです。血友病患者会/コミュニティの歴史を主題とする人文社会学の研究は世界的にも少ない貴重な研究です。

 本書では、三つの時期に分けて論じています。なかでも、1965年から1984年までの第1期「医療の歓待と社会への参加」を詳しく論じました。 第1期の血友病者の身体、血友病の先端医療、社会制度の変化にかかわる血友病患者会/コミュニティの組織的運動を論じています。 1985年から2002年までの第2期「患者会/コミュニティの破壊と抵抗」のうち、1985年から1989年の国家賠償訴訟の提訴までの経過も若干述べましたが、 詳細は改めて論じたいと考えています。2002年から現在に至る第3期「患者会/コミュニティの再生と自発性」は補論で論じています。 感染症問題が血友病者に与えた複雑な影響を論じることは難しく、本書では1970年代を中心に論じています。

 本書では、1970年代の血友病患者会/コミュニティの絡み合う論点を解きながら、現代社会に通ずる課題の析出を目指しました。 様々な論点が交錯していたにもかかわらず、血友病患者会/コミュニティの1970年代は、研究者やジャーナリストから放置され、忘却されていました。 本書は歴史の忘却に対する抵抗の書でもあります。血友病だけでなく、埋もれている問題系を放置せず、少しずつ解明しなくてはならないと思います。 また、歴史の忘却に対しても抵抗しなければなりません。

 あなたに読んでいただくことを願って、学術用語を最小限に書いてきました。多少でも御関心をお持ちになられた方は、 ぜひとも小著をお手に取っていただきたく思います。刊行にかかわる多くのご支援に対して御礼申し上げるとともに、 読者のみなさまからの忌憚なき御意見をお待ちしております。
---
cf. 血友病
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1523694764564172

2014/12/01  http://wallaby-clinic.asablo.jp/blog/2014/12/01/7508074
「日本の血友病者の歴史」『歴史は必ず進歩する! 医師・松永正訓のブログ』
「この本を読んだ理由は、渡部昇一氏の「神聖な義務」問題が書かれているから。
 先日の練馬の講演会では取り上げなかったけれど、優性思想を考える上で分かりやすい題材です。
 別の機会に使ってみよう。」

2015/01/07  https://www.facebook.com/shun.ishihara.5
石原 俊 北村健太郎さんからいただきました。
ぼくが北村さんの在学していた大学院で非常勤をしていたころから、北村さんは一貫して日本の血友病者をめぐる歴史をテーマにしておられたが、 それからもう10年以上の歳月を経たんですね。。。
いま本書の全章に目を通す余裕はないものの、日本で血友病が「治められる病」になった現在から過去を一方的に裁断するのではなく、 1970年代の血友病者の自律性や試行錯誤を掘り起こしながら、そのさまざまな可能性を開いていく記述スタイルには、ぼくもひじょうに共感できる。
ありがとうございました。」

2015/01/21  http://hemophilia-japan.org/news/2015-01-21.html
書籍『日本の血友病者の歴史』が発刊されました
北村 健太郎(本ネットワーク理事)の著書『日本の血友病者の歴史』が生活書院より発刊されています。
★今ここにある個人の身体から切り離し難い障害/病気=血友病を立脚点に現代社会の課題を描き出す。
1960年代後半から1960年代後半から1980年代における血友病者および血友病患者会/コミュニティの歴史を論じ、血友病者を軸に、医療技術、公費負担、学校教育、マスメディア、 優生思想、感染症問題などの様々な主題へと展開。血友病を何かの具体例として扱うのではなく、血友病を視座に社会を捉え直そうとする意欲的な試み。
内容詳細は生活書院の書籍紹介をごらんください。
arsvi.com(「生存学」創成拠点・立命館大学生存学研究センター)にも本書の紹介があります。」

◆2015/02/01 立岩 真也 「二〇一四年読書アンケート」『みすず』57-1(2015-1・2)

2015/03/04  https://www.facebook.com/junji.kayukawa
粥川 準二  北村健太郎著『日本の血友病者の歴史』(生活書院)を献本していただきました。 題名通り、日本における血友病患者やそのコミュニティの歴史を緻密に記述・分析した論考です。いうまでもなく、薬害エイズ問題とのかかわりなど非常に興味深いのですが、 僕的には「神聖な義務」問題がきちんと議論されていることも意義深いと思います。」

2015/06/16  http://blog.goo.ne.jp/mxd00665/e/ee28073d54fe80d0f1f39f64db00842a
おかだ外郎「空白の地図に書き込む」『ただいま読書中』
「大航海時代は「地図に書き込む」時代でした。空白の地図に探検隊が通った経路や発見したものを次々描き込んで「空白」を消滅させていったのです。
 もしかしたら人生も、「空白の地図」に自分が生きた軌跡や体験したエピソードを書き込んでいく作業のことなのかもしれません。この場合「空白の地図」を誰が用意したのか、もその人の人生にとっては大問題にはなるのですが。

『日本の血友病者の歴史』北村健太郎 著、 生活書院、2014年、3000円(税別)

 本書で論じられるのは、「個人の病気としての血友病」ではなくて「病者と社会の関係」「病者のコミュニティとしての血友病患者会の歴史」です。
 戦前にも血友病は日本にありました。徴兵検査では丙種合格とされていたようですが、戦争が終わりに近づくとそういった人も召集されています。 両膝の内出血で動けない状態でシベリア抑留をされた兵士の手記は、壮絶です(ついでですが、昔は「血友病者は子供の時に死んでしまう」という“神話”がありましたが、 それが嘘であることもこの手記からわかります)。
 輸血と止血剤くらいしか使えなかった血友病の治療に大転換がもたらされたのは1965年クリオプレシピテート (急速冷凍させた新鮮な血漿を摂氏4度で溶解させた後に溶けずに残っている成分)に血液凝固因子が豊富に含まれていることの発見からでした。血液製剤の劇的な止血効果により、 血友病患者は社会に参加しやすくなります。しかしそれは「血清肝炎」という「副作用」とのトレードオフでした。しかも値段がとてつもなく高い (一瓶で当時の初任給の数分の一)。
 厚生省は1972年から難病対策を始めました。「治療法(出血による激痛を緩和)」が血友病に確立したこともあり、血友病治療の公費助成も始まります。 血友病者はまだ社会の中では疎外されていましたが(作家大西巨人の息子赤人の高校進学差別問題など)、それでも社会の中に組み込まれたのです。
 患者会として「全国ヘモフィリア友の会」(全友)が結成されますが、差別や不当な扱いへの対応・医療方針など路線の違いや世代間の断絶なども認められます。 70年代に登場した「子孫に血友病を伝えないようにするべきか」も深刻な議論を巻き起こしました。 『錆びた炎』という推理小説で血友病が明らかに間違った扱いをされていることに対する抗議運動では、全友内部で路線対立が起きます。 さらに渡部昇一(上智大学教授)の「神聖な義務」(“劣悪な遺伝子”を持つ者は、自主的に受胎調節をするべし、という主張を大西巨人 (血友病の息子を持っている)をターゲットに書いたエッセイ)が大論争を巻き起こします。しかしこれに一番強く反応したのは脳性麻痺の協会「青い芝」でした。 血友病友の会では、それ以前から羊水穿刺などについて議論があり、意見をまとめきれなかったのです。
 1983年血液製剤の自己注射が公認されます。全友会長は、厚生大臣や日本医師会会長(当時は武見太郎)、そしてミドリ十字を訪れ感謝の意を表しています。 血友病者の社会参加はさらに容易になりました。しかしAIDSの恐怖が忍び寄ります(当時はまだHIVについては知られていませんでした)。 「血友病者」として差別されていた人たちがやっと「血友病があってもほぼふつうに活動できる人」になったと思ったらこんどは 「エイズ患者」として差別されるようになったのです。さらに、エイズに対する運動方針の食い違いから、全友は分裂気味となってしまいます。 戦う対象は、血友病・HIV・差別・エイズ予防法など増える一方です。さらに薬害のC型肝炎特別措置法では血友病は救済の対象から排除するという差別が行われます。
 本書は基本的に事実の羅列です。感情むき出しの非難などはありません。ただ、その叙述を読んでいると、 日本社会がもつ冷たい欠陥(排除の理論)が見えてくるような気がします。
 血友病ではない人間にとって血友病は「私の問題ではない」と言っても良いでしょう。言っても良いけれど、 私はまた将来別の問題を抱え込む可能性は大です(身体障害になるとか、認知症になるとか)。 その時社会の多くの人から「おかだの問題は自分の問題ではない」と言われてしまうのは悲しい。だとしたら、今私がするべきことは?」

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■開催報告

 2015年3月14日(土)、キャンパスプラザ京都第1講習室において、立命館大学生存学研究センター若手研究者研究力強化型プロジェクト「マイノリティ研究会」共催企画として、 公開合評会「『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』を読む」が開催されました。 著者の北村健太郎さん(本研究センター客員研究員)による開催報告を掲載いたします。

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 マイノリティ研究会梁陽日(立命館大学大学院先端総合学術研究科)から趣旨説明がなされた後、 執筆者である北村健太郎(立命館大学非常勤講師)が自著解題を行ないました。次に、 コメンテーターである鵜飼正樹氏(京都文教大学/社会学、大衆文化論)から「北村健太郎さんの『日本の血友病者の歴史』から受け取ったもの」、 高橋さきの氏(翻訳家/科学技術社会論、ジェンダー論)から「『からだ』というフィールドの創成」という書評コメントがなされました。

 北村は、血友病患者会/コミュニティは豊かな問題系であるにもかかわらず、日本では誰も研究されなかったと指摘しました。特に、 1970年代の血友病患者会/コミュニティの歴史が多くの研究者に無視されたこと、1977年の「錆びた炎」問題を再評価する必要性を強調しました。
 鵜飼氏は、「コミュニティの歴史」を「個人の歴史の束」で描く手法、古典的なボランタリー・アソシエーションやコミュニティの概念の採用は、 本著では成功しているのではないかと一定の評価をされました。他方、「痛み」や「しなやか」などの陥穽に落ち入りやすい語句も散見されるので、 より精密な議論をすべきだとの指摘がありました。
 高橋氏は、1960年代後半の産児制限運動などから「からだ」というフィールドが争点となった時代背景を解説され、 本著が論じた1970年代とは「からだ」をめぐる重要な論点が提出された時代であると論じられました。そのうえで、 血友病者の「からだ」と自己注射のインターフェイスについて、より詳述できていれば、なおよかったと評されました。

 それぞれの解題やコメントを受けて、本著における記述の狙いや鍵概念に込められた意味などについて、内容の濃い議論が行なわれました。 参加者は少なかったものの、一人ひとりに応答できたのではないかと思います。
 最後になりましたが、年度末のお忙しいなか、評者をご快諾いただきました鵜飼氏、高橋氏、 ならびに参加者の皆様に心より感謝申し上げます。
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cf. 血友病
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1587995758134072
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■Twitterによる言及  ※このほか、私信も多くいただいております。御礼申し上げます。

01◆2014/09/04 https://twitter.com/seikatsushoin/status/507427268990214144
「takahashi atsushi @seikatsushoin 【近刊案内更新】しました。一昨日校了下版した学会誌『司法福祉学研究14』 と今月末刊行予定の北村健太郎さん著 『日本の血友病者の歴史』をアップしました。」

022014/09/06  https://twitter.com/nekonoizumi/status/508252697225465858
「猫の泉 @nekonoizumi 目次あり。「今ここにある個人の身体から切り離し難い障害/病気=血友病を立脚点に現代社会の課題を描き出す。」 「血友病を視座に社会を捉え直そうとする意欲的な試み。」 ⇒北村健太郎『日本の血友病者の歴史 他者歓待・社会参加・抗議運動』生活書院

032014/09/06  https://twitter.com/nekonoizumi/status/508252836753190912
「猫の泉 @nekonoizumi 「1960年代後半から1980年代における血友病者および血友病患者会/コミュニティの歴史を論じ、血友病者を軸に、医療技術、公費負担、学校教育、 マスメディア、優生思想、感染症問題などの様々な主題へと展開。」」

04◆2014/09/08 https://twitter.com/ritsumei_arsvi/status/508951248737820672
「生存学研究センター @ritsumei_arsvi 本研究センター客員研究員の北村健太郎さんが単著を刊行されます。 『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』(生活書院)

05◆2014/09/26 https://twitter.com/seikatsushoin/status/515369641514778624
「takahashi atsushi ?@seikatsushoin 【新刊出来】小社新刊、北村健太郎さんの『日本の血友病者の歴史』。見本が届きました。力作です。ぜひご一読を! 書店には来月4日前後から。『日本の血友病者の歴史』見本

06◆2014/10/14 https://twitter.com/seikatsushoin/status/521895286168227840
「takahashi atsushi ?@seikatsushoin 【新刊】バタバタ続きで更新が遅れていたHPを更新し、北村健太郎さんの新刊『日本の血友病者の歴史』をトップにアップしました。 すでに書店店頭には並んでいます。力作ですのでぜひご一読を!! 更新が遅れましたことあらためてお詫びします。 『日本の血友病者の歴史』
 
07◆2014/10/19 https://twitter.com/ShinyaTateiwa/status/523743803077709824
「立岩真也 @ShinyaTateiwa 北村健太郎新刊『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』生活書院 「血友病患者会/コミュニティ[…]研究として世界初の成果です。[…]非常に興味深い実践があることが分かり、まず、それらの事実を明らかに[…]」(著者)」

08◆2014/10/21 https://twitter.com/en_casserole/status/524473567334129664
「なべ @en_casserole [book] 北村健太郎『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』生活書院、2014年。」

09◆2014/10/26 https://twitter.com/space96/status/521938692869353473
「スペース96 @space96 『日本の血友病者の歴史 他者歓待・社会参加・抗議運動』

10◆2014/10/26 https://twitter.com/kozokubo/status/521942474546098176
久保耕造 @kozokubo 『日本の血友病者の歴史 他者歓待・社会参加・抗議運動』

11◆2014/11/06 https://twitter.com/ShinyaTateiwa/status/530355090868015105
「立岩真也 @ShinyaTateiwa 北村健太郎新刊『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』→ 「血友病者および血友病患者会/コミュニティの歴史を論じ、血友病者を軸に、医療技術、公費負担、学校教育、マスメディア、 優生思想、 感染症問題などの様々な主題へと展開」」

12◆2014/11/10 https://twitter.com/JP_Mike/status/531736917985869824
Minoru Kataoka片岡 稔) @JP_Mike ご恵投いただきました。 深謝。 『日本の血友病者の歴史―他者歓待・社会参加・抗議運動』北村健太郎」

13◆2014/12/03 https://twitter.com/en_casserole/status/539959894905208832
「なべ @en_casserole [book] 北村健太郎『日本の血友病者の歴史』生活書院(2014年)」

14◆2014/12/11 https://twitter.com/yoshitarohotta/status/542992936946782208
堀田義太郎 @yoshitarohotta 北村健太郎氏から御著書『日本の血友病者の歴史』をご恵贈頂きました。 ありがとうございます。m(_ _)m 」

152014/12/12  https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/543239825642377216
「kohaku ?@kohaku_nanamori いまたまたま面白そうだと思ってチェックした『日本の血友病者の歴史』っていう本と『どんなムチャぶりにも、いつも笑顔で?!』っていう本、 どっちの著者も「立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程」というところの出身だった。」

162014/12/12  https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/543237465218097153
「kohaku ?@kohaku_nanamori http://Amazon.co.jp :日本の血友病者の歴史―他者歓待・社会参加・抗議運動: 北村 健太郎: 本」

172014/12/12  https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/543237944576716800
「kohaku ?@kohaku_nanamori 著者の名前、どこかでみたことが?、と思ったらこの「神聖な義務」論争をまとめたページを作った人か。 http://www.livingroom.ne.jp/db/h003.htm

182014/12/14  https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/544057770371067904
「kohaku ?@kohaku_nanamori 図書館で『日本の血友病者の歴史―他者歓待・社会参加・抗議運動』と 『精神分析に別れを告げよう―フロイト帝国の衰退と没落』を借りた。」

192014/12/21  https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546676189838843907
「kohaku ?@kohaku_nanamori 「この事件(ライシャワーが傷害事件にあって,輸血を受けた結果血清肝炎に感染した)を受けて,売血問題が国会での激しい議論の的となり, 売血追放・献血推進の世論が高まっていた.小林武治厚生大臣は,中央薬事審議会の答申に基づいて6月23日の閣議で採血制度の現状を報告し,... 」
https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546676290544082944
「kohaku ?@kohaku_nanamori 『問題の多い売血制度を是正し,オープン採血方式の採用などの方式で,献血・預血の推進を図るなどの血液行政の転換を図りたい』と述べた. 厚生省は対策要項をまとめて大蔵省に予備費支出を要求したが,大蔵省は拒否した....」
https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546676487437303811
「kohaku? @kohaku_nanamori これを知った本田(靖春)は取材目的で大蔵省の中尾博之主計局次長に直談判を行う.激しいやり取りの末,大蔵省は予備費支出を認めた (池田[1985]1992: 161-164)」(『日本の血友病患者 他者歓待・社会参加・抗議運動』(北村健太郎、生活書院、2014 p.37)」

202015/01/09  https://twitter.com/sakinotk/status/553457029700788224
Sakino Takahashi ?@sakinotk 「日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動」(北村健太郎)。扱われている時期は、 自分が暮らしてきた時期とかぶる(なのに知らずにきたことの何という多さ)。読みすすむにつれて、 そのときどきの地域のなかで具体的に描かれる病態によって、あのこと、このことがつながっていく。」

212015/01/09  https://twitter.com/sakinotk/status/553457862681182208
Sakino Takahashi ?@sakinotk まだ、よみはじめて少しなのだけれど、ついつい、あっちとび、こっちとびして読んでしまう。 前史部分を読み終えたあと、どうしても最初に読んでしまったのは、浦和高校の入学拒否事件。「事件」としては何百回と耳にしてきたことの内容を、実のところ、 ちっともわかっていなったのだと、地面を見る。」

222015/01/31  https://twitter.com/ppuripha/status/561442721785577474
「ぴの ?@ppuripha 「日本の血友病者の歴史―他者歓待・社会参加・抗議運動」 北村 健太郎 すごい本やな。 とりあえず、大西巨人氏関連の論考を読みたい。
・大西赤人君浦高入学不当拒否事件
・「神聖な義務」問題(渡部昇一との論争)」

23◆2015/02/12 https://twitter.com/ritsumei_arsvi/status/565725408663203843
「生存学研究センター @ritsumei_arsvi  「公開合評会『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』を読む」 3月14日(土)14時〜18時 キャンパスプラザ京都6階第一講習室 参加費無料・事前申し込み不要【詳しい内容はリンク先をご覧下さい】 https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1558566004410381

242015/02/16  https://twitter.com/jimbunshoin/status/567184715979825152
「人文書院 @jimbunshoin 3/14(土)14時〜、公開合評会・北村健太郎 『日本の血友病者の歴史』(生活書院)を読む@キャンパスプラザ京都6階第一講習室。 コメント:鵜飼正樹(京都文教大)、高橋さきの(翻訳家)。 https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1558566004410381

25◆2015/02/16  https://twitter.com/ritsumei_arsvi/status/567183490009927680
「生存学研究センター @ritsumei_arsvi  本研究センター客員研究員の北村健太郎さんの著書 『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』 の公開合評会が開催されます。【詳細は下記のリンク先をご覧下さい】 https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1558566004410381

262015/02/18  https://twitter.com/sumidatomohisa/status/567838139684810752
「住田 朋久 / SUMIDA Tomo… @sumidatomohisa 3/14土14時・京都 #合評会  北村健太郎『日本の血友病者の歴史―他者歓待・社会参加・抗議運動』生活書院、2014年
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1558566004410381
鵜飼正樹高橋さきの

272015/02/18  https://twitter.com/Zimmyisfakestar/status/567869399094419456
「NAKAGAWA Shohei ?@Zimmyisfakestar 『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』 の公開合評会が開催されるっす。 https://www.facebook.com/Zimmyisfakestar/posts/810507912352986

28◆2015/02/18 https://twitter.com/josukeamada/status/567974410683965441
「天田城介 @josukeamada 立命館大学生存学研究センター - マイノリティ研究会(立命館大学生存学研究センター若手研究者研究力強化型プロジェクト)共催企画 「公開合評会:『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』を読む」 http://www.ritsumei-arsvi.org/news/read/id/622

29◆2015/02/19 https://twitter.com/ritsumei_arsvi/status/568319878731444225
「生存学研究センター ?@ritsumei_arsvi  「公開合評会:『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』を読む」 3月14日(土)14:00〜18:00 キャンパスプラザ京都6階第1講習室 参加費無料・事前申し込み不要 【詳しい内容はリンク先をご覧下さい】 http://www.ritsumei-arsvi.org/news/read/id/622

30◆2015/02/24 https://twitter.com/ritsumei_arsvi/status/570161855693398016
「生存学研究センター ?@ritsumei_arsvi 「公開合評会:『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』を読む」 3月14日(土)14:00〜18:00 キャンパスプラザ京都6階第1講習室 参加費無料・事前申し込み不要 【詳しい内容はリンク先をご覧下さい】 http://www.ritsumei-arsvi.org/news/read/id/622

31◆2015/02/25 https://twitter.com/ritsumei_arsvi/status/570501442663878656
「生存学研究センター ?@ritsumei_arsvi 「公開合評会:『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』を読む」 3月14日(土)14:00〜18:00 キャンパスプラザ京都6階第1講習室 参加費無料・事前申し込み不要 【詳しい内容はリンク先をご覧下さい】 http://www.ritsumei-arsvi.org/news/read/id/622

32◆2015/02/26 https://twitter.com/ShinyaTateiwa/status/570869115784527872
「立岩真也 @ShinyaTateiwa アンケート続。B北村健太郎『日本の血友病者の歴史:他者歓待・社会参加・抗議運動』(生活書院)、 C堀智久『障害学のアイデンティティ:日本における障害者運動の歴史から』(同)(続く) → http://www.arsvi.com/ts/20150002.htm「重心」http://www.arsvi.com/d/j01.htm

332015/03/04  https://twitter.com/kayukawajunji/status/573043324849807360
粥川準二 @kayukawajunji  北村健太郎著『日本の血友病者の歴史』(生活書院)を献本していただきました。 日本における血友病患者やそのコミュニティの歴史を緻密に記述・分析。薬害エイズ問題など興味深いのですが、僕的には「神聖な義務」問題がきちんと議論されていることも。」

34◆2015/03/04 https://twitter.com/ritsumei_arsvi/status/573020654754123776
「生存学研究センター@ritsumei_arsvi 【来週末です!】 「公開合評会:『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』を読む」  3月14日(土)14:00〜18:00 キャンパスプラザ京都6階第1講習室 参加費無料・事前申し込み不要 http://www.ritsumei-arsvi.org/news/read/id/622

35◆2015/03/06  https://twitter.com/sentan01/status/573686657515319296
「先端総合学術研究科(立命館大学)?@sentan01 3月14日(土)14:00よりキャンパスプラザ京都で、 公開合評会「『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』を読む」が開催されます。 先端研修了生の北村健太郎氏の自著解題、鵜飼正樹氏と高橋さきの氏からのコメント、全体討議。」

36◆2015/03/07 https://twitter.com/ritsumei_arsvi/status/574141137948053505
「生存学研究センター @ritsumei_arsvi 【来週末です!】 「公開合評会:『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』を読む」 3月14日(土)14:00〜18:00 キャンパスプラザ京都6階第1講習室 参加費無料・事前申し込み不要 http://www.ritsumei-arsvi.org/news/read/id/622

37◆2015/03/10 https://twitter.com/ritsumei_arsvi/status/575163576693866496
「生存学研究センター ?@ritsumei_arsvi 【今週末です!】 「公開合評会:『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』を読む」 3月14日(土)14:00〜18:00 キャンパスプラザ京都6階第1講習室 参加費無料・事前申し込み不要 http://www.ritsumei-arsvi.org/news/read/id/622

38◆2015/03/12  https://twitter.com/ritsumei_arsvi/status/575859871309938688
「生存学研究センター @ritsumei_arsvi【明後日です!】 「公開合評会:『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』を読む」 3月14日(土)14:00〜18:00 キャンパスプラザ京都6階第1講習室 参加費無料・事前申し込み不要 http://www.ritsumei-arsvi.org/news/read/id/622

392015/03/14  https://twitter.com/sakinotk/status/576512714152935424
Sakino Takahashi ?@sakinotk 今日は、こちらに出かけてきます(コメンテータ)。お近くの方はどうぞ。 「公開合評会『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』を読む」 2015年3月14日(土)14時〜18時 キャンパスプラザ京都6階第一講習室  https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi/posts/1558566004410381

402015/03/16  https://twitter.com/sakinotk/status/577340481731854336
Sakino Takahashi ?@sakinotk  北村健太郎『日本の血友病者の歴史――他者歓待・社会参加・抗議運動』 週末に合評会に参加してきました(コメンテータ)。一次資料の向こうに時代が見える正真正銘の労作。合評会には、作中で描かれている方も見えており、 実り多い時間でした。」

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■関連文献

2014/12/21  https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546676753813364736
「kohaku ?@kohaku_nanamori 本田靖春の『我、拗ね者として生涯を閉ず』を読んだら、こここんところの記述があった。
「予備費の支出の件は、厚生省に任せておいたのではらちがあかないので、私は大蔵省担当の先輩記者に頼んで、大蔵省の中尾主計局次長のもとへ談判に乗り込んで行く。 厚生省の薬務局長が掛け合いに出向いても、」
https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546676936672428032
「kohaku ?@kohaku_nanamori 応対するのは厚生省担当の主計官なのである。大蔵省はそれだけ格式が高い。私としては主計局長に会いたいところだだったが、局次長でも、 先方としては厚遇のつもりなのであろう。以下、『警察回り』の一節を再録する。...」
https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546677037231276032
「kohaku ?@kohaku_nanamori <「どうして(予備費を)出していただけないんですか」
私の質問に中尾主計局次長はこう答えた。
「ご承知の通り、予備費は緊急、不測の事態に支出されるためのものでしょう。売(買)血の弊害はずっと以前からわかっていたことで、何もいまに始まったものではない。...」
https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546677110870274049
「kohaku ?@kohaku_nanamori つまり、ここへ来て事態が急に変わったわけではないということです。それなのに厚生省は予備費をよこせといってくる。 そんな筋道の通らないことに、国民からお預かりしている税金を出せますか。断るのは当然でしょう」」
https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546677289660858368
「kohaku ?@kohaku_nanamori 「お言葉ですが、あなたのおしゃるていることは違うと思います」
中尾氏はとたんにむっとした表情をした。
「どこが違いますか」
「だって、そうじゃないですか。これまでは献血者がほとんどいなかった。しかし、いま、血を出してもいいという人たちが急に増えているんですよ。」
https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546677385567809537
「kohaku ?@kohaku_nanamori こんなことはかつてなかった。これは予測しなかった大きな変化でしょう。事態が急変したんじゃありませんか」」
https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546677559954382849
「kohaku ?@kohaku_nanamori 「私から見ると何も変わってないね。だいたい厚生省が本気で対策を考えてるとは到底思えん。君がしつこく書き立てるものだから、 何とかこの場だけしのげればいいといいので、出ないことは百も承知で予備費を要求してきたんだよ。それで断られれば今度は大蔵省が悪者になる。」
https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546677619861626883
「kohaku ?@kohaku_nanamori 責任転嫁だよ、これは。いかにも役人の考えそうなことだ」
中尾氏は本当に厚生省に対して腹を立てているらしく、その分、私への言葉遣いもぞんざいになってくる。
「出していただけませんか」
「出せない。わかりきったことを二度もいわせないでもらいたい」」
https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546677832957435907
「kohaku ?@kohaku_nanamori 「では、大蔵省に悪者になってもらうしかありませんね。私はこれまで、厚生省に向かって七十二本の原稿を書いてきました。これから社に帰って、 大蔵省は献血の敵だという原稿を七十二本書きます」
中尾氏は、私のかたわらで成り行きを見守る先輩に向かって、こういった。」
https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546677974326472704
「kohaku ?@kohaku_nanamori 「なんだね、これは。君が取材だというから会ったのに、恐喝じゃないか。オレは相手をしている暇はないよ」」
https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546678143122026496
「kohaku ?@kohaku_nanamori 私がその言葉を引き取った。
「恐喝でけっこうです。献血運動が盛り上がろうとしているこの機会をはずしたら、日本から売(買)血をなくすことは出来ないんです。 それが分かっていながら引き退がるわけにはいきません。」
https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546678297229135873
「kohaku ?@kohaku_nanamori 恐喝だろうが何だろうが、私はとことんやります。あなたと私とどっちの言い分が正しいのか、国民に判断してもらおうじゃないですか。 あなたがおっしゃったように、予備費は国民の税金なんですから」」
https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546678376656666624
「kohaku ?@kohaku_nanamori 見るからに短気そうな中尾氏だから、これで話し合いは決裂だろう。そう思ったが、彼はしばし熟考したあと、 立って行って厚生省担当の主計官を呼び、部屋を出たところで何やら指示を与えている様子であった。私には話の中身は聞こえない。
 戻ってきたら中尾氏はこういった。」
https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546678558668505088
「kohaku ?@kohaku_nanamori 「君が単なる仕事としてではなく、社会のために一所懸命になっている気持ちはよくわかった。それは私も同じだ」
「予備費は出しましょう。ただし、厚生省に出すんじゃない。君に出すんだ。それには一つ約束してもらわなくきゃならない」」
https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546678724075065344
「kohaku ?@kohaku_nanamori 「何でしょうか」
「役人というやつは予算がついたら、一杯飲んでそれで終わりということになりかねないんだ。だから、 これから出す金は献血にきちんと役立つよう君が責任を持って監視そてもらいたい。その約束が出来るかね」」
https://twitter.com/kohaku_nanamori/status/546678915826081792
「kohaku ?@kohaku_nanamori 「はい。今度は厚生省も本気になっているようですから」
>」(文庫版、下巻、pp.151-154)
ほええー、このやり取り自体すごいが、予算ってこの時代、一人の役人の胸先三寸で決まってしまうもんだったてのもすごいナ(まるまる信じたらだが)。」
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UP: 20141001 REV: 20141002, 1003, 1027, 1130, 1219, 20150408, 0612, 20160612,0812
血友病  ◇サイボーグ  ◇社会運動  ◇生を辿り道を探る――身体×社会アーカイブの構築  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK  ◇博士号取得者 
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