NIRGILIS初となるミニアルバム。ミニアルバムという形でのリリースではあるけれど
実質新曲2曲にリミックス3曲という構成なのでシングルに近い。
ただ、単なる穴埋めというわけでもなく明らかにオリジナルな作品である、とは思う。
伊藤考氣が抜けてしまったのは残念だけど、インタビューを読むとバンドのテンションは下がってないようでちょっと安心。
さて、BOY以降は割りとマイペースにリミックス集やタイアップのシングルを切ってきたけど
去年の11月に出た「Brand New Day」とこの作品を聴いたところ
いよいよギアが掛かってきたと言うか、次の音像がはっきりと見えてきた気がする。
端的にいうと今まで以上にポップで、はじけてる空気感を受ける。
正に渾身のシングルとミニアルバムがリリースされたので、次こそはアルバムだろう、と。
このミニアルバムのリードトラックである「チックチックチック」は前述の「Brand〜」以上に
抜けが良いアッパー・チューンに仕上がった。まずトラックの部分が王道のパーティ・サウンドと
コアなクラブミュージックを合体させたような気持ちのいい仕上がりになっているのに合わせるように
歌詞の語感も非常にクッキリした、リズムに完全に乗っかった切れ味の良い曲になっている。
実在のバンド名を歌詞に組み込んでいく、というスタイルはTHE BOOMの「敬称略」に通ずる。
向こうは邦楽だったがこちらは洋楽中心。住み分けも出来た形になった。
ストレートなポップチューン「1,2,3」、「アップデート」「Brand〜」のリミックスに関しては
なんというか、もはや別の曲と思うくらい原曲を崩しまくっていて気持ちがいい。
リミックスというのは単なるお楽しみ企画に留まることが多いけど、ニルギリスの場合はそれらとは違っていて
完全に原曲を潰す気で掛かってるかのような本気度を感じる。遊び上手というか。
アッチュの歌声も、ますます艶やかになったなと「チックチックチック」を聴いて感じた。
「セクシーでいる事に疲れちゃった・・・」という歌詞があるけど、いや、全然セクシーなんですけど!
という訳でそろそろアルバムだろう。
NIRGILISには常に新しいポップを期待してしまう。次のアルバムは勝負作になる予感。