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家のない少女たち 10代家出少女18人の壮絶な性と生 (宝島SUGOI文庫) (宝島SUGOI文庫 A す 2-1) 文庫 – 2010/10/7


2004年に東京都が条例を改正し、23時以降、18歳未満の子どもがカラオケボックスや漫画喫茶、ネットカフェ、クラブなどに入店できなくなった結果、表向き、深夜に繁華街を徘徊する少女は減少しました。一方で『本気家出』の少女たちは地下に潜るようになりました。親に虐待され、帰る所がなく、売春組織で過酷な生活を強いられる家出少女たちの衝撃的な生き様を、7年間に延べ100人の家出少女たちを取材してきた著者がルポします。

商品の説明

著者について

鈴木 大介 (すずき だいすけ) プロフィール
「犯罪をする側の論理」をテーマに、裏社会・触法少年少女らの生きる現場を中心に取材活動を続けるルポライター。近著に、福祉の届かない現代日本の最底辺の家庭像を描いた『出会い系のシングルマザーたち』(朝日新聞出版)。平成22年末、太田出版より「家のない犯罪少年たち」の生き様を描いた新著を出版予定。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 宝島社 (2010/10/7)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2010/10/7
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 255ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4796679138
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4796679138
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.6 x 1.3 x 15.2 cm

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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2021年2月20日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    未成年の女の子が家出して行方不明になって集まるのは大都会である。
    決して田舎などへは行かない。大都会に来ても知り合いがいるわけでないから衣住食に困る。
    中でも住む場所が無いのは切実で、安心して眠れる場所が無いと犯罪に巻き込まれる可能性もある。

    そんな行き場の無い女の子をアンダーグラウンド(つまりは風俗)で働かせて搾取したい大人が声を掛けて売春を斡旋するという。それを買う男たち。年配のおじさんから社会的地位のある職業の男性まで。
    「負のスパイラル」が構築されるのであるが、結局は選択肢の無い女の子たちは転落する道へ行く。
    そもそも何で実家を飛び出してきているのかというと、大多数の女の子が親から虐待を受けており家に居場所がない。
    さらに学校ではイジメを受けてやはり居場所が無い。もう逃げるしかないのである。
    でも前述の衣住食の問題がある。未成年の女の子が働いて自分の力で生きていける場所などない。
    結局は援助交際や売春してその日暮らしの根無し草になるしかない。

    女の子たちは皆、自殺未遂を何度も起こして手首はリストカットの痕だらけだったりもする。
    みんなみんな愛情に飢えており、単にお金目的と言うよりはその場だけでも愛情を得たい一心で男に抱かれている場合もある。
    愛されて育っていない女の子たちはほぼ全員が「大人を信じることが出来ない」。
    また、自分たちを助けてくれない社会の制度にも絶望している。
    待ち受けるのは「売春により性病に罹患」。「男に強姦される」。「薬に嵌り込んで廃人になる」。「妊娠」。
    どう考えても幸せなど望めない。
    境遇がどの女の子も悲惨すぎて、取材している著者でもどうすれば彼女たちを救って上げられるのか答えが出ない有様である。
    彼女たちは年齢を重ねていけばやがては売春も出来なくなるときが来るだろう。
    そうなればそれ以外の仕事などしたことのない多くの女の子たちは行き場を失うことは確実だ。
    しかし、その日暮らしの彼女たちに未来を考える余裕は無い。
    「愛ある家庭に生まれ育っていれば」違う人生だったはずなのに・・・子供が親を選択できない辛さが身に染みることだろう。
    7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2015年5月23日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    著者である鈴木大介さんの本はだいたい読んでいますが、やはりこの「家のない少女たち」がピカいちの作品だと思います。
    ただし難点もあります。

    世間一般の人達が容易に接触し得ない取材対象を丹念に取材してそれを世に出す。そうして読者に考える材料を提供するのがルポライターの本分ですが、著者はすぐに意見を述べ過ぎる。そして述べれば述べるほどペラくなってしまう(笑)。書いているうちに興奮してしまうのでしょうかね。この悪癖さえなければと、いつも苦笑します。

    たとえば「ババ子」の話は本当に強く胸を打つし、さわやかでさえある。ところが後半の大事なところで「、、志保子への取材を通じて僕は『十五歳の聖母』という言葉を脳裏に浮かべていた。(中略)、、これが現代の聖母てなくてなんだろう」なんて力強く語っちゃって読者の感動に水をさす(笑)。

    それは読者一人一人が感じとることなのよ!あんたが言っちゃダメなの!

    しかしこの「家のない少女たち」を書いた頃はルポライターとしての自制心がまだ残っていて、述べる箇所が少ないので、香り高い作品に仕上がっています。

    しかしこの本が売れて以降は一冊の本にするには情報量が少なすぎるという事情も手伝って、取材で仕入れた少ない情報と情報のあいだを著者の想像と創造でつなぎ、あとはひたすら自説を展開して頁数を埋めるという、評論と小説がいっしょくたになったような不思議なものばかり書いています。

    「老人喰い」も「奪取」も、もっと年月をかけてネタだけで一冊になるまで待って世に出せばよかったのに、と惜しまれます。

    自説を抑えきれない著者の熱くて真面目でおっちょこちょいなところが私は好きなんだけれども。
    35人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2016年11月18日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    本気の家では、それなりに深い理由がある。やみくもに家に送り返せば良いと言うものでもなかろう。彼女達が、安住できる環境が与えられれば良いと思う。

    既存概念を押しつけるのではなく、やや距離を置いたセーフティーネットがあるのが、好ましいのではないかと思う。なんにも当てがないよりも、売春といった職場があった方が救いがあると思う。少なくともその職場では、女はスターとして扱われるのであるから。
  • 2021年9月16日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    世の中には貧困やキツイ生い立ちがあるという事を再認識する。
  • 2015年10月3日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    この本に描かれている物語は、率直に言って救いがなさ過ぎます。悲しいほどの手の打ちようがない、そんな話です。
    それだけに、ほとんどの人は、見たくない、目をそむけたくなるような現実なんだろうと思います。

    でも、この「ひよこメガホン」の物語を、ぜひとも多くの人に読んでもらいたいと心から思います。
    この本で紹介されている「少女らは、切ないまでにド底辺の環境の中、路頭に迷うひよこである。その薄汚れたひよこは、必死にピヨピヨと主張する。
    願わくば、そうしたひよこたちの小さな小さな声を増幅して、ピヨピヨを世の中に響き渡らせてあげたい。」
    そんな思いで執筆されたこの本を、より多くの人に読んでもらい、この貧困、虐待の問題を、広く社会で考えてもらいたいと、そう思います。
    8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2018年6月30日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    ドキュメンタリーとして興味を持って読みました。
    社会が救済すべき少女たちの現実にショックを受けましたが、自分の無知で無力なことにも
    怒りを覚えます。風俗を否定できる立場ではありませんが、考えさせられました。
  • 2016年7月14日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    貧困女子ブームに警鐘を鳴らす鈴木大介氏ならではの力作です。
    同性ではとても直視出来ないような女性たちに、男性ルポライターならではの優しい視点が散りばめられています。
    残酷な事実に、女性ルポライターではとても書籍化出来なかったと思います。
    もっとも、「聖母」という言葉が出た時は、さすがにちょっと、、、とも思いましたが。
    6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2016年10月12日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    著者の別の本を読んで、そのなかにこの本のことが載っていたので買いました。10代の少女たちが主に虐待で帰る家を持てずに、街をさまようと書くと悲惨な想像をしてしまいます。確かにそれが当たってはいるのですが、何人かの少女たちは、それでも生きる手段として売春を選び、その集団のなかである意味守られながら生き抜いていく姿が描かれてもいることに助けられます。
    家族がセーフティーネットとして機能しないとき、生きる力のある子達は自分で代わりのネットを見つけようとします。結果的にそれは触法や非行の範疇でくくられることになるのでしょうが、それでもそうしないと生きられない現実があれば利用せざるを得ないのだと思います。残念ながら社会はそういう集団には寛容ではありません。それにしてもこれだけ豊かになったと思われているこの国で、子供の時から守られることなく、結果的に強くなければ生きていけない社会が進行しているのはやはりおかしいと思います。ここに出てきた少女たちが一人ひとりに似合った小さな幸せを手に入れてくれていることを願わざるを得ません。
    8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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