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歴史人口学で見た日本 (文春新書 200) 新書 – 2001/10/19


都市は出稼ぎを集めては殺す蟻地獄だった、小作の娘ほど晩婚だった等、コンピュータを駆使して明らかにした近世庶民の家族と暮し

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 文藝春秋 (2001/10/19)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2001/10/19
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 204ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4166602004
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4166602001

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速水 融
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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2012年6月12日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    著者の歴史人口学の第一人者の速水融教授が歴史人口学を始めた経緯や、宗門改帳や明治の人口調査の説明といった内容が多かった。
    数字的な記述や調査の具体例は少なく、入門書として読みやすく、この分野に興味が沸く内容だった。

    本書の主題とは直接は関係ないが、おかしな記述があったので指摘する。

    五章の二の150Pに「臨時台湾戸口調査」について、以下引用「・・・世界初の中国人社会を対象にした国勢調査であり・・・対象となった場所は台湾であり、調査対象の圧倒的多数は中国人だったのである。」

    中国=シナ大陸(台湾を含む)という意味の記述であろうが、wikiの項目に「台湾人」とあるように同じ漢民族とはいえ、「台湾」は歴史的、文化的に、中国の中央の「中国人」とは別の人種といえる(戦後に台湾に渡った外省人を除く)。

    著者は「台湾人」がいる事を知らなかったのだろうか。
    中国や台湾あたりの地域で初という意味で使うなら「中華圏」、「日本以外の東アジアで初」とでも書くべきであろう。
    そもそも、中国の中央政府から見たら辺境の地の、それも日本人が行なった調査が、初の調査だとは中国人は認めないであろうし。

    歴史学者であるのに、台湾の歴史について不勉強ではなかろうか。
    一般人の会話レベルならともかく、学者が書いた本としては不適切な記述である。

    著者に悪意はないであろうが、いわゆるサヨク学者には、台湾が中国の一部であるかのような、つまり、歴史面で中国(シナ)と台湾、現代の中華人民共和国と中華民国を、意図的に混同した記述を見受けるのであえて指摘した。
    11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2021年6月13日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    まず一番に、読みやすい文章だと思いました。
    私は、この本を読む前は、「学者とは、物知りで、ひらめきがすごく、賢い人だと思いました。
    しかし、そうではなく、資料に元ずく根拠をしめし、他者を納得させることができる人である。」
    と考えを改めさせられました。
    内容は、江戸時代の、農民の生活を、資料に元図いて、論理的に説明されています。
    明治以降の庶民の生活の実態もよくわかりました。
    5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2009年11月28日に日本でレビュー済み
    歴史人口学という学問がどのようなもので、どのように研究が進められてきたか、著者自身の研究史とともに語られています。
    どのような調査手法を用いたのかから説明されているため、著者が江戸時代の暮らしを浮かび上がらせた研究を追体験できます。また、江戸時代に家族構成に大きな変化があったこと、日本の中でも大きな地域性の違いがあったこと、地主・自作農・小作人の格差などが具体的に見えてきます。
    ただ、個人の研究史を語った部分については、文化勲章を受章するような大家である分、うまくいきすぎて面白みには欠けます。
    16人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2021年6月27日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    迅速かつ丁寧な発送で、説明のとおりの商品を受け取りました。
  • 2015年4月12日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    歴史人口学の初期の苦労が分かりました。また、参考になるデータも多々ありました。
  • 2009年2月25日に日本でレビュー済み
     「宗門改帳」という江戸期の資料をもとに、世帯別の人口を生態的、動態的に分析することで、経済や社会の動向を憶測するという興味深い研究に関する本。個々の人間のミクロのデータから、社会と歴史のマクロの動きを跡づける。この、歴史人口学という学問を紹介するとともに、著者自身の研究史を紹介するものにもなっている。
     著者の研究によれば、17世紀の日本では大きな生産性革命が生じ、それは、「合同家族世帯」が「直系家族」や「核家族」へと変わることによって、農業の生産が飛躍的に伸びたことによるとしている。また、人口一人あたりの家畜の数が縮小し、人力による作業が増加するが、それによって生産性はむしろ向上しており、通常の経済の発展(資本集約・労働節約による生産性の向上)とは異なる動きがみられるとのこと。他にも、都市部での死亡率は農村よりも高かったことなど、一般の歴史では明らかにされることのない事実の指摘が目を引く。
    10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2020年7月30日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    商品の状態もよく、手ごろな値段で購入できました。
  • 2007年9月6日に日本でレビュー済み
     家族・人口構成の視点から見ると、前近代の日本列島は今日のような同質的な社会ではなく、大きく東北日本(アイヌ・縄文人)・中央日本(渡来人・弥生人)・西南日本(海洋民)の3つに分類できると著者はいう。東北日本の特徴は、結婚・出産年齢は早いが子供は少なめで、早めに出生制限を行う多世代同居の直径家族。中央日本の特徴は、結婚・出産年齢は遅いが、子供の数は多く核家族が多い点。そして、地理的には東シナ海沿岸に限られる西南日本は、結婚年齢が遅くて離婚が多い点、結婚前や離婚後の子が他地域より多くて倫理的に自由な点、家族形態は傍系の夫婦まで一緒に住む合同家族が多い点等が特徴とされている。少し飛躍するが、著者のいう海洋民である西南日本人を、かつての「倭寇」と重ねることはできないだろうか。そうすると「倭人」と「日本人」とはけっしてイコールでないという説(村井章介『中世倭人伝』)が、かなり有力な説のように思えてきてとても興味深い。
    7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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