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惡の華(11)<完> (少年マガジンコミックス) コミック – 2014/6/9
押見 修造
(著)
ボードレールを愛する少年、春日高男。ある日、彼は、放課後の教室に落ちていた、大好きな佐伯奈々子の体操着を、思わず盗ってしまう。それを、嫌われ者の少女・仲村佐和に見られていたことが発覚!! 盗んだことをバラされたくない春日に、彼女が求めた“契約”とは‥‥!?
常磐と生きていくため、仲村に会いに行くと決めた春日。海沿いの町で穏やかに暮らす仲村と、春日は3年半ぶりの再会を果たす。夏祭りの日、あの瞬間まで春日は信じていた。仲村と二人“クソムシの海”から抜け出すのだと‥‥。それは、ずっと春日の心を過去に縛り付けていた疑問。かつて二人で見た夕焼けと同じ空の下、春日はあの時、自分を突き飛ばした理由を仲村に問いかけるが‥‥!?
常磐と生きていくため、仲村に会いに行くと決めた春日。海沿いの町で穏やかに暮らす仲村と、春日は3年半ぶりの再会を果たす。夏祭りの日、あの瞬間まで春日は信じていた。仲村と二人“クソムシの海”から抜け出すのだと‥‥。それは、ずっと春日の心を過去に縛り付けていた疑問。かつて二人で見た夕焼けと同じ空の下、春日はあの時、自分を突き飛ばした理由を仲村に問いかけるが‥‥!?
- 本の長さ197ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2014/6/9
- 寸法11.5 x 1.4 x 17.3 cm
- ISBN-104063951162
- ISBN-13978-4063951165
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商品の説明
著者について
★漫画家。2002年、講談社ちばてつや賞ヤング部門の優秀新人賞を受賞。翌年、別冊ヤングマガジン掲載の『スーパーフライ』にてデビュー。同年より同誌に『アバンギャルド夢子』を連載した後、ヤンマガ本誌にて『デビルエクスタシー』などを連載。2008年より漫画アクションに連載した『漂流ネットカフェ』は、テレビドラマ化された。翌2009年より別冊少年マガジンにて『惡の華』を連載。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2014/6/9)
- 発売日 : 2014/6/9
- 言語 : 日本語
- コミック : 197ページ
- ISBN-10 : 4063951162
- ISBN-13 : 978-4063951165
- 寸法 : 11.5 x 1.4 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 260,464位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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- 2022年5月9日に日本でレビュー済みAmazonで購入すごい。言語化がうまくできないけど脳も心もかきまぜられるような読後感。名作。
- 2021年11月15日に日本でレビュー済みAmazonで購入「悪の華」はホントに素晴らしい純文学だと思う。そして2度3度物語を読むにつれて湧く疑問。「仲村佐和とは一体何だったのか?」
いろんな読者さんが考察されているように、仲村佐和はやはり統合失調症や発達障害などの精神的な病みを抱えていた少女だったように思う。そして、極度のサディストな部分も彼女の魅力の一つであったのではないでしょうか。
春日くんが仲村さんに夢中になりだしたのは、二人が教室を落書きでメチャクチャにした日から。人は吊り橋効果のように感情を乱高下させられると相手に夢中になってしまう。それを恋だと勘違いしてしまうのだ。その点においては春日くんに対しての佐伯さんの気持ちも同じであろう。そして仲村さんは関わる人大勢を不幸にしていく。
そして仲村さんが好んで使っていた「変態」という言葉のチョイス。ここをエロと勘違いして読者を惑わすが、彼女的には「その他大勢と違ったマイノリティなもの・素直な感情を表に出せるピュアなもの」といったイメージなのだろう。そして春日に対しても性的な感情はほぼ抱いていなかったように思う。欲しかったのは理解者であり自分と同じ人間。
仲村さんの様々な奇行の動機は、焼身自殺前に「このバットで私の脳みそをぶっ飛ばして」と春日くんに頼んだときに発した言葉「出たい」「出せ」「出口はどこ?」「向こう側はどこ?」という感情が全てだと思う。周りも自分もクソムシであることに随分前から気づいていた彼女は、おそらくずっと前から死にたかったのではないか。
最終巻で仲村さんが教卓の下に潜っているときに黒い影が足元から入ってくるシーンがあるが、あれは精神疾患特有の「そろそろメンタルがおかしくなる」サインみたいなものだと思っていて、それに全身を支配されてしまうと、それこそ暗黒の世界に引きずり込まれてしまう。
春日くんのように物語を読むに連れて感情が乱され、仲村さんのことを好きになってしまう読者も多いと思う。そう、僕もその一人です(笑)そしてハッピーエンドの仲村さんが見たかったように思うが、そうなると作品がものすごく陳腐なものになってしまうので、やはりこのままがいい。
最終的に仲村さんだけが恋人が出来た訳ではなく幸せになれなかったように映るが、「自分に対して本気で向き合ってくれた仲間がいた」「父親と和解できる事になった」「そして今は夕日を眺めながら静かに暮らしている」だけで十分幸せなのかなとも思う。銚子の海辺で3人が暴力で会話したときの仲村さんの笑顔が心の底から好きです。
「結局この話は何が言いたかったのか?」などという考えは至ってナンセンス。だって物語の中の一つ一つのシーンが言いたい事の全てだから。それが思春期そのものだから。僕自身この作品は「ライ麦畑でつかまえて」「人間失格」などと並ぶ純文学の金字塔だと思っているし、これからも何度も読み返すような人生のバイブルにしたいと思っている。
- 2014年6月27日に日本でレビュー済みAmazonで購入この作品は最初から一気に読んだほうがいいです。
1巻の最初から、まさかこんな終わりになるとは、
想像もできなかったですね。
- 2022年8月5日に日本でレビュー済みAmazonで購入ドラクエ5で嫁にフローラを選んだ後のビアンカを見てるようだった
最初1番得体の知れない嫌いなキャラが佐和(2番目は主人公)だったが最後まで読むと各々の幸せとともに田舎町で1人老いて行くビアンカのような佐和
現代的に捉えると彼女が精神病なのか発達障害なのか5歳の離婚が切っ掛けなのか、草間彌生の様に全てが水玉に見えるのか、厨二病では済ませられない真理を見抜く重大な疾患があるのだろうか
唯一理解のある主人公は、成人後最終的に中途半端を辞めるという体で佐和を1番中途半端な位置に配置したクソムシだった
しかし夏祭りで春日を突き落とした佐和の唯一の中途半端な行動がそのまま返ってきた様にもみえる
結局60くらいのパワーで生きるのが佐和の母が言うように平和で穏やかで、大多数がこの辺りの妥協点を見出すのだろう
唯一漫画に描かれている1人以外は皆それなりに幸せで佐和の様な少数派の淘汰される様を見続けるドキュメンタリーの様な漫画だった
- 2022年7月19日に日本でレビュー済みAmazonで購入世界観に引き込まれて一気読みしました。
血の轍もそうですが子供の頃にトラウマを抱えている人にはめちゃくちゃ刺さる作品かもしれません。巻数が多くないし、最後に救いがあるので読みやすかったです。
- 2024年10月19日に日本でレビュー済み最終地点が凡人以下の人間には評価が高いと思う。
結局人間の9割は凡人以下で終わるので、その中にある精神的な歪さを少しドラスティックに表現すればいいやという感じで引き付けて、最後の終わり方はいつも凡庸。
まさに予定調和、つまらない人生が精神的成長とあがめるのであればいい作品だろうと思う。
- 2019年11月25日に日本でレビュー済みAmazonで購入中学生編も高校生編も、それぞれの段階に沿った本質を描いているようにと思う。中学生編のような行き場のない憤りは他の作品に見られるところであるが、高校生編でここまで本質を突いている作品はそうそうないのではないだろうか。
もちろん、中学生編の表現が優れていることはいうまでもない。春日、佐伯、仲村の全員が相手と本気でぶつかり合っている。その中でも仲村の描写が群を抜いて魅力的であった。ただ、佐伯の気持ちも分からないではない。春日を交えたこの3人が絶妙なグラデーションを織りなしながら成長していくが、中学生編の最期に訪れるのは擬似的な破滅の失敗と虚無であった。
この後を継ぐ高校生編をどう描くかが難しいのは明らかであるが、高校生編では、中学生編はすべて高校生編のためにあったとさえ思えるほど素晴らしい物語が展開される。常磐と春日の2人が出会うのがその物語の始まりであった。2人は仲村と春日の関係とは違う形での救済を見せてくれた。第9巻は漫画史に残すべきだと思わされるくらい真に迫っている。佐伯さんの作中での扱いも非常に上手い。そして、おそらく敢えてなのだろうが、春日の胸の内に残る仲村との関係に決着を付ける最終11巻の後半はかなり難解で、一読しただけでは意味を取りきることが難しかった。しかし、よく考えて読めばなんとなく察することのできる構造になっている。浜辺で仲村と再度向き合ったとき、あのような対応をされたら私ならどうすればいいのかわからなくなりそうだが、春日と仲村は本当にわかり合っていたのだろう。2人だけにしか分からない(しかし本巻まで読み切った読者ならかろうじて察することのできる)形でコミュニケーションを行い、最終的に和解している。そのやり取りに絶妙に混じる常磐も良い。人と人との関係性という点についていえば、この3人ほど理想的なものはないとさえ思わされる。
なぜそのような関係性が生まれたのかというと、春日が仲村とも常磐とも、中学生として、そして高校生として、周りに流されず、本質的な部分でぶつかったからだと思う。嘘まみれ(クソムシだらけ)のこの世界で、数少ない真実がこの作品にはある。そう確信させられた。ここまで胸にくる作品は今までなかったかもしれない。感激のあまり2,3回ほど家で吼えたこともあった。なぜ私は春日や仲村のように生き切ることをしなかったのか。彼らが本当に眩しく見える。
本巻の最後は仲村の主観で春日との出会いを繰り返す(振り返る)話で終わるが、これも良い。仲村にとっても春日は救いだったことを予感させる。
惡の華は私小説的な物語であるけれど、だからこそ、誰しもが抱いたことのある本当の感情がそこにはある。春日、仲村、常磐や私のみならず、きっと多くの人にとって救いとなる物語がここにはあるではないだろうか。