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幽霊狩人カーナッキの事件簿 (創元推理文庫 F ホ 3-2) 文庫 – 2008/3/24


登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 東京創元社 (2008/3/24)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/3/24
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 375ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4488536026
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4488536022

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ウィリアム・ホ−プ・ホジスン
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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2024年2月10日に日本でレビュー済み
    彼――カーナッキは怪異専門の探偵だ。科学と魔術、双方の知識を駆使し、依頼を解決して自宅に帰還するたび、食事に招いた私たち友人を前に、依頼の一部始終を語って聞かせるのだ。人を縊り殺す怪魔、肉眼で捉えられない霊馬、夢を通じて相手を狙う魔豚。はたして、今夜はどのような話を聞かせてくれるのか――。
     ラヴクラフトが評価したことで、後にクトゥルフ神話に取り込まれることになった、10編の怪異奇譚連作集。

     以下、なるべくネタバレなしの各話感想。
    ---------------------------------------------------------
    『礼拝堂の怪』
     とある館の内にある古い礼拝堂の中で、執事が短剣に刺されて重症を負う事件が発生する。しかも事件が起きた時、執事の周囲には誰もいなかったことを複数の目撃者が証言したのだ――。
    (某鹿撃ち帽を被った探偵よろしく、知識と道具で謎を解明していく様は、本シリーズの推理小説としての面が強く出ている点で代表作の一つと言える。ホラーとして読んだ人は当てを外されて面食らうかもしれないが、著者の創作の源泉にコナン・ドイルの影響があるのも事実である。)

    『妖魔の通路』
     人里離れた所にある一軒家の部屋の一つ。そこでは毎夜、掛けたはずの鍵が開けられ、部屋が荒らされる怪奇現象が起きていた。下調べを終えた後、その部屋で一晩を過ごすことにしたカーナッキを襲ったのは――。
    (本作では、科学と魔術を融合させたカーナッキ独自の技術が存分に活躍している。そして本作で登場した典籍や用語は、後にクトゥルフ神話に取り込まれることになる。)

    『月桂樹の館』
     その館は、怪しい噂が尽きない曰く付きだった。新しく館の所有権を継いだ依頼者が実際に一晩を過ごしてみると、はたして怪異を体験する。依頼を受けたカーナッキは、この案件をどう解決するのか――。
    (カーナッキの技術が効かない案件は、敵が彼の想像を超える相手か、こういうパターンである。)

    『口笛の部屋』
     二ヶ月後に結婚をする予定の男女。男は近場にある小屋を購入したが、その部屋の一つが曰く付きで、毎夜、不気味な旋律の口笛の音が聞こえるのだ。依頼を受けたカーナッキが依頼者らとともに問題の部屋に入ると――。
    (シリーズ中屈指のおぞましさ漂う一作。)

    『角屋敷の謎』
     彼がまだ年若い頃、カーナッキは母親と小さな借家で暮らしていた。住み始めて二年後、ドアを開く音や物を叩く音、異臭など様々な怪異が発生する。家主に頼み込み、彼とともに夜間家内を探索すると、二人は幽霊を目撃する。しかし、お互いに見た者の姿は異なっていて――。
    (明言はないがカーナッキ第一の事件か。異臭とともにジュブナイルな香りが漂う一作。)

    『霊馬の呪い』
     その一族には、夫婦の長子が女子だった場合、彼女が長じて婚姻の時期を迎えた時、霊馬の呪いを受けるという伝説が伝えられていた。長年迷信とされて埃を被っていたが、七代ぶりに誕生した長女が男と結婚の約束を交わしたその日から、馬を思わせる怪異が続発するのだった――。
    (どこまでが魔の仕業で、どこまでが人の仕業だったのか。全てすっきりと解決とはいかない点も本シリーズの特徴である。霊馬は後に"見えざる馬"と名付けられ、クトゥルフ神話に取り込まれることになる。)

    『魔海の恐怖』
     乗組員が発狂する船。知己である船長から依頼を受け、その船に同乗することとなったカーナッキ。出港してから数日後、船長に促されて海上を見ると、遥か遠くからこちらに迫ってくる影が見て取れた。しかも東西南北の四方から。しかし、これはまだ始まりに過ぎなかった――。
    (船乗りだった著者の経験を活かした海洋ホラーの一作。)

    『稀書の真贋』
     クラブで、知人から稀書を購入する予定を聞いたカーナッキ。それはこの世で一冊しかない唯一無二のはずの詩集で、それは図書館に収蔵されているという代物だった。専門家はこれを真作と結論するが、引っ掛かりを覚えたカーナッキは独自に調査をすることに――。
    (珍しく依頼がないのに調査をするカーナッキ。こういう作品があるのも、本シリーズが探偵ものに属すると言える本拠の一つだろう。)

    『異次元の豚』
     カーナッキのもとを訪れた依頼者は、妖しい豚の群と戦い逃げる悪夢に悩まされていた。自作の装置で依頼者を救い案件解決を試みようとしたカーナッキを襲う、最大の危機とは――。
    (シリーズ中一番の傑作。危機を回避するたびに新たな危機が訪れる展開は、王道ながらも読者をハラハラさせてくれる。本作の魔豚は後に"サーイティ"と名付けられ、クトゥルフ神話に取り込まれることになる。)

    『探偵の回想』
     過去の作品の要約をカーナッキに語らせるという、自著の宣伝を思わせるような掌編。読み物より資料的側面の方が強い。
  • 2008年6月7日に日本でレビュー済み
    幽霊狩人とは言っても、強靱な肉体と精神力を備えた幽霊退治屋が迫り来る妖怪化け物をバッタバッタとなぎ倒す、というわけではありません。
    この物語に出てくるカーナッキ君は肉体的にはごく普通の、ただやたらオカルトに詳しいだけの、一体何を仕事にしてるのかよく分からない、うさんくさい人間です。
    たまに本当にこの道のプロなのか?といいたくなるほど飛んでもない凡ミスを犯したり、
    あまつさえ、ブライアン・ラムレイが言ってるようにその現場から逃走したりもします。
    情けないと言えば情けないのですが、まあ現実的に見た場合そんな物かなとも思いますし。
    しかし、トリックの一部が憶測混じりでイマイチはっきりしないのは困りもの。
    テイストとしては月刊ムー辺りに載ってそうなうさんくさい体験談みたいですね。

    作品の並びは国書刊行会版とは変更されていて、「次はどっちだ?」というワクワク感は
    (というか、国書刊行会の並びでは最初の三編以降はなんかがっかりな出来なんですけど)
    個人的には訳が秀逸で読みやすかったです。

    ・礼拝堂の怪
    カーナッキ初登場
    とある旧家の礼拝堂で執事が何者かに刺された。しかし、その場に目撃者が居たにもかかわらず誰が、どのようにして彼を刺したのかは判らない。果たして事件の真相は?
    ・妖魔の通路
    とある旧家で起こる毎夜の怪異。どう見ても心霊現象にしか見えないそれらの元凶はいったい何なのか?
    ・月桂樹の館
    友人が買い取ったという家はあるいわくが付いていた。彼自身が体験したという話を聞いてカーナッキも調査に出かけるが……。
    ・口笛の部屋
    夜になると毎夜とある部屋から聞こえてくる口笛。太古の悲恋が明らかになる
    ・角屋敷の謎
    カーナッキが心霊探偵を始める前。母親と一緒に暮らしていた頃の話。
    ・霊馬の呪い
    「この家から嫁いだ娘には霊馬の呪いが降りかかる」そんな言い伝えのある旧家で起こった怪異。果たして本当に霊馬の呪いなのか?
    ・魔海の恐怖
    逃げ場のない海原で襲い来る怪異。この呪いを祓うことが出来るのか?
    ・稀書の真贋
    これまでとは一風変わった正統派古書探偵もの。唯一無二であるはずの稀覯本が2冊が存在した?!カーナッキが真相を暴く
    ・異次元の豚
    毎夜奇妙な夢を見るという依頼を受け、催眠治療を開始するカーナッキだが事態は思わぬ方向に。実質的な最終回。それなりに分量はある。
    ・探偵の回想
    探偵は回想する。自らの事件を。剣の呪いを、血の滴る屋敷を、不気味な霊馬の嘶きを、黒い影の恐怖を。
    カーナッキの事件を著者自らが13ページにまとめた貴重な掌編。本邦初訳……らしい

    どうでも良いですが、このカーナッキには"Ghost Hunter"ではなく"Ghost Finder"という肩書きが付いているらしいです。日本語ではどう訳されるのかイマイチ判りかねる単語ではあります
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