「聴衆」というタイトルの奥に、著者はその世界の広がりや奥行きの多彩さをベースに、その入口の切り口をさりげなく両面から例示してくれる。クラシック音楽のニコラス・クックの「痕跡」をめぐる作り手と聴き手の相互アプローチや、アドルノの危機感とケージの多様性、ロック音楽の音楽分析の両面性など、どの章の内容も、いわば右手の行いを左手に知らしめる、古典理論とポスト1995年情報の比較継続を可能とした、稀有の解体文法書。「解体」とはいえ、その本来の聴衆たちの活動を、著者は疎外しない。むしろ、それを邪魔しないように、かつあいまいにしないように、文を進める。音楽文法のルポルタージュというべきか、この著者の立ち位置をvox populi ,vox dei のように明確に知らしめた、読み物にも教科書にもなる一冊。この本で著者は、今の音楽世界の何かを書きとめ、それらを前に進めることに、見事に成功している。
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聴衆をつくる: 音楽批評の解体文法 単行本 – 2006/7/1
増田 聡
(著)
- ISBN-104791762835
- ISBN-13978-4791762835
- 出版社青土社
- 発売日2006/7/1
- 言語日本語
- 本の長さ226ページ
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登録情報
- 出版社 : 青土社 (2006/7/1)
- 発売日 : 2006/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 226ページ
- ISBN-10 : 4791762835
- ISBN-13 : 978-4791762835
- Amazon 売れ筋ランキング: - 822,124位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,744位音楽学・音楽教育学
- カスタマーレビュー:
著者について
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北九州市出身
1994年 大阪大学文学部卒業
2000年 大阪大学大学院文学研究科修了。博士(文学)
現在、大阪市立大学大学院文学研究科准教授
専攻:音楽学、メディア論
主要著書:増田聡・谷口文和『音楽未来形—デジタル時代の音楽文化のゆくえ』(洋泉社、2005年)
増田聡『その音楽の〈作者〉とは誰か—リミックス・産業・著作権』(みすず書房、2005年)
増田聡『聴衆をつくる—音楽批評の解体文法』(青土社、2006年)
カスタマーレビュー
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