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差分 単行本 – 2009/3/31


●『差分』は、「新しい分かり方」の本

立体視の作品集『任意の点P』、イメージとして確かに存在するが言葉で解釈できないビジュアルを集めた『イメージの読み書き』など、これまでにない新しい表現に取り組む佐藤雅彦研究室。同研究室のメンバーのうち、菅俊一と石川将也が佐藤とともに2005年から取り組んでいるのが「差分(さぶん)」という新しい表現を追究するプロジェクトです。

本書では、3人による約3年間の研究の中で生まれてきたさまざまな差分作品84点と、差分と認知科学をめぐる考察、脳科学者・茂木健一郎との対談を収録し、佐藤たちがつくり上げた新しい表現をいろいろな角度から堪能できるようになっています。

商品の説明

著者について

●佐藤雅彦(さとう・まさひこ)
東京藝術大学大学院 映像研究科教授、慶應義塾大学 環境情報学部特別招聘教授。
電通のCMプランナーとして、湖池屋「ポリンキー」「スコーン」、トヨタ「カローラ2」「スパシオ」、NEC「バザールでござーる」、サントリー「モルツ」「缶紅茶ピコー」、フジテレビの企業CMなどのヒットCMを世に送りだす。
1997年、プレイステーション版ゲームソフト「I.Q」を発表(デザインは中村至男との協同)、全世界で130万枚のセールスを記録。
2000年、大判の書籍『動け演算−16flipbooks』を発表。ADC受賞作品。
2002年より、慶應義塾大学佐藤雅彦研究室で企画した教育番組「ピタゴラスイッチ」が、NHK教育テレビで放送中。「ピタゴラ装置」、アニメーション「フレーミー」「10本アニメ」など、人気コンテンツを多数生み出す。

●菅俊一(すげ・しゅんいち)
1980年生まれ。2005年慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科修了。主な作品に「考え方が動きだす 佐藤雅彦研究室のアニメーション・スタディ」(NHK教育テレビで放映)における「脳科学の知見に基づいたアニメーション」などがある。

●石川将也(いしかわ・まさや)
1980年生まれ。2005年慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科終了。主な仕事に書籍『日本のスイッチ』『やまだ眼』(共に毎日新聞社)の装丁、大日本印刷のために制作した映像作品「イデアの工場」(コンセプト・アニメーション原画)などがある。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 美術出版社 (2009/3/31)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2009/3/31
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 210ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4568503655
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4568503654

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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2017年2月10日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    人間のもともとある能力って、一体まだまだどのくらいあるんだろう…?
    そんな素朴な、でも息ができなくなるほど深い部分の思考を攪拌させられた、
    そんな内容でした。

    近年、
    あらゆるメディアが”わかりやすさ”という大義名分の下に
    人間本来の思考を愚弄し続けていますが、
    そんなさなか、
    ”小さなブレに気づける人”を育んでくれそうな、
    そんなすてきな1冊でした。
    佐藤さん、やっぱりやっぱりすごいです。。。
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2018年1月5日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    時間をかけてゆっくり読まないとちょっと厳しいです。
    ピタゴラスイッチを純粋に楽しむのとは勝手が違います。
    言葉ではなく絵で理解する方が分かりやすい感じがしました。
    ゆっくり読破しようと思います。
  • 2009年9月24日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    今日届いたばかりで
    ぱらぱらめくっただけですが
    視覚的に相当面白い本があります。

    それは、
    差分
    佐藤 雅彦 (著), 菅 俊一 (著), 石川 将也 (著)
    美術出版社
    です。

    私の大好きな
    ピタゴラスイッチ(身の回りの道具で動きを再現するもの。主にボールを使う。NHK番組。)
    の監修として有名な
    佐藤雅彦さんが書かれた本です。

    また、私は点・線を見ると
    数学的な考えで楽しめます。また、錯覚の視点からも楽しめます。
    (大学で、錯覚の授業を受けていたので。
     錯覚は身近なところでは、スピード出さないように道路に
     どんな記号を書けば有効なのかなどに使われています。
     ギリシャ神殿の形も錯覚が使われ、大きく見えます。)

    2次元の中で、どう再現すれば一つ次元が上の3次元を描けるのか?
    それを応用すると、3次元(さいころなどを使い)の中で4次元を描けます。

    また、次元を一つ下げたところで描くものだけでなく、
    単純に二つの絵を見て、人が思う心理もついた
    発見の多い素晴らしい視点で書かれた本です。

    また、今日もこの本を読み、新たな発見を得たいと思います。
    6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2009年10月21日に日本でレビュー済み
    “ピタゴラスイッチ”佐藤雅彦センセイと
    氏の研究室のプロジェクトの成果発表本。

    アニメーションのように静止画を時間を使って
    動いているように見せる、と云うアプローチではなく
    「差分」とは二枚の静止画から脳内に動きが
    浮かび上がってくる様である。(と私は解釈している)

    それは実際の動きではないため、
    多分に脳による錯覚や補完というフィルターがかかり
    物語性が付加される。それは単なる見え方の問題ではなく
    言語認識や認知科学の問題にまで踏み込んでいく。

    巻末に収められた脳科学者・茂木健一郎と筆者の対談では
    茂木氏が筆者の質問に対し「それは良くわからないですね」
    を連発する。それだけ難しい問題であり、今後の
    研究によっては思わぬ表現を産み出せる可能性に満ちている。

    しかし類書がまるで無い、という意味では
    大変知的興奮に溢れた一冊である。
    19人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2009年6月12日に日本でレビュー済み
    多数の絵と興味深い文章はさすが佐藤教授。面白い。
    代替書籍がないという点でも、おすすめの1冊です。
    5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2009年4月29日に日本でレビュー済み
    ピタゴラスイッチ監修でも有名な佐藤雅彦氏による著書

    本書に多数掲載されている、感覚に直接訴える絵が気になり、じっくりと眺めてみることに。

    一見すると大したことなさそうにも思うが、なかなか興味深い実験。

    著者によると、

    『差分とは隣り合ったものの差を取った時の「脳の答え」である』

    とのこと。

    単独では意味不明な図形や抽象的な絵、それを複数並べその違いに注目することにより、一瞬にしてストーリーが立ち現われてくるという、人間の脳を試す実験内容。

    両者の差を取ることで、第三の「物語性」という新しい何かが生まれるという発想が非常に面白く、それを言葉ではなく絵だけで表現するのもさすが。
    11人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2009年6月15日に日本でレビュー済み
    われわれの中に、
    あらかじめ備わっている
    物語る(物語ってしまう)力に、
    改めておどろかされた。

    そう、理屈ではないのです。
    論理ではなく、
    把握した状況をどうとらえるか。

    とにかく、面白かった。
    7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート