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ハマスの実像 (集英社新書) 新書 – 2024/8/9


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2023年10月、ハマスがイスラエルに対し大規模な攻撃を仕掛け、世界は驚愕した。
しかし日本ではハマスについてほとんど知られておらず、単なるテロ組織と誤解している人も多い。
ガザの市民の多数が支持するこの組織は一体どんなものなのか。
何を主張し、何をしようとしているのか。
そしてパレスチナとイスラエルの今後はどうなるのか。
中東ジャーナリストの著者が豊富な取材から明らかにする。

●社会に根を張るハマスの「慈善組織」
●軍事部門を支える豊富な資金の意外な出所
●精神的指導者ヤシーンが著者に語った「自爆攻撃」
●政治部門と軍事部門が分かれている理由
●若者をハマスに向かわせる占領の絶望的状況
●ハマスが望むイスラエルとの「共存の形」 etc.

著者プロフィール
川上 泰徳 (かわかみ やすのり)
1956年生まれ。中東ジャーナリスト。
元朝日新聞記者・編集委員。カイロ、エルサレム、バグダッドに特派員として駐在し、イラク戦争や「アラブの春」を取材。
中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。
著書に、『イラク零年』『シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年』『中東の現場を歩く』『「イスラム国」はテロの元凶ではない』などがある。

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 集英社 (2024/8/9)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2024/8/9
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 288ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4087213269
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4087213263
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.6 x 1.3 x 17.3 cm

著者について

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川上 泰徳
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ハマスとは
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ハマスとは
庇を貸して母屋を取られる。自発的でなく屈強な方々から貸してやれと強要されて。そんなことが思われます。岡真理先生の『ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義』から、ハマース=テロリストと見なすことと、朝鮮学校を敵視するというのは同じ構造。文学によって人間性を取り戻す必要があるのは、パレスチナ人ではなく、我々。他者の人間性の否定、それこそがヒューマニティーの喪失であり、人間であることを手放すこと。シュロモー・サンドの『ユダヤ人の起源 歴史はどのように創作されたのか』から、イスラエルの実権を握るシオニストであるユダヤ人は、アラブ人を侵入者とするが、アラブ人はイスラエルに定着したユダヤ人である可能性が非常に高い、ということを学びました。しかし実態は具体的にどういうものであるのか。現在も続くイスラエルのガザ攻撃、ハマスの越境攻撃。日々触れる報道及びSNSの情報ではハマスのテロ行為が悪。それは国際的なものであったが、近年ではイスラエルの方が「過剰な攻撃」ではないか、またイスラエルを支持する国にも疑問の目が向けられるようになってきた。では「過剰な攻撃」という「戦争犯罪」はなぜ起こり、なぜつづいているのか、理解している人はどれだけいらっしゃるのか。少なくとも本著を読むまで私は知らなかったし、大方の人がそうではないでしょうか。イスラエルによるパレスチナ占領という事実が報道されることも言及されることもなく、「過剰な攻撃」という批判に対して、イスラエル側の言い分しか出てこないから、と著者はご指摘される。そもそもハマスとは何であるのか、なぜ生まれたのか、が具体的に解説されていて、完全に理解できた、とは言えないものの、だいぶ見えるようになってきました。ハマスが主な支持を受けるパレスチナ政治組織が求めているのは「イスラエル解体」ではなく「二国共存」。「ハマスはイスラエルを破壊しようとするテロ組織」というのはイスラエルのプロパガンダにしか過ぎない。ハマスはイスラエルの大規模な報復を覚悟で越境攻撃をなぜし、続けているのか。それをパレスチナ人はなぜ支持するのか。その方策のひとつとしての殉教それを当人や、家族、パレスチナ人はどう理解しているのか。戦争反対、虐殺反対を叫ぶのはいい。大切なことだと思います。しかしながら、ハマスが悪い、から一転、イスラエルが悪いそれを支持する国が悪いと糾弾するだけではたして良いものだろうか。解決になるのか。まず、知ることが必要なのではないか。本著を読めて、本当に良かった。
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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2024年10月1日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    イスラエル及び米国から発せられる情報だけが蔓延しパレスチナ側の視点からの情報がない事でパレスチナに於ける戦争を歪んで認識してしまう恐れが有る。パレスチナの現状、歴史を正しく認識させてくれる良書である。
    7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2024年9月12日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    著者は元朝日新聞記者で、現地を何度も訪れている。汗水流して、足で書いた文章と言えるだろう。だから説得力がある。
    対照的なのは、飯山陽氏の「ハマス・パレスチナ・イスラエル」である。こちらは、頭でっかちの高学歴の研究者が、まるで小学生の喧嘩のように威勢のいい言葉でただ息巻いているだけ。それに単純に乗っかって付和雷同する日本の読者はレベルが低くて、傍から見ても恥ずかしい。
    さて、川上氏が言っていることが本当に正しいのかどうかは、今後何らかの形で停戦が実現し、晴れてパレスチナ国家が成立した暁に、はたして役割を終えたハマスが本当に解体されるのかどうかにつきると思う。
    そのような未来が来ることを祈るしかない。
    15人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2024年11月30日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    西側にいると、どうしてもアメリカが正義になり、よって、イスラエルが正しいのだと思ってしまうが、真実は違うのかもしれない。漠然としか理解できていなかった中東の今を、よく知ることができた。
    この観点から言うと、ロシアとウクライナの関係も、それぞれの立場からでは異なるはず。お互いを理解し合えたら、素晴らしいのだけどなぁ。
  • 2024年8月15日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    中東特派員としてパレスチナと30年関わってきた川上さんが、ハマスとパレスチナに対して基本から深いところまで解説している本。
    ハマスが支持される理由、ファタハとの関係、慈善組織としてのハマス、
    ハマスの主張、ハマスの財源・・・などなど。

    ガザでは、社会を作り上げていこうにも、たびたびイスラエル軍が来て全てを破壊していく。
    封鎖されて仕事も未来もなく悶々とし、水と電気すらイスラエルに管理され最低限のみ。

    そんなガザに置かれた人々は抵抗することにしか希望を見いだせない。
    「私は溺れているのに、どうして濡れることを恐れようか?」
    ・希望は殉教
    ・犠牲を出し続けても抵抗を止めない
    ガザの人々はイスラエルの占領を終わらせるための抵抗にしか希望を見いだせない。

    ハマスは”熱情”という意味。
    抵抗の過程でも人々がイスラエル軍に殺されていく。
    非暴力でも殺される。石を投げただけでも殺される。
    淡々とした解説文がつづくが、嫌でもガザの人々の信じられないほどの熱情と想像を絶する苦しみが伝わってくる。
    16人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2024年8月27日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    昔インティファーダの画像を見ていて、事実関係はよく知らないながら、若者たちをこのような行動に駆り立てるのは、他に抵抗の手段がまったく閉ざされているからではないかと思った。本書を読んで、私の直感が正しかったと確認できた。そこそこ生き方の選択肢がある社会だったら、たとえ理不尽な状況があっても子どもたちはすぐさま抵抗に命を賭けたりしない。基本的には生きたいという欲望が若い彼らのなかにあるからだ。
    本能ともいうべき生への欲望さえ奪われたパレスチナ、ガザの歴史、そして欲望だけでなく現実に刻々と失われていく生命、それらを目にして、現実には何もできない自分。でも知らないよりはよかったし、人に伝えることもできた。ハマスを抵抗のシンボルとして祭り上げるのではなく、その問題点も含めて文字通り「実像」を伝え、パレスチナの未来へのヒントを示唆する良書だと思う。
    13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2024年9月5日に日本でレビュー済み
    庇を貸して母屋を取られる。自発的でなく屈強な方々から貸してやれと強要されて。そんなことが思われます。岡真理先生の『ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義』から、ハマース=テロリストと見なすことと、朝鮮学校を敵視するというのは同じ構造。文学によって人間性を取り戻す必要があるのは、パレスチナ人ではなく、我々。他者の人間性の否定、それこそがヒューマニティーの喪失であり、人間であることを手放すこと。シュロモー・サンドの『ユダヤ人の起源 歴史はどのように創作されたのか』から、イスラエルの実権を握るシオニストであるユダヤ人は、アラブ人を侵入者とするが、アラブ人はイスラエルに定着したユダヤ人である可能性が非常に高い、ということを学びました。しかし実態は具体的にどういうものであるのか。
    現在も続くイスラエルのガザ攻撃、ハマスの越境攻撃。日々触れる報道及びSNSの情報ではハマスのテロ行為が悪。それは国際的なものであったが、近年ではイスラエルの方が「過剰な攻撃」ではないか、またイスラエルを支持する国にも疑問の目が向けられるようになってきた。では「過剰な攻撃」という「戦争犯罪」はなぜ起こり、なぜつづいているのか、理解している人はどれだけいらっしゃるのか。少なくとも本著を読むまで私は知らなかったし、大方の人がそうではないでしょうか。イスラエルによるパレスチナ占領という事実が報道されることも言及されることもなく、「過剰な攻撃」という批判に対して、イスラエル側の言い分しか出てこないから、と著者はご指摘される。そもそもハマスとは何であるのか、なぜ生まれたのか、が具体的に解説されていて、完全に理解できた、とは言えないものの、だいぶ見えるようになってきました。ハマスが主な支持を受けるパレスチナ政治組織が求めているのは「イスラエル解体」ではなく「二国共存」。「ハマスはイスラエルを破壊しようとするテロ組織」というのはイスラエルのプロパガンダにしか過ぎない。ハマスはイスラエルの大規模な報復を覚悟で越境攻撃をなぜし、続けているのか。それをパレスチナ人はなぜ支持するのか。その方策のひとつとしての殉教それを当人や、家族、パレスチナ人はどう理解しているのか。戦争反対、虐殺反対を叫ぶのはいい。大切なことだと思います。しかしながら、ハマスが悪い、から一転、イスラエルが悪いそれを支持する国が悪いと糾弾するだけではたして良いものだろうか。解決になるのか。まず、知ることが必要なのではないか。本著を読めて、本当に良かった。
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    5つ星のうち5.0 ハマスとは
    2024年9月5日に日本でレビュー済み
    庇を貸して母屋を取られる。自発的でなく屈強な方々から貸してやれと強要されて。そんなことが思われます。岡真理先生の『ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義』から、ハマース=テロリストと見なすことと、朝鮮学校を敵視するというのは同じ構造。文学によって人間性を取り戻す必要があるのは、パレスチナ人ではなく、我々。他者の人間性の否定、それこそがヒューマニティーの喪失であり、人間であることを手放すこと。シュロモー・サンドの『ユダヤ人の起源 歴史はどのように創作されたのか』から、イスラエルの実権を握るシオニストであるユダヤ人は、アラブ人を侵入者とするが、アラブ人はイスラエルに定着したユダヤ人である可能性が非常に高い、ということを学びました。しかし実態は具体的にどういうものであるのか。
    現在も続くイスラエルのガザ攻撃、ハマスの越境攻撃。日々触れる報道及びSNSの情報ではハマスのテロ行為が悪。それは国際的なものであったが、近年ではイスラエルの方が「過剰な攻撃」ではないか、またイスラエルを支持する国にも疑問の目が向けられるようになってきた。では「過剰な攻撃」という「戦争犯罪」はなぜ起こり、なぜつづいているのか、理解している人はどれだけいらっしゃるのか。少なくとも本著を読むまで私は知らなかったし、大方の人がそうではないでしょうか。イスラエルによるパレスチナ占領という事実が報道されることも言及されることもなく、「過剰な攻撃」という批判に対して、イスラエル側の言い分しか出てこないから、と著者はご指摘される。そもそもハマスとは何であるのか、なぜ生まれたのか、が具体的に解説されていて、完全に理解できた、とは言えないものの、だいぶ見えるようになってきました。ハマスが主な支持を受けるパレスチナ政治組織が求めているのは「イスラエル解体」ではなく「二国共存」。「ハマスはイスラエルを破壊しようとするテロ組織」というのはイスラエルのプロパガンダにしか過ぎない。ハマスはイスラエルの大規模な報復を覚悟で越境攻撃をなぜし、続けているのか。それをパレスチナ人はなぜ支持するのか。その方策のひとつとしての殉教それを当人や、家族、パレスチナ人はどう理解しているのか。戦争反対、虐殺反対を叫ぶのはいい。大切なことだと思います。しかしながら、ハマスが悪い、から一転、イスラエルが悪いそれを支持する国が悪いと糾弾するだけではたして良いものだろうか。解決になるのか。まず、知ることが必要なのではないか。本著を読めて、本当に良かった。
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  • 2024年9月3日に日本でレビュー済み
    今の時代こそに知るべき事情です。現地に何度も足を運んで取材された川上さんだから語れる。
    5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 2024年10月6日に日本でレビュー済み
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    中東に3年間駐在 してましたがハマスの事はあまり関心がなかったのですが 最近特にこの本
    読んでから再度勉強をはじめました
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