【5月12日 AFP】韓国で昨年4月に300人以上が死亡した旅客船セウォル(Sewol)号の沈没事故で、業務上過失致死や横領の罪に問われた同号の運航会社「清海鎮海運(Chonghaejin Marine)」の代表、キム・ハンシク(Kim Han-Sik)被告(71)に対し、控訴審は12日、有罪とした一審判決を支持しつつ、量刑を一審の懲役10年から7年とする判決を言い渡した。

 同国光州(Gwangju)の高等裁判所は、キム被告がセウォル号に普段から定員超過状態での操業を許可し、また乗客定員を増やすために違法な改修を承認したとする一審の判決を支持した。セウォル号の沈没では304人が死亡・行方不明となり、その大半は修学旅行中の高校生だった。

 キム被告側は裁判所に対し、自分は単に雇われて同運航会社の事実上のオーナーだった故・兪炳彦(ユ・ビョンオン、Yoo Byung-Eun)容疑者(事故後、遺体で発見)の下で指示を受けていただけだと主張し、業務上過失致死に関する判決の見直しを求めていた。しかし、裁判所はキム被告の主張を退け、キム被告には他の同社幹部やセウォル号の乗員らとの「連帯責任」があると認めた。

 一方、横領についても一審の有罪は支持されたが、こちらは個人的な金銭欲ではなく、兪容疑者の支持で実行したとして一審から減刑された。

 セウォル号のオーナーだった兪容疑者は事故後に逃亡して指名手配され、大規模な追跡の対象となったが、昨年6月に順天(Suncheon)の果樹園で発見された遺体を検視した結果、身元が確認された。(c)AFP