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インターナショナル・コンペティション



審査員
ドミニック・オーヴレイ
スー・フレドリック
賈樟柯(ジャ・ジャンクー)
崔洋一
呉乙峰(ウー・イフォン)

 世界の最新ドキュメンタリー映画を集めたインターナショナル・コンペティション。本映画祭の柱のひとつであるこのプログラムは、2004年9月から今年4月までに世界中より応募された950本のなかから、予備選考を経た15本を紹介する。これらの作品は、ほとんどが日本初公開である。開催期間中に各々2回上映され、ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)を含む5つの賞が審査員により決定される。

 多くの国際映画祭のようにひとりのプログラマーがすべての作品を決めるディレクター・システムではなく、山形の一般市民を含めた複数の選考員が作品を選んでいる。このシステムは初回(1989年)から実施され、既にヤマガタのカラーとして定着している。

 公募による一般市民3名、実行委員2名、事務局スタッフ5名、評論家2名、映画作家1名で構成された13名により、予備選考が行われた。選考委員全員が連日連夜、休日を返上して映画と真摯に向き合う濃厚な時間を体験することができた。作品選考は電子メールやファックス、数回のミーティングを重ね、評価が拮抗する作品や選考員の心を捉えて離さない作品を多数決だけに頼らず決めている。

 インターナショナル・コンペティションで上映された作品は、本映画祭がプリントやビデオの上映素材を新しく購入し、日本語字幕及び英語字幕付きで上映する。映画祭終了後には権利者と非商業上映権の契約を取り交わし、国内におけるドキュメンタリー映画鑑賞の環境作りや作品と観客の新たな出会いを演出していくことになる。

 世界各地のドキュメンタリー・シーンが凝集されたこの15本は、世界の窓となり新たなドキュメンタリー映画の姿を見せてくれるだろう。この窓から吹き込んでくる様々な風をひとりでも多くの方々に体感していただければと思う。

 このプログラムを実施するにあたり、多くの製作者からのご応募、関係者からのご協力をいただきました。この場を借りて心からお礼を申し上げます。

浅野藤子