2004.01.07
誤字等No.013
Google検索結果 2004/01/07 曰本語:22件
前回、前々回と、「日本語」についての似字科誤字等を見てきました。
でも、「日」や「本」に似た文字は、まだあります。
こうなったら、徹底的に近縁種の誤字等を洗い出してみましょう。
今回は表題作にこだわらずに、まとめてリストアップします。
まずは、「日」に形の似ている文字から。
表題として使っている「曰(いわく)」、これは横棒が少し短いだけですので、確かに紛らわしいですね。
「曰」の使用頻度も一般的には低いでしょうから、余計に「日」と見間違われることが多そうです。
それから、「日」に一画足して作れる漢字。いくつあるか分かりますか?
(下の行に答が書いてあります。ドラッグすると読めます)
「目」「白」「旧」「旦」「田」「由」「申」「甲」の8種類でした。
逆に、一画引いてできる「口(くち)」「囗(くにがまえ)」「ロ(カタカナの「ろ」)」。
さらに、ちょっと変形した「月」「且」「甘」「丑」「臼」。
二画足して作れる「百」「自」「亘」も入れましょうか。
構成要素に「白」を含む「伯」「拍」「泊」などもありますが、ここまでくると「似字」とは言えないので、除外します。
日本語以外も含めれば「B」「Θ」なども「似字」かもしれませんが、これも例外としましょう。
さて、これらの文字と「本語」を足して作られる誤字は、実在するでしょうか?
以下、検索の結果です。
曰本語:22件
目本語:347件
白本語:4件
旧本語:7件
旦本語:0件
田本語:5件
由本語:0件
申本語:0件
甲本語:0件
口本語:43件
囗本語:0件
ロ本語:3件
月本語:3件
且本語:0件
甘本語:0件
丑本語:0件
臼本語:4件
百本語:0件
自本語:0件
亘本語:0件
さすがに、見つからないものが多いようです。
しかし、私は「意外と多い」という印象を受けました。
「田」「月」「臼」なんて、ちょっと信じられない誤字もあります。
「曰」や「口」に至っては、件数が二桁に達しました。
次は、「本」に似ている文字です。
「木」の他に、「ホ(カタカナの「ほ」)」がありますね。
あとは、ちょっと苦しいですが「末」「未」「不」「丕」も調べてみましょう。
結果は、以下の通りでした。
日木語:72件
日ホ語:1件
日末語:0件
日未語:0件
日不語:1件
日丕語:0件
こちらは「日」ほどのバリエーションはないようです。
「日不語」は誤字ではなく、造語のようでした。
ついでに、似字科ではなく誤変科に属する誤字等も探してみます。
「にほんご」の「に」を誤変換したときに発生する可能性のあるものです。
に本語:46件
ニ本語:3件
似本語:3件
煮本語:0件
やはり、前文節とのつながりで「に」を助詞として変換してしまったと思われる誤字が目立ちます。
「ご」の誤変換で発生するものは、どうでしょう。
日本誤:181件
日本後:3,150件
「日本後」は「日本後紀」としてヒットしたものがほとんどでしたが、「日本後表示設定」「日本後学校語学留学生」などは、明らかに誤字ですね。
いかがでしたでしょうか。
今回は一文字だけ間違えた誤字をリストアップしましたが、「目木語」などの「組み合わせ」も調べれば、まだまだ誤字等が発見できるかもしれません。
日本語とは、本当に、奥が深いものですね。
日本人とは、かくも「似たような字形」に弱いのでしょうか。
このような「似たような字形」が原因と思われる誤字等の品種を、「似字科(じじか)」と命名しました。
そして、似字の波は人名や地名などの「固有名詞」にまで及んでいます。
そのような品種を、似字科から分岐した「固有亜科(こゆうあか)」と命名しました。
曰本人:25件
曰本国:1件
全曰本:1件
大曰本:1件
東曰本:3件
西曰本:1件
※ 2004.03.12 追記
その後、「円本語」「同本語」「回本語」「内本語」といった誤字等も見つけました。
探せば、まだあるかもしれません。
日本語とは、なんとも奥の深いものです。
※ 2005/07/22
このページでひとつ、漢数字の「二」を書くべきところが、カタカナの「ニ」になっていました。
書いた私自身が全く気づかない似字科の誤字でした。ご指摘ありがとうございます。