手術の結果産婦を死なせた刑事責任を問われた「大野病院事件」、無罪判決が下る 242
ストーリー by hylom
医師の立場は年々弱くなるばかり 部門より
医師の立場は年々弱くなるばかり 部門より
insiderman 曰く、
すでにさまざまなメディアで報じられているが、帝王切開手術を受けた女性が出血により手術中に死亡した事件に関して、手術を行った産婦人科医を業務上過失致死と医師法違反の罪に問う裁判が行われ、20日に産婦人科医を無罪とする判決が下った(産経ニュースの記事)。
この事件は福島県大熊町の県立大野病院で2004年に起きたものだが、事件が「癒着胎盤」という事前の診断が難しく、かつ非常にまれな疾患に対処した結果発生し、明らかな医療ミスが原因ではないということもあり、医師や医療界から裁判に対して非常に強い抗議も行われていた。
この事件に対しては、自らのブログ上で意見を述べる医師らも多くいたことで、ネットの世界でも話題になっている(「新小児科医のつぶやき」、「ある産婦人科医のひとりごと」など)。たとえば「大野病院事件に無罪判決、問われるマスメディアの報道 — ガ島通信」では、遺族寄りの報道が多いマスコミに対しての問題提起が述べられている。
これが有罪なら (スコア:5, すばらしい洞察)
よく分からない未来に対する意志決定の結果を、後になって最適解を選択しなかったと糾弾されても困るよ
斜めから。 (スコア:5, 興味深い)
仮に、裁判員制度の適用事件になるのかなと思っていましたら、ループで頭に来たので
書いてみます。(笑)
--
裁判員制度ではどんな事件の裁判をするのですか。リンク [courts.go.jp]
...(詳しくは,「裁判員制度の紹介」のコーナー [courts.go.jp]を参照してください(刑事裁判の控訴審や民事事件,少年審判等は裁判員制度の対象にはなりません。)。
--
裁判員制度の対象となる事件は,代表的なものをあげると,次のようなものがあります。
* 人を殺した場合(殺人)
* 強盗が,人にけがをさせ,あるいは,死亡させてしまった場合(強盗致死傷)
* 人にけがをさせ,死亡させてしまった場合(傷害致死)
* 泥酔した状態で,自動車を運転して人をひき,死亡させてしまった場合(危険運転致死)
* 人の住む家に放火した場合(現住建造物等放火)
* 身の代金を取る目的で,人を誘拐した場合(身の代金目的誘拐)
* 子供に食事を与えず,放置したため死亡してしまった場合(保護責任者遺棄致死)
裁判員制度の対象となる事件の情報については資料集 [courts.go.jp]をご覧ください。
--
法律を読めってかー!! 〆(‥ 〆(?? _(;;
一死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪に係る事件
二裁判所法第二十六条第二項第二号に掲げる事件であって、
故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの
(前号に該当するものを除く。)
--
裁判所は、もうちょっとわかりやすく、○○過失罪は対象になりませんとか書けませんか。(お願い)
対象にはなりません(たぶん)。それでいいと安心しました。
問題と思うのはここからで、事件で第三者、傍観者、当事者(犯罪者ではないです。)
どれにもなったことがあるのですが、えーっ、そうなんだという事柄が後から出てきます。後から後から。
ですから、マスコミの皆さんは取材を報じるのではなく、犯罪者、被害者、第三者の声他を
事実として伝えてください。
論評は要りません。可能性としての真実も要りません。恣意的ショートカットも要りません。
粘り強く事実を真摯に確実に報道してほしい。
嫁の話を聞いても、心証形成に大きくかかわっています。
大昔に社会で習った世論形成の担い手、第三勢力という意識からちょっと間を置いてみてください。
専門家ではないのですし、マスメディアはマスではなくなりつつあるのですから。
"専門家によると..."、"○○に詳しい"なんて修辞は要りません。もう効きません。
"○○組織の○○さんによると"でいいじゃないですか。
# また、なぐり書きしちゃった。
がんばろう。と自分に言い聞かせる。
診療義務 (スコア:5, 興味深い)
と定められてますが、「この治療に失敗した場合、訴えられるおそれがあるため」というのは正当な拒否理由になるんでしょうか。
今回有罪だった場合は、そんな事態も起こりえますね。
これがブラックジャックの場合、検察官の妻が同じ症状になって、その訴えた医者に泣きつくと。
あ、最初に承諾書とっておけばいいのか。
遺族の感情 (スコア:4, すばらしい洞察)
遺族のコメント [yomiuri.co.jp]を見ていると
・「なぜ事故が起きたのか、なぜ防げなかったのか。公判でも結局、何が真実かはわからないままだ」
・「何が起きたのかを知りたい」「とにかく真実を知りたい」
とありました。
親族を失った遺族の感情はある程度理解できるつもりですが、
冷静にこのコメントを見るとなんだかなと思います。
遺族は裁判後も「何が真実かはわからないままだ」と言っています。
裁判では遺族が知りたいはずの経過と、その行為の(医療業界での一般に照らした)妥当性が明らかになったはずなのですが、
遺族にとってはそのような情報は無意味で、信じるべき真実が既に決まっていて、それが裁判で認められることのみが真実の究明なんでしょう。
そんな中では、遺族も不幸ですし、訴えられる医療関係者も不幸になります。
遺族が感情的になっている場合には、医療に直接携わった医師および関係者が事実関係を説明したとしても無意味ですので、
いくら説明しても「説明不足だ!」「真実を語っていない!」と言われるのみです。
医療で不幸な結果となった場合には、その関係者に公平に状況を伝える第三者によるシステムが必要なんだろうと思います。
(第三者によるシステムが関係者に信頼されていないと意味がありませんが・・・)
現在、検討されている第三者機関が公正に機能することを期待します。
Re:遺族の感情 (スコア:4, 興味深い)
病院から当日夜を含めて合計5回の説明があり、
県に調査委員会が設立されて(まさに第三者機関)、そこからの報告書が出ており、
報告書の後に更に説明を行っており、
しつこさに定評のあるマスコミがこれまで数年間かぎまわっており、
医師本人の身柄の拘束までされており、
警察/検察とか、弁護士とか、裁判官といった日本の頭脳が数百時間頑張っており、
全日本の注目を浴びています。
中立で公平(のはず)な人間が何人も関わっており、
1人の死亡の原因追及にかけたコストとしては、現時点でも既に史上最大級だと思います。
遺族はネット中傷とかに言及してるくらいなので今の情勢も理解してると思うのです。
それでも、これ。遺族とは得てしてそういうもんです。割り箸事件のときもそう。
…自分はそのような感情を否定はしません。が、絶望はします。
第三者機関があれば逮捕そのものはなかったかもしれませんが、こじれた感情が緩和されることはなかったでしょう。
(作るなという意味でもないですが)
Re:診療義務 (スコア:2, 興味深い)
承諾書に効力ないらしいです、
「慌てた心理状況下で、専門用語を並べられて、白衣に囲まれて威圧感を受けながら、よく判らないままサインさせられた」
ということで無効となるらしい。
取り締まり権力 (スコア:5, すばらしい洞察)
この事件では、被告を支援する体制があったからまだいいようなものだが、否認事件でそんな支援が常にできるわけもない。
人権擁護というと、ほとんど反射的に「人権屋サン」などと否定してかかる向きが増えたのは由々しきことだ。近年公開された映画を引くまでもなく、「逮捕」は一般人にとって「明日は我が身」なのだ。
Re:取り締まり権力 (スコア:2, 興味深い)
挙句の果てには、無罪を主張している被告に対して、「反省していない」といって、執行猶予を認めなかったりする(ホリエモン裁判一審、二審)。無罪を主張してたら反省する必要なんてないはずなのに。
司法が情緒的になりすぎだと思います。これも世論の後押しなのかな。裁判員制度が始まったら、嘘泣きがうまいやつが強いですね。
もしSEだったら (スコア:5, すばらしい洞察)
へっぽこ管理者ではなくて、迅速なパッチ当てとか日々の管理業務とかは人並み以上に完璧にこなし毎月200時間の残業にも耐える優良管理者だったけど、なんか内部事情を知る者のバックドアによって、ほとんど不可抗力的な巧妙な攻撃を受けた、と。ただ一般人にはユチャクタイバンもバックドアもゼロデイアタックも意味不明な言葉過ぎて理解できない。
そこで「お前の会社の内部反省会の資料で過失が色々書いてある」というのを理由に、アナタが1年後に個人的に逮捕され、「サーバの操作ミスで顧客情報を流出させた管理者 [yomiuri.co.jp]が逮捕!」「ゼロデイアタックの実務経験が全くない管理者! [ocn.ne.jp]」とか叩かれ、
「危険を感じた瞬間に安全なシャットダウンを断念し、電源ケーブルやLANケーブルをすぐにひっこ抜くべきだった明確な過失」という内容で起訴され(物理的にネットワークを遮断するのが基本だと書いてある本は実在したとして、現場で実際に可能ですか)、
裁判中に「脆弱性」を「きじゃくせい」と読む [google.com]とか、「ところでウープスって何? (←UPSのこと)」とか、そういうレベルも知らない [lohasmedical.jp]検察に1年以上も公判を維持された、というような状況です。
正直、意味がわかっていればアホらしすぎて付き合ってられません。
まさか、こんな幼稚な裁判が、直接被害者の民間人ではなくて、国家権力によって為されるとは夢にも思ってなかった、と。
まっとうな会社なら、せいぜい会社同士の補償の交渉があるか、最悪会社同士の民事訴訟くらいしか思いつかないシチュエーションですが、これで個人が逮捕かよ、しかも世論の味方が(当初は)ゼロかよ、というのに絶望した、と。
Re:もしSEだったら (スコア:4, すばらしい洞察)
この国の伝統です。
Re:もしSEだったら (スコア:2, 参考になる)
前置胎盤を全例搬送していたというのは多分嘘です [umin.ac.jp]。その双葉厚生病院でも1人で何例もやってると証言されています。判決で無視されてるので、事実認定としては何とも言いませんが。
「いつもなら他の会社を紹介していた」のくだり。企画会議の時点で、実際のサーバ管理もできない下っ端が確かにそんなことも言ったが一同に無視された、といった程度のものかと思います。専門外とのことで、「異常産における助産師」の役割をどの程度ご存じか知りませんが、彼女だって自分に降りかかる責任は回避したいでしょうから、そういうこと警察に述べてても不自然ではないでしょう。自分から見れば、「えっ、異常産について何の手出しもする資格のない立場の人間の発言が起訴状に載るほどに検察の材料は少ないの?」という印象。
管理者の応援の打診を断った点については、それも含めて彼の判断でしたから、確かにその通りですね。それを含めていいと思います。それが加わって犯罪を構成する要件になり得るかどうかというと、厳しいかと思います。2人いたところでどうしようもなかったという証言 [lohasmedical.jp]が裁判中にあったのも書き添えておきます。
まあたとえ話ってことで(^-^;
正しいことだけでは回らない (スコア:4, 興味深い)
この病院で、助産師資格のない看護師や准看護師が「内診」という助産行為をしたとして、
神奈川県警が2006年2月に院長ら11人を書類送検した事件がありました。
地裁で起訴猶予処分にはなりましたが、ギリギリの線で持っていた横浜市のお産は絶賛崩壊中です。
今では妊娠に気づいたら即予約をいれないと、自宅付近での出産は望めない状況です。
/.Jには正義の鉄槌をもって他者を弾劾する方が多いですが、
その鉄槌を振り下ろした後に残るのがペンペン草すら生えない焼け野原でもよいか、
振り下ろす前に少しだけ考えませんか。
それと今回の件は質が違う (スコア:3, すばらしい洞察)
横浜の病院は、本来認められていない者に医師の仕事を行わせている違法なケース。
前者は病状も極めて希なもので通常では対応できなくて当たり前のケース、後者は必要なら助産師を増やせば対応できるケース。
一緒くたにすると、今回の事件の提起した問題が埋もれてしまうと思う。
「安全」を確保するためには、社会としてコストをかけ、人材を確保する必要があることを認識するべきだと思う。
Re:それと今回の件は質が違う (スコア:2, おもしろおかしい)
おぉ,なるほど.
ガソリン高騰→「もっと掘って増産すれば対応できるケース」
不景気→「輸出を増やせば対応できるケース」
なんでも対応できますね.これはすごい.;-)
#他の人も書いているように,助産師を増やそうにも,慢性的&全国的に人材不足というのが現状のはず.
Re:それと今回の件は質が違う (スコア:2, 参考になる)
なので以下は参考。
もし今回の裁判とあえて強引に結びつけるなら政治力とマスコミ報道?
ちなみに
>本来認められていない者に医師の仕事を行わせている違法なケース
これは法律の解釈が微妙。厚生労働省医政局看護課長通知として「具体的解釈を通達した」のであって
その解釈が法律としても正しいとお墨付きをもらったわけでもない。完全に違法といえるかが微妙。
内診問題の真相
http://blog.hashimoto-clinic.jp/200707/article_2.html [hashimoto-clinic.jp]
看護師による内診行為の違法性
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20060827 [hatena.ne.jp]
「内診とマスコミ報道」
http://obgy.typepad.jp/blog/2007/10/post_1133.html [typepad.jp]
医療にかかる社会的コスト (スコア:3, 興味深い)
人材を育成する際に、悪く言えば練習台になることも社会的コストだと
思う。
一人前の医者なり看護士になるためには十分な経験が必要だし、一人前の
医療技術者であっても新しい技術の習得や、全く経験のない治療の場合、
自分が「練習台」になってしまうこともあり得る。
このあたりを理解せず、自分には一人前の技術者を要求しておきながら、
自分がそういう練習台になることを断るのは、エゴだと思う。
ただし「練習台」として治療を行う際には、万全のサポートが必要だし、
事前に患者に事情を説明し理解と同意を得る必要があるし、患者には断る
権利があることを明確にしておく必要がある。
今まで、そういう患者への配慮があまりにもなさすぎたこと、急速に「消
費者重視」に世の流れが動いたことが問題ではないでしょうか。
(個人的には、今の「消費者重視」は行き過ぎの面もあるとおもう・・)
Re:正しいことだけでは回らない (スコア:3, 興味深い)
悪法は... (スコア:2, すばらしい洞察)
秋田の件を引くと、道徳的な善は生命を維持し、育む方向。法律は適法/違法だけ。
それぞれは完全には一致しません。
悪法だからって守らなくていい訳ではなく、守らない人が多い場合厳罰化される傾向があります。
数千万人が共謀して、悪法に対する違法行為をして一斉自首とかでもないかぎりは、悪法を完全無視は効果なし。
守っておいて、これだけの不利益が生じているというデータを出すのが近道かと。
(救急隊員による気管挿管ができていれば搬送中に死亡した○人のうち○人が助かる可能性があったなど。)
# 政局があまりにアレなのでアナーキーに向きやすいのはわかる。
裁判に注目している諸氏 (スコア:3, 参考になる)
出産に生命の危険はつきもの (スコア:3, すばらしい洞察)
一定のリスクが存在する以上、重過失でもあれば別だが、不幸にして妊婦が死亡しても莫大な賠償を請求されたり起訴される事から医師を救済する公的な制度が必要ではないか。
当然 (スコア:2, 興味深い)
さて、この医師の個人に関する保障と
この医師が医療に携わることができなくなったことによる
社会的な保障の責任は誰が負ってくれるのでしょう・・・
あまりに被害が大きい
Re:当然 (スコア:4, 興味深い)
「最善の選択をせず逮捕・拘束しつづけた」
「無罪は十分に予見できたのにそれを避けなかったこと」
「臨床経験の十分にある産科医師の意見を聴取するという、基本的な確認を怠り、結果的に地域産科医療を崩壊に至らせた」
と、かなり犯罪性が高いように思われるのですが、だれも処分はされないのかなぁ…。
Re:当然 (スコア:2, 興味深い)
警察、検察の責任を追及したい気持ちはわかりますが、
世間やマスコミからの執拗な追求・断罪が、まずは立件、立件されたら起訴、有罪判決という
彼らの近視眼的な焦燥感を駆り立てているということもあると思います。
桶川事件のように、積極的に動くべきだったケースもありますが、今回の件のようなケースもあります。
事後になって、介入すべきだった、すべきでは無かったと論じるのは簡単ですが、
それはあくまで結果が出た後だからこその話でしょう。
起訴され、裁判が行われ、無罪判決が出たという今回のケースにより、
妊娠や出産という、ありふれた過程においても、現在の医学では対処しようの無い事態が発生するという事が、あらためて公知されました。
この無罪判決は(皮肉ではなく)警察・検察の功績だと思います。
現代医学には限界があり、それで命を救えなかったとしても、医師に責任は無いという司法判断がなされたのだと思います。
Re:当然 (スコア:3, すばらしい洞察)
>彼らの近視眼的な焦燥感を駆り立てているということもあると思います。
村人1 『きっとあいつがやったにちげぇねえだ』
駐在さん「え?」
村人2 『そうだそうだ!』
駐在さん「ちょっ」
村人3 『やっちまえ!』
駐在さん「ま、待てっ」
村人沢山『おおっ!』
駐在さん「(おろおろ)」
どっかの村じゃないんだからさ。
そんなことで焦るんなら、あんたらその仕事に向いてないんだよ。
>この無罪判決は(皮肉ではなく)警察・検察の功績だと思います。
頑張って無罪を勝ち取ったお医者さんとその支援者達の功績です。
あとは、検察の主張に左右されなかった裁判官の功績?
警察・検察は、無罪の一人の医者の生活を引っ掻き回しただけです。
無罪判決は、有罪を主張していた警察・検察の功績? そんなわけない。
この医者が個人的に被った損害、この医者をこの間失った社会的損失、
それらを全部清算しても、それでもゼロに限りなく近いマイナス。
本当に有罪だった場合以外、どんなに頑張っても功績(プラス)にはなり得ないよ。
Re:当然 (スコア:2, すばらしい洞察)
>>医師が無罪になるのは当然すぎるほど当然
>であり、
>>無罪は十分に予見できた
>のでしょうか。
今回の起訴で検察が採用した理屈を適用するなら「十分に予見可能」であり、遅くとも医療界から意見が出てきた時点でちゃんと捜査していれば「そのまま起訴手続きに繋げずに回避することはできた」もので移行可能性と回避可能性はあったでしょう。
その上で起訴を続行することの危険性の大きさ、すなわち、無罪の医師を起訴することにより産科医療が萎縮化する蓋然性が高いことを十分に予見できたこと、及び起訴を見送ることが容易であったことより、本件において起訴を中止する義務があったとの主張なのですから、なぜそれが検察自身にだけは適用されてはいけないのかが疑問です。
要は、絶対的な確実性のない問題において標準的以上の対応をしている医師に上記のようなことを要求しておきながら、裁判要旨にもあります通り検察は自らは
「本件に即していえば、子宮が収縮しない蓋然性の高さ、子宮が収縮しても出血が止まらない蓋然性の高さ、その場合に予想される出血量、容易になし得る他の止血行為の有無やその有効性などを、具体的に明らかにした上で、患者死亡の蓋然性の高さを立証しなければならない。そして、このような立証を具体的に行うためには、少なくとも、相当数の根拠となる臨床症例、あるいは対比すべき類似性のある臨床症例の提示が必要不可欠であるといえる。
しかるに、検察官は、一部の医学書及びC鑑定による立証を行うのみで、その主張を根拠づける臨床症例は何ら提示していないし、検察官の示す医学的準則が、一般性や通有性を具備したものとまで認められないことは、上記aで判示したとおりである。そうすると、本件において、被告人が、胎盤剥離を中止しなかった場合の具体的な危険性が証明されているとはいえない。」
と、実際の臨床例の確認さえ十分にやっていない杜撰なものだった訳で、自らの主張に従うならば処分はあってしかるべきでしょう。
お医者さんは沢山の命を救ってるんですよね。 (スコア:2)
医学の事は詳しくはありませんが、
今回は無罪判決になりましたが、たとえ判断ミスだったとしても、少しぐらい目をつぶってやれよって気がするんですけどねぇ。
この意見はひどい (スコア:5, すばらしい洞察)
>今回は無罪判決になりましたが、たとえ判断ミスだったとしても、
>少しぐらい目をつぶってやれよって気がするんですけどねぇ。
いや、「1000人救ってるんだから、1人くらいミス許せよ」という論理・倫理は成り立たないでしょう。
今回の判決がすばらしいのは、
「通常の臨床ケースレポートで知りえる知識で対応してもだめだった」って認定したこと。
判決でるまでは検察のいうとおりになっていた
(未報告のケースレポ、というか症例報告すらまともにあがってないケースに対応できない処置を求められる)
かもしれないという恐怖は全理系・文系の研究者・臨床担当者・その他もろもろが共有すべき話題でした
(と、いう視点で/.Jにタレこもうとおもったが美味くまとめられなかった)
Re:お医者さんは沢山の命を救ってるんですよね。 (スコア:4, 参考になる)
どこからをミスと呼ぶかによりますが、最後のまで含めて「判断ミス」なら、毎日何個もやってる計算になります。
その目で見れば明らかな7mm大の腫瘍が目に入っていなかった、とか、あの時あの検査をやっておけば良かったと院内カンファでみんなで暗い気持ちになった、とか、院内で一番内視鏡が上手な医師が検査中に出血させた、とか。そういう全力で裁判されたら負けるかも的な中規模の"ミス"も、自分の実感として、1人につき1ヶ月に1回くらいの頻度でやってきます。プロ棋士だってわずか5手先が読めないことが時々あるでしょう(想像ですが)。
そういうのを患者に開示するか『隠蔽』するかって、確かに、ぶっちゃけ、医師同士なら知識と経験で感じられる雰囲気的なもの決まってると思います。
7mmの腫瘍を見つけ出すのがどの程度の難易度かなんて、部位や条件でも全然違うし、口で言ってもまず通じません(一般人は見つけられなくても、矢印が付いてれば誰にだって見える)。それらを「顕在化しなかった内部での問題点」レベルにとどめるか、泣かれるたり殴られたり訴えられたり、いずれにせよ確実に辛い思いをさせて今後の治療に支障を来すのを覚悟で「3ヶ月前のCTでも今から見直すと実は腫瘍は小さく見えてました!」とか言うべきか。(それで逆に「正直だ」と信頼を得られる可能性もありますが、スラドにいるような理解力のある主に理系を相手でも、心底納得してくれるのが30%、表面上納得した振りをしてくれるのが60%、残りは恨み辛みを隠さないでしょう)
今の時間的人的制約の中で、そういうレベルの話も隠蔽体質と言われるのだとしたら(そして、大野事件の社説とかを見ているとそう判断せざるを得ないのですが)、正直難しいです。
実際に医者同士では何も隠せないですし、お互いの評価はシビアだと思いますし、問答無用でかばい合うような気色悪い世界だとは思いません。「こいつと一緒に仕事したら危ない」と思えば疎外もされますし、「お前はこの科に向いてないんじゃないの」とか言われたりします。逆に微妙なミスは症例報告として論文や学会発表したり、先輩が後輩に「こういう失敗はするなよ」と飲み会で教えたり、積極的に色々と共有するのが当然だと思ってます。
そんな中でもなおかつ「幾らなんでも、これ出しても意味ないよね」的なものが『隠蔽』されるんだと思いますが、どの業界でもそれってたぶん一緒だよねえとは。
Re:お医者さんは沢山の命を救ってるんですよね。 (スコア:2, すばらしい洞察)
ちょっと同意し兼ねるなぁ
当時の知識と状況で、妥当な判断をして、出来ることをしたけど、それでも亡くなったのだと判断したから、一審無罪なんだと…思う
判決要旨:
http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008082001000750.html
Re:お医者さんは沢山の命を救ってるんですよね。 (スコア:2, 興味深い)
訴え続けた母親の両親は、結局「隠蔽してんじゃなネェか?」が訴え続けたんだと思う。
今回の医者はどうかわからんが、医者の全員が全員善人じゃないよ。
-- gonta --
"May Macintosh be with you"
Re:お医者さんは沢山の命を救ってるんですよね。 (スコア:5, 参考になる)
・そもそも初産からカイザーな前置胎盤で、
2人目は妊娠すべきでないと伝えたのにもかかわらず妊娠
・万が一を考えて転院進めたのに拒否(経済的な事情とか)
・安全を考えて摘出も打診したが「3人目がほしいから」と拒否
・加藤医師を墓前で土下座させる
・上の事情があるのに「病院から説明がない」「何で転院させなかったんだ」など
「母親が亡くなった」という一般的事実についてお悔やみを申し上げますが
はっきり言ってこの遺族に同情するだけの心の広さを僕は持ち合わせておりません。
医療崩壊は間近、特に産科 (スコア:2, 興味深い)
30万人の中核都市で、市内に産科医院はかなりあったんですが、出産を受け入れる医院は確か二つ。今まで医院で行っていた出産も総合病院に回されるので、総合病院はどこも能力の限界に近い状況です。
義理の姉なんか、診察を受けていた地域の中核病院である総合病院の産科から出産を拒否されて、別の総合病院にて何とか出産できました。
で、妻の出産の状況を見ていると、病院側はかなり安全側にふって診察してますね。これ自体は望ましいことなんでしょうけど、本当ならもっと早く短い期間で出産できる人が、安全のため長く入院しているためベッドが埋まり続けるので、受け入れ能力に制限がかかり・・・という悪いループにあるように感じました。
総合病院の医師の激務は、今まで大変でしたが、中でも産科の医師の大変さはすさまじいです。なんとかしないと今いる医師たちの生活も健康も維持できないように思います。なんとか今からでも遅くないので待遇改善と、増員をしないといけないではないでしょうか。
Re:医療崩壊は間近、特に産科 (スコア:4, 興味深い)
正直いうと、もう遅いですよ。増員するにも数年単位でかかるうえ、
今回の逮捕劇で4年ほど遅れたし、その間に産婦人科のきついというイメージもひどくなりました。
この先さらに減っていく可能性はあれど、増える要因なんてなにもありません。
医学部の定員が増えようと、その間に先輩産婦人科医は地獄を見続けます。
それをみて医者になった人たちがこぞって産婦人科に行きたがるか...
乱暴な意見ですが妊娠、分娩制限がいちばん効果的だと思います。
病院で分娩する人は抽選。それ以外は自己責任、と。
分娩が減れば産婦人科医の負担は減るし、教育にあてる時間も増えます。
そうしてやっと増加に転ずることができるのではないかと思います。
と、産婦人科ローテートの間に体調を崩して医者をできなくなった私が言ってみる。
Re:お医者さんは沢山の命を救ってるんですよね。 (スコア:5, 参考になる)
いつだったか、医者とサラリーマンの年収を比べて「こんなに稼いでる」とか叩いた話なんて呆れてものが言えん。
大野病院の件がどれほど影響を与えたのかつ〜と、この逮捕からわずか1年で福島県内の産科が急減 (31件→21件) したとか、この医師が地域の妊娠・出産に一人医長として対応していたので、逮捕によって出産間近だった複数の妊婦が急遽他の医者を探す羽目になったとか。そもそも逃亡の恐れはほとんど無い(妻が出産直前だった)のに逮捕したとか、ケーサツも無茶が過ぎる。
そもそも一人医長(しかも産科)がどれくらいシャレにならないかと言えば、尾鷲総合病院 [ocn.ne.jp]の件が有名ですよね。
Re:お医者さんは沢山の命を救ってるんですよね。 (スコア:5, すばらしい洞察)
今回は刑事事件なので、そこで遺族を持ち出すのは間違い。
警察や検察と同じ立場だったら「そういう感想」を言える人は多数いただろう。
また、医療事故には診断ミス、判断ミス、管理ミス、手技のミスなどいくつかのエラーのレベルがあるが、与えられた条件と手に入る情報からその時は最前だと思った(が、後から考えると別の方法もあったかもしれない)という「判断ミス」を第三者が責めてしまっては誰も難しい症例に手を出すことはなくなってしまう。
そして難しい症例の患者は受け入れず死ぬに任せるようになるのなら、「医療事故」は0になるだろうが、そんなことを望んでいるのは一部のメディアだけ。
Re:お医者さんは沢山の命を救ってるんですよね。 (スコア:4, すばらしい洞察)
○ 実際に被害者になったら
この手の話題でいつも思うんだけど、どうして「被害者と同じ立場だったら」という仮定はするのに「被告人と同じ立場だったら」という仮定はしないんだろうね?
…いや、理由は明白なんだけどね。
「自分は正義の側の人間だから、被告人席に立つことなどありえない!」と思いこんでいるからです。
まあ、今回の件は、被告人が医師という特殊な立場なので、自分が被告人の立場だったらという想像がしにくい、という特殊事情もあるけど。
Re:お医者さんは沢山の命を救ってるんですよね。 (スコア:2, 興味深い)
例えば対象の職種(?)をプログラマと想定してみます。
状況を刑事事件にするため、本番稼動したシステムにバグがあったら、それを作りこんだプログラマは懲役刑になるという仮想の法律を設定しましょう。
ここで仕事として自分の作ったプログラムが、テストでは発見できないようなバグを残したまま本番稼動を始めたと、よくある状況を考えます。
このとき、上の法律により刑事罰を受けることになったと。
という風に、仮想の状況を作れば、「危なくて誰もプログラマなんてやらなくなる」とか、「PMBOKもびっくりなプロジェクト管理により支払わされる社会コストは高いだろう」とか、「テストが怠惰すぎたら罰を与えてもいいんでね?」とか、いろいろ論議できそうに思えますがどうですか?
Re:お医者さんは沢山の命を救ってるんですよね。 (スコア:4, 興味深い)
今年のTOPPERSカンファレンスの招待講演で,ある領域の医療用のロボットから日本は手を引いてしまったと聞きました.
万一の事故のとき,メーカ側の保障問題になるリスクを避けるためのようですが,その判断が日本に与える経済的/技術的損失は計り知れない,と.
# プレゼンシートが手元にないので詳細曖昧なID
from もなか
Re:お医者さんは沢山の命を救ってるんですよね。 (スコア:3, 参考になる)
元ネタのプレゼンシート [ipa.go.jp][PDF注意] だけ見つかった.(5-6枚目)
from もなか
Re:お医者さんは沢山の命を救ってるんですよね。 (スコア:3, すばらしい洞察)
実際に当事者になったら、そういう事は多分言えないでしょう、多分。
#なんて言い草だ、と思うでしょう?
Re:お医者さんは沢山の命を救ってるんですよね。 (スコア:2, 参考になる)
現在、私の父が術後の経過が思わしくなく集中治療室で人工呼吸・補助心肺などになんとか助けられながら
懸命に治療しています。
もともとリスクのそれほど高くない「腹部大動脈瘤」の手術のために入院したのですが、術前の検査をするうちに
隠れていた動脈瘤が見つかり、難易度のはるかに高い「胸腹部大動脈瘤」と診断されました。
手術を行った場合、死亡リスクは現実の数字で約10%。手術をしない場合は、瘤が破裂した時点で即死であるとのことでした。
父は同意書にサインをし、手術は行われました。12時間の大手術です。
術後、出血は止まったものの心肺機能の回復が思うように進まず、父に心肺補助装置がつけられることになりました。
それから明日で1週間になります。
心肺補助装置の連続稼動限度は1週間、それを超えると合併症のリスクが高まるとのことで、母と私は明日、父の肺の機能が回復してくれるであろう可能性にかけています。
正直いてもたってもいられないというか、何も手につきません。いったん帰宅はしましたが、寝るに寝られません。
という状況で、この先「回復しなかった場合」のシナリオなんぞ考えたくもないですが
(もちろん回復することを固く信じておりますが)万が一のことがあったとしても、医師を恨むことはないと思います。
リスクの説明は充分でしたし、本当によくしていただいています。
…と書いていてちょっと書いたことを後悔しました。やはりそういうシナリオはまだ考えないことにします。絶対回復します。
Re:お医者さんは沢山の命を救ってるんですよね。 (スコア:3, すばらしい洞察)
新立法は? (スコア:2, 参考になる)
なんか、さびしい世の中だなぁと思うわけですよ。
目の前で死にそうな人がいて、手助けをしてあげたい…医師の根源的モチベーションだと思うのです。
私は医師の資格も知識もないから、右往左往しても問題にならないでしょう。
医師はきっと何か義務がありそうに思います。
でも、トンデモない場所で機材も何もなかったら?全くの専門外で、その方面に関しては私らシロートと同じレベル(ってことは普通ないでしょうけど)だったりする症状だったら?なーんてことを考えちゃうわけです。
じゃぁ、仮にちょっとした知識があって、実は間違っていたとしても「最善だと自分を信じて」対処して、結果的に最悪の結果を招いた、すなわち死んだとしましょう。
訴えられて有罪になる恐れが高いなら、知識があっても、手出ししませんよね。
でも、上記 URL の趣旨である「急病人など窮地の人を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人にできることをしたのなら、たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない」 [wikipedia.org]ことが知られているなら、とにかく努力してみようと思うと思います。
Re:糞医者・糞病院の事実隠しが根本原因 論点逸らしは汚い医者の常套手段 (スコア:4, すばらしい洞察)
誰でもいいから処罰したい? (スコア:4, 興味深い)
っていうか、遺族・被害者と感情的に一体化した報道ですよね。
遺族・被害者が感情的になるのはもっともなんだけど、
メディアも一緒になっては有害だよね。
事件が起こると不安になる。
誰でもいいから処罰して安心したいという心に
メディアが迎合してるのかなあ?
弱者の側に立つのは結構な事だとは思うんだけど。
感情的なのがいかんのかなあ。
この事件については新聞は冷静になってたのでは。
Re:新聞読もう、テレビ見よう (スコア:2)
周産期医療には素人の医学博士の証言を元に罪状を作り上げた警察がおり、
結果、遺族に対して「やっぱりそうだったんだ」との強い思いを抱かせました。
無罪判決は当然だと思っていますが、それ以上に警察の対応には疑問が残ります。
光市の事件は、その報道が非常に被害者よりだったのは事実だと思いますが、
最後に問題視されたのは、ドラえもんまで持ち出して、無罪を勝ち取ろうとした
弁護団に対しての問題提起がもっとも大きなポイントだったと思います。
マスコミの姿勢に問題があり、より広い視野を、との意見には賛同しますが、
例としてはあまり適切ではないと思います。
Re:ピザキモヲタ五人臭ということか わかりますよ (スコア:3, おもしろおかしい)
Re:雑感 (スコア:3, すばらしい洞察)
すべての分娩で起きる死が医師の手によって生じるかのような誤解をされているかのように私には読めたので。
>結局のところ、患者には医者を信じるか信じないかの二択しかないのです。医者の言うことは最終的には判断材料にはなりません。
この患者さんの場合は2択ではなかったのですよ。
「医者の言うとおりに転院する、子宮摘出を前提とする」または「医者を信じずに自宅で分娩する」
以外の、「転院せずに子宮摘出を避けて、分娩する」という選択肢だったのです。
もちろん医師は患者さんの希望に沿うように努力はしますが、リスクはあがります。
そのリスク上昇分を同様に医師に背負わせるのは厳しくありませんか?
最後に福島県立大野病院事件第10回公判(1) [lohasmedical.jp]から引用しておきましょう。
胎盤へは、そこへ子宮からシャワーのように母親の血液が吹きつけていて、胎盤を通して成分交換を行っている。その血流量は、毎分450~600ccである。胎盤を外すと、血液を受け止める壁のなくなった子宮は、ちょうど「シャワーヘッドがオープン」になったようなもので出血し続ける。
Re:雑感 (スコア:2, すばらしい洞察)
「病院で分娩」したのは、その点(分娩)については、医者を信じていたからでしょう。
医者を「合理的に信じる」ことは我々が普段行なっていることですが、
医者の言うことを「合理的に判断する」ことは医者でもなければ非常に難しくはないですか?
件の医者は誠実に病状を正確を伝えたことと思われますが、患者に非常に不都合な事実を信じさせられなかったのでしょう。
だいたい人にとっては自分に都合の悪い事を言う人(自分の子宮を摘出したがる人)は悪者になりがちですからね。最初からなかなか信用されないかも。
そこで、lynnlynnさんの論法は火に油を注ぐようなもんで、
「かくかくしかじかであなたは子宮を摘出すべきです」と言えば、
「アタシが理解できないことを並べて大嘘ついてんじゃねー! 赤ちゃんこんな元気じゃん!」
と思われても不思議ではないと思います。
> そのリスク上昇分を同様に医師に背負わせるのは厳しくありませんか?
そんな話はしていませんよ。
医者の話を信じない人こそが最終的には不幸になるでしょうが、それは当然医者の言うことを聞かなかった責任が100%です。
もちろん本当に重大な過失のケースであれば話は別ですけど。
Re:雑感 (スコア:2, 興味深い)
(ここは男ばっかりで、妊娠/分娩に理解が足りない、という先入観で書いてました)
身の回りに周産期死亡がいなくても、確実にそういう人はいて、水際で助かってる人はもっといるのです。
そして、認識さえ違っていれば死なずにすんだかもしれない、ということも。
合理的な判断をするのに十分な説明を受けて、それでもわからず、最終的に「どっちがいいんでしょう」と聞いて、決めかねて、さらにセカンドオピニオンを求め、ということを繰り返し、最終的には信じるしかない、というのが患者さん像だと考えています。自分の身内に照らし合わせても。医者本人であっても、病気を理解していても「本当に自分が?」と思うと、難しいものですよ。
>「医者の言うとおりに転院」しなかったのは、医者を信じていなかったからでしょうね。
>「病院で分娩」したのは、その点(分娩)については、医者を信じていたからでしょう。
ここにダブルスタンダードが生じているのはわかっていただけますでしょうか。
片方の選択肢が死亡(両方死亡ってこともありますが)という状況のダブルスタンダードって、とても辛いものなんです。
妊婦さんが信じるしかないのがわかっているから大野病院の先生はそれでもがんばったんだと思いますし、がんばってる先生がたくさんいるんだと思いますよ。