子どもたちが中心となって仮想のまちを作り、その中での仕事や買い物を通じてまちづくりを体験する「ミニタウン」が伊豆南エリアで始動する。3月15日・20日には、参加対象となる小学3年~高校生を対象に説明会を開く。
ミニタウンは、子どもたちが数カ月かけて学びながら仮想のまちを作り、最終的には2日間前後のイベントとして、子どもたち自身がまちの運営に取り組む活動。ミニタウン内にはハローワークや銀行を置き、子どもたちには仕事の対価として仮想通貨を支払う。子どもたちはそれを使って買い物やサービスを受けることで、仕事や政治・経済の流れを体験することができる。1979(昭和54)年に独ミュンヘンで行われた「遊びのまちミニ・ミュンヘン」が始まりで、日本では1997(平成9)年に高知県香北町で「ミニ香北町」が開催されたのを皮切りに、日本各地に取り組みが広がっている。
企画するのは、河津町を中心に活動するまちづくり団体「河津デイズ」。これまで、まち歩きをしながらの写真撮影を通じて地域の魅力を再発見する「河津まちなかフォトウォーク」や、キャリアについて若者と考える対話会「What’s My JOB?」などのイベントを開いてきた。将来を担う子どもたちがより主体的に関われる取り組みとして、同イベントを企画した。
まずは説明会を開き、ミニタウンの仕組みや目的、イベント開催までのスケジュールを、親子を対象に説明する。「少しでも多くの親子に理解してもらい、まちづくりを担う『子ども実行委員』に応募してほしい」と河津デイズ代表の植田耕一郎さんは呼びかける。
実行委員の子どもたちと月1~2回程度の勉強会と準備を重ね、秋ごろのイベント開催を目指す。実行委員会への参加は無料。
「ミニタウンに関わることで、子どもたちの主体性や自己効力感が育まれる。地域や社会に対する関心が高まって、将来の地域の担い手になってくれればうれしい。多くの大人の手助けも必要になると思うので、自然と世代間交流が深まって、地域全体が元気になるはず」と期待を込める。
説明会は、3月5日10時~=下田市中央公民館(下田市四丁目)、3月20日10時30分~=南伊豆町湯けむりホール(南伊豆町下賀茂)、同日15時30分~=河津町文化の家(河津町笹原)で、それぞれ開く。事前申し込み不要。