ネコを飼っている人々が、頭を悩ませる問題「ネコを外に出すか? 出さないか?」。事故や病気、迷子など、お外には危険がいっぱい。ふん尿問題などの観点からも、ネコを家の中だけで飼うことが理想とされている。しかし、「お外でノビノビさせてあげたい……」という気持ちも拭いきれないのものだ。
ところが、今回ご紹介する家に住む15匹のネコは、おウチの中だけで大・満・足! もう、「ネコの楽園」とも呼べる家に住んでいるのである。階段やキャットウォーク、個室、なにからなにまでネコ様仕様!! 工夫さえすれば、ネコも満足して家の中だけで暮らすことができそうだぞ。
・15匹のネコと暮らすコーヘンさん
1988年、ピーター・コーヘンさんが、米カリフォルニア州に一軒の家を購入したところ、すでにそこには2匹のネコが住んでいた。しかし自動車の事故でネコが命を落としてしまったことから、コーヘンさんはその後のネコを全て “完全室内飼い” として迎える決意をしたのである。
そして彼は保護施設からネコを引き取り始めたのだが、年々ネコの数は増え、今では15匹という大所帯に。チーズケーキ、ワサビ、クロ、クッキー、ドーナッツなどユニークな名前のネコたちが、コーヘンさんの元で暮らしているという。
・全てのネコが楽しめるように家を改造
「15匹もネコを飼っているだなんて! 家の中は汚れているのでは?」 な~んて、考える人も出てきそうだが、大ハズレだ! 彼の家はとってもスタイリッシュ。しかも全てのネコが楽しんで暮らせるようにと、工夫が凝らされまくっているのである。
天井近くの壁沿いには「ネコの通り道」であるキャットウォークが張り巡らされ、全ての部屋とトンネルでつながっている。単調な一本の板ではなく、飛び飛びだったり、カーブしていたり、階段や螺旋(らせん)状だったり……と、「マリオ」や「ドンキーコング」になった気分で、ネコたちは大暴れすることができるのだ。
・これまでにかかった費用は約470万円ほど
コーヘンさんが「ネコの楽園」を築き始めたのは、1990年代。当初は真っ直ぐなキャットウォークを設置しただけだったのが、その後、色や形、ネコの気持ちなどを考えていくうちに、規模がどんどん拡大。これまでにかかった改装費用は、なんと約4万ドル(約470万円)だ!
植物があふれる家の中には、キャットウォークの他にも、“通り穴” や “爪とぎポール” などの遊具から、ソッとしておいてほしいネコのために個室も完備。その上、魚が泳ぐ池まであるのだ。ちなみに、コーヘンさんのネコたちは魚を傷つけたりしないのでご安心を。
・匂いや抜け毛対策もバッチリ!
しかし気になるのは、“匂いと抜け毛” だ。「15匹もいるのだから、少しは匂ったりするんじゃ?」などと思ってしまうが、その点も抜かりはない。22個のネコトイレを家中に設置し、特別な換気扇を回しっぱなしにすることで匂い問題をクリア。さらに5台のルンバの活躍のおかげで、抜け毛問題もバッチリだ。
・「大問題は解決できなくても、ネコを救うことはできる」とコーヘンさん
さてコーヘンさんは、なぜここまでネコのために家の改装を続けるのだろうか? その理由を彼は、「僕には世界の大問題を解決することはできないけれど、ネコを救うことはできます」と語っている。また、「ネコの無償の愛に応えるため」でもあるのだとか。
コーヘンさんほどの規模で家を改装するのは難しくても、それぞれの家に合わせて工夫をすればネコも喜んで暮らしてくれるはずだ! 大事なネコちゃんを迷子や事故から守るためにも、ネコ飼いのみなさんも楽しみながらおウチを “改造” して、「完全室内飼い」を目指してみてはいかがだろうか?
参照元:YouTube、houzz、catster (英語)
執筆:小千谷サチ
▼ネコを飼っていなくても、大変魅力的な家だ!
▼らせん状の滑り台をく〜るくる 人間だってこんなのやってみたいぞ!
▼「サメのお口」の形をしている抜け穴