GIFアニメがどっさり117本
あらためてご説明しますと、
国際GIFアニメアワードというのはデイリーポータルZが主催するGIFアニメのコンテストです。GIFアニメというのは、要はデジタル版パラパラマンガのようなもの。その作品を全くノンジャンルで、とにかくできたら送って!というスタンスで募集しているのがこのコンテストです。
たくさんのエントリー作品のうちから、今年は117本が一次審査を突破しました。このページではそれらを一挙公開。そしてもちろん、最後には各賞の受賞作品も発表いたします。
ちなみに作品紹介中に突然出てくるセリフは、先日行われた公開審査会での審査員のコメントです。なお、データがちょっと重くなっておりますので、もしスマホで見てて重くて見られない方はパソコンで見てね。
イラスト系
まずはイラスト系。アニメーションと言ってもいろいろで、グリグリ動きまくるものから「絵が動く!」といった感じのものまでありますが、ここでは後者を集めました。ハイクオリティなイラストが揃ってますよ。
ざっくりした線ですが繊細さが出てます。横山「おしゃれ。昔のFMステーションみたいな」
(korotoro「ぱしゃん少女」)
露天風呂で洋食。イラストのうまさに反してシチュエーション設定が謎だ。
(miniyama「温泉でオムライス」)
後ろ手のフワフワした動きが可愛くて好きです。横山「このままJRのCMに使えますよ」川田「スイカですか(横山に向かって)」
(ミヤザワ カナ「アデリーペンギン」)
同じ方によるこちらもしっぽの振りが可愛い。川田「絵の質感に対して、鼻の湯気の感じだけリアルで印象的」
(ミヤザワ カナ「しろくま」)
こちらも同じ方ですが急に作風変わりました。これもサッカーボールの跳ね方がいいな-。この人の作品は後ろ方向の動きがすごくいいです。
(ミヤザワ カナ「少年」)
なんだか切ない。短編なのにしっかりとしたドラマを感じます。絵のタッチも繊細。
(appi「ばらばら」)
エントリーコメントでこの工具(コンプレッサー・ブレーカー)のすばらしさについてすごい力説されてました。
(よしのたまきち「工事中」)
逆にこういう「ちょっとしか動かさない」手法もありか。イラスト版のシネマグラフ的な発想。
(ぶんちょう「星」)
とここまでで、イラスト系は半分。次のページの「イラスト系2」に続きます。
イラスト系2
ここは前ページの「イラスト系」の続きです。内容の区別はなくて、ただ単に件数が多かったので分けました。ではどうぞ。
川田「髪がちょっと動いてるんですよね。割れた瞬間だから。」 天久「すごくいい絵。漫画も書いて欲しい」 横山「仕事来ますよ、絶対」 天久「無責任な発言!」
(kozue「ガムバクハツ」)
これ、あとから気づいたんですが下ネタです。
(山本正明「老化現象」)
無音にも関わらず歌が聞こえると評判でした。撒けコールなのか踏めコールなのかも議論の的に。
(山本正明「撒菱(まきびし)」)
首の動きが歌舞伎の見栄っぽい。短い繰り返しかと思いきや、3回目くらいで噛みに来ます。
(オータまる「亀と指」)
馬もいいけどウサギが可愛い。クルクル動いて気持ちがいいです。あと石川が審査会の台本で「うし」ってルビ打っててイベントを混乱に陥れたことをお詫び申し上げます。
(Urinoop「あばれ午」)
せっかくたこ焼きから出てきたのに、脱走しないでそのまま中に戻っていく、タコの覇気のなさが好きです。
(アニュウリズム「こんにちは、たこ焼き」)
らんま1/2オマージュです。個人的にすごく好き。キャラが変化すること自体よりも、変化後の女の子がめちゃくちゃ楽しそうなのでつい顔がほころんでしまう。
(アニュウリズム「オニ」)
短いし線も少ないのにすごい空気感。川田「長靴はいてますね」横山「エロいですね」
(風邪ぴ「ごろ」)
同じ方からもう一作品。短いのが良さの作品とわかっていつつももっと長いのが見てみたくなる、アンビバレントな気持ちです。川田「世界観ができてる」横山「絵がほんと上手いですよ」
(風邪ぴ「のび」)
みんなとにかく絵が上手い!そしてイラスト系だからといって決して動きがおざなりなわけではなくて、短いながらも魅力的な動作を見せる作品がたくさんありました。こういう秒単位の短いアニメーション作品は、画像と動画の中間といった感じでGIFならではの表現ですね。
街系
街系、という命名がいいのかどうかわかりませんが、街中の光景を切り取ったようなGIFを集めました。
よく見ると、避けてる方の列車は一生次の駅に着けないんですよ。不遇。横山「標識系はいいよね。ふだん見てるものがまさか、っていう驚きがある」
(えすふじ「通過待ち」)
イラスト版シネマグラフ。あえて手前に電線入れてるところがいいです。横山「京都感ある」林「UHFのCMみたい」
(スケラッコ「京都タワー」)
めちゃくちゃめでたい7階到着。横山「標識系ですね」福島「ゲームセンターっぽい」天久「7F、すごいフロアなんだろうね。なにがあるんだ」
(えすふじ「エレベーター」)
交代制かと思ってたけど一人でやってたんだ。天久「信号機ネタはあったけど新解釈ですね」
(マツモさん「信号機2」)
ページ頭の説明で「街中の光景を切り取ったような」っていかにも写実的であるかのようなことを書きましたが、集めてみたらトリッキーな作品ばかりでしたね。身近なものだからこそいじりたくなるんです。
モーショングラフィックス系
イラストとはちょっと違う、抽象度の高いグラフィックスを集めてみました。これがまた技巧派揃いですよ。
傑作!思いっきり派手にアッパーにキャッチーに人生を嘆きます。林「電車載って寝過ごしちゃって、戻る電車でまた寝過ごしちゃった時こういう気分になる」
(yokosima「なんやこの人生」)
岐阜出身者としてはこれは外せませんでした。没入感が気持ちいい!ズームした時にいなべ市が妙にフィーチャーされてるのが気になる。
(サカミチ「GIFU」)
シンプルながら128フレームの長編。天久「展開が多くて凝ってる」林「テレビの番組ロゴっぽいですね」
(ぶんちょう「まる」)
こちらはさらに148フレームと規定ギリギリの大作。林「1時間くらいの長編でずっと見たいですね」
(ぶんちょう「せん」)
幾何学的な絵なんですが、タイトルの「飛び散ったくせに」って人間臭いのが面白いなと思いました。横山「万華鏡ですね」
(千田瑞恵「飛び散ったくせに戻ってくる」)
よく見てると一日の暮らしの中のいろんなモチーフが出ては消えていきます。全部見つけたくて思わず何度も見てしまう。
(千田瑞恵「いちにち」)
これ、明らかにモーショングラフィックスじゃないけど、どのカテゴリに入れていいかわかんなかったのでここに入れてしまいました。林「こういうiPhoneアプリ欲しいです」
(mymy「ラーメンのスープと油と箸」)
こういうFLASHゲームありますよね。これもたくさん動きがあってついついずっと見てしまう。左のフラミンゴがいいな。
(ぶんちょう「球」)
「二本の線を加えて3D感を出すという手法をちょっと変えて輪っかの間を通すと3D感が強まるのではないかと思い試してみたところ、かなり3Dぽくなりましたので、ご報告を兼ねて応募致します。」(作者コメント) 報告系だ。ビフォー・アフターが比較できる作りは新機軸。
(元町二十四軒「3D効果」)
単に横スクロールじゃなくて、画面内ギリギリ見えるところで線が引かれていくのが面白いです。天久「報道ステーションのオープニングにしたい」
(サカミチ「TOKYO」)
ストーリーものみたいな頭で理解する作品と違い、視覚的におもしろいものが多く、思わず延々見続けてしまう作品ばかりでした。グリグリ動くのってやっぱり生理的に気持ちがいいですね。
思い出系
ここでは何かを記録したものだったり、記念っぽい内容の作品を集めてみました。くわえて、思い出をイラスト化したような作品も入れてます。
これを思い出と呼んでいいものかわかりませんが、制作期間2ヶ月の大作です。林「髪は逆回転なんだ」天久「禿げていってる」
(はと工房「黒く塗れ、GIFバージョン」)
ただ提灯が伸び縮みしてるだけなのになんでこんなにお調子者っぽくなるのか。
(えすふじ「提灯」)
困り顔が可愛い。僕は未だにSDカードでよくこれやってます。カセットの絵は全部元ネタがあるので当ててみよう。
(トマツ「ファミコンカセット フーフー」)
2月に降った大雪の日、かまくら作ったあとの思い出をGIFに。横山「大雪の時はクリエイターはみんな盛り上がりましたね。これはネタに使わない手はないと」
(かぷりはどこに?「ぶっこわし」)
花火大会、プール、海水浴など、夏休みの数ある思い出の中からよりによってこれをフィーチャー。横山「心の闇が出ましたね」林「足が1本取れてますからね」横山「でも笑ってるんですよ」
(uncycloNana-shi「僕の夏休み」)
一昨年の日食の定点撮影をGIFに。曇り空ながらバッチリ見えてます。天久「こうやって思い出を残すのはいいですよね。」
(鈴木 幹雄「あの感動をもう一度」)
おもしろペット映像なのですが、インコの色が綺麗なので妙にヴィヴィッドでかっこいい作品に。一瞬見えるしっぽの緑がチャームポイントです。
(たなこ「コップに入りたいインコ」)
おじさんの頭を駆け抜けるインコの姿をスローモーションで感動的に演出。天久「このゆっくりいいねえ」川田「なかったよね」横山「すごい綺麗に飛んでますね-。」
(たなこ「インコとオジサン」)
「デザイン買いしたのですが、ポチ袋だと知って感心した気持ちを表しました。」(作者コメント) 自作の袋かと思いきや「買ったら面白かったのでGIFにしました」という素朴さがたまりませんでした。
(田中ぺろ「仮面舞踏会」)
キャラ系
こちらもイラスト系作品ですが、特にキャラが立ってる作品を集めてみました。
モーショングラフィックス系のところでいろいろ凝った作品を紹介した方なのですが、中に1本だけ急にこれが混じってました。横山「どうしたのこれ!」 川田「何があったんでしょう」
(千田瑞恵「こんにちは、やさいかまぼこです。」)
くるりのPVにこういうのがあるらしいです。見てると遠近感おかしくなってくる。
(いりこ「小面/くるり-ロックンロール」)
問題作、いくゾ~くんシリーズです。完全に悩みのなさそうなキャラクターながら、エントリーコメントが異常に長いのが審査会ではウケてました。以下8作まとめてどうぞ。
(ショウタロー「でるよー」)
(ショウタロー「どーぞー」)
全部長いのですがこれがコメント最長。「お茶目なキャラ「いくゾ~くん」シリーズより。トンボに対抗する常套手段、“ぐるぐる”。いくゾ~くんがやると自分の顔まで回ってしまいました。さすがのトンボもこれにはノックアウト。いくゾ~くんも倒れそうになりますが、巻き戻しのように体勢を立て直します(笑)。腕のコマ数を多めにとり、なめらかな動きにしました。また、顔の回転時に残像を入れる工夫をしました。」 司会者が読み上げてる間ずっと繰り返し見せられるので、嫌でもじわじわきます。
(ショウタロー「トンボぐるぐる」)
(ショウタロー「体操日本床“ゴロゴロ”代表」)
(ショウタロー「もちつき」)
(ショウタロー「やきもち」)
(ショウタロー「“かえるよ~”」)
(ショウタロー「“去るよー”」)
集めてみたら謎なキャラばかりになってしまいました。本コンテストは1MBの容量制限があるため、表現できるシーンも少なく、キャラクターはどうしても謎めいた感じになってしまいます。でもそれがいいんです。謎、大歓迎。
じわじわくる系
瞬発力はないけど見てるとだんだんじわじわくる、あるいは見てるとじわじわ脳が溶けていくという解釈でもいいかもしれません。そんな作品を集めました。
ホッキョクウサギについてはこちらを。おもしろい!と思った次の瞬間にGIFにしてしまう瞬発力系の作品。
(さくふわめろんぱん「ほっきょくうさぎ」)
最後に一斉に出てくる前にモニタがゴソゴソゴソってするのが細かいです。林「下から出てくる時だけ手がついてるのが可愛い」
(kani「飛び出すネコ」)
クマが気を失うシーンからスタートする衝撃作。横山「最後だけYes!」川田「肯定なのがいいよね」
(kani「魂が抜けたクマ」)
連作です。このダンスだけでもずっと見てるとじわじわ来るものがありますが…
(kani「よくあるダンス」)
たたみかけるようにこれです。 天久「アハハハハ!これいいねー」 横山「くだらねー!」 審査員全員がいたく気に入り、公開審査会では休憩時間中ずっとこれ流してました。
(kani「よくあるダンス(スローモーション)」)
川田「好きですこれ」 天久「こういう、コメント全然できないけど面白いシリーズがあるね」 もうこのカテゴリ全部そうです。
(すっくん「なんちゃってインタラクティブ」)
「バナナのおじさんが、バカンスを楽しんでいるところです。」(作者コメント) 独自すぎるバカンスの解釈。そしてネコの不機嫌そうな顔!
(川くだり「バナナおじさん」)
すごく便利さの薄い大発明、登場。提案系?提唱系?GIFという新ジャンルかも知れない。
(mymy「全自動爪研ぎ機」)
もう、ちょっと状況もよくわかんないんですけど楽しそうで何よりです。あとコンセント抜けそう。
(ハヤシ「ドライヤー」)
「むいたりんごの皮で無重力ごっこをする様子です」(作者コメント) 無重力ごっこというかこれもはや無重力ではないのか。
(田中まっくす「ゼログラビティー」)
「ずっと寝ているわたしです」(作者コメント) 起きて!これ見てるとなぜか寿司が食べたくなってくるのは僕だけでしょうか。
(田中まっくす「24時間の常時」)
これで「変化」って言っていいの!?忍術ってそんな感じなの!?
(おしり忍者「忍法しり変化」)
もはや本コンテストの醍醐味と言っても過言ではないこの手のジャンル。今年もたっぷり豊作となり、運営サイドとしても嬉しかったです。次ページではさらに混迷を極める「要回答系」のご紹介です。
要回答系
要回答系、つまり「どういうことかわからないので教えて欲しい」系のことです。謎めいた作品を全部突っ込みました。混乱をお楽しみください。
1枚のGIFにダジャレを3つも取り入れた意欲作(?)。 天久「スルメってああいう謝り方なんだ」
(サカミチ「ゴメンナサイ」)
「おもちが何かたりないことに気付き怒ってふくらんだ結果、みかんがあったのでよかったという話です。」(作者コメント) みかんの出所の解釈で揉めました。僕は膨らんだ部分にたまたまみかんがくっついてきた派。
(うほうほ「たりないもの」)
みかんネタが続きます。なぜみかんになったのか、なぜ上空に飛んでいったのか等説明が一切なく、まさに【要回答】といった感じです。
(海老雲呑麺「みかん食べる」)
「にくが滝に打たれるさまをアニメにしました」(作者コメント) うん、それはタイトルを見ればわかるんだ。それよりももっと知りたいことが。
(もすこ「にく滝」)
「人間のあくなき食への好奇心と欲望という哲学的なテーマを「山が生えて山を食す」というシンプルかつ象徴的なくりかえしの中に表現しました。つもりです。」(作者コメント) きちんと説明されていてもわからないことがあるのだな、と人間の限界を感じました。
(knttt「わりと うまい」)
昨年のゴールデンキャノン賞受賞者です。 林「ペンギンズバーみたい」 天久「どこからもオファーがないのにCMっぽい」 横山「一回ペンギンにカメラがガッて寄るのが玄人っぽい」
(マギ子。「るんるん☆パンチ」)
「もちもちした「すわり心地」を表現したかったので、浮かせてみました。」(作者コメント) 川田「小遊三なのか行楽なのか楽太郎なのかという問題もありますね」
(cony199「空飛ぶ座布団」)
どういうことだか教えて欲しい要回答系、しかし要回答系は意味がわからないところが良さでもあるので、実際のところ回答は要らないのです。「意味がわからない」と言わせるほどの魅力、というのがこの世にはあるのです。
ストーリー系
さあ足場のグラグラした作品ばかり見てだいぶ不安も募ってきたところで、わかりやすいストーリーものの登場です。
ベルトとマフラーだけが付く、控えめな変身シーンです。横山「ベルトのシーンだけカラーなのがかっこいい」
(るるこ「仮面ライダーごっこ」)
海に浮かぶラッコの親子、かと思いきや衝撃の結末。横山「ハンコっぽい」天久「タヌキの目からの視点に一瞬なるのが凝ってる」
(星野 孝司「ウミユカバ」)
全部手書き&けっこう雑なのがこのコンテストっぽくてすごくいいです。川田「転ぶ時、頭の断片がピンの横に残ってますよね。皮が」
(monerado-b「マップサイトのバイト」)
似た作風ですが別の方。 天久「犬つれてやってきて…って一個段取りが多いのが。伏線っぽい」 「プロじゃ出ない間があるよね」
(デカモンド「裏切り」)
長編です。天久「懐かしいタッチですね」「オチのあとが長いからオチっぽく見えない」 天久さんがもう突っ込みたくてしょうがないといった感じでした。
(よしのたまきち「無銭飲食」)
最後に藁人形がこっち見てるのがいいですね。 林「牛が急に出てきた」 石川「丑の刻参りだからですよ」
(gif_御伽草子「丑の刻参り」)
この画面のザラザラした感じ、雰囲気あってすごく好きです。こういうちゃんとしたアニメーションは容量制限との戦いなのですが(応募規程で1MB以内なんです)、「おわり」の文字が上から降りてくるあたりとかその中でしっかり凝ってる。
(高橋直博「ポポイの小さな物語」)
朗らかな007っぽい。天久「角が綺麗に残ってるところがいい仕事」
(ダ・ヴィンチ・恐山「わくわくくん」)
先にも触れましたが本コンテストは1MBの容量制限があり、詰め込める内容はかなり少ないのですが、それでもちゃんと起承転結を完成させているのはすごい。そこには制作者しかわからない戦いがあるのです。
社会派・時事ネタ系
言われてみれば時事ネタの少ない本コンテスト、それでもこんな社会派作品がありました。
募集期間中に冬季五輪があったので、ウィンタースポーツネタは多かったです。 横山「夕焼けになると急に切ない感じですね」 林「マジックアワー」
(ミツマチヨシコ「トリプルアクセルのようなもの。」)
こちらもオリンピックネタ。 横山「羽生くんの感じは出てるねー」
(トマツ「金メダルおめでとう!」)
風刺でました。 横山「ひとりくらいはこういうの来るかと思いましたね」林「時事GIFっていうのはいいね」天久「ジジジフ」
(トマツ「きこえてた」)
ライターのヨシダプロより。 「僕も今からソチをめざしたいと思います。」(作者コメント) 林「もうソチ終わってますよ」
(ヨシダプロ「めざせソチ!」)
全体的にダジャレです。最後のは… 林「テレマークね!」 川田「最初ブラー(ぼかし)かかってるのが細かい」
(東雲刹那「スシージャンプ」)
社会(?)への問題意識をストレートに表現した結果、この作品自体が問題作です。あとよく考えたらファックで性病ってそのままですね。
(RYOCK「FUCK性病」)
続いて同じ作者の、放射線とわかめ漁をテーマにした作品。天久「全体に問題意識が高いですね」
(RYOCK「海藻の悲劇」)
やはりオリンピック強し。しかし時事ネタが、まさに作品募集期間の1ヶ月のあいだの時事ばっかりだったのは、このコンテスト全体に漂う行き当たりばったり感をよく表していた気がします。
妄想系
現実にはあり得ないことをGIF上で表現する妄想系。去年までは「特撮系」と呼んでた気がしますが、かっこよすぎた気がするるので妄想と呼ぶことにしました。ではどうぞ。
よく見ると最後、花の真ん中に目?みたいなのが開いて怖い。
(金岡亮「指からピース」)
サンダル履きで完全にコンビニ行くスタイルなのがいいですね。このハト。
(えすふじ「オートロック」)
天久「ARじゃん」川田「ARですね。びっくりした!でiPhone落としちゃったってことですよね」
(おるつ「「なに見てんだよ」」)
シチュエーションは全然わからないけどめでたさだけは伝わってくる作品。全員完全に無表情なのがいい。
(本塁MAX「人間ルーレット」)
空也上人のまえにこの人のキャラが濃い!針金の端を手に持ってるところが見えてるこの隙のある感じ、好きです。
(コジママンとおれ「メタル空也上人」)
これみんな思ってたけど言っちゃいけないことの類じゃないでしょうか。横山「これ見て急にトラウマになる人いますよ」
(吉本 紘「昔から似てると思っていました」)
ピタゴラスイッチにこういうコーナーあるぞ! 天久「すごい昭和の質感。色あせ感が」 林「この子いま高校生ですっていわれたら信じますよ」 GIFにするために減色するとこういう色になるんですよね。
(鈴木 幹雄「ハンドパワー」)
フル3DCGだそうです。人もよくできてますが地球の雲の動きとかすごい。そしてなぜ水着なのか。
(ハヤシ ショージ「月の誕生日」)
拙作「醤油かけ過ぎ機」に影響を受けての作品だそうで、大変光栄です。横山「これ食べたら死にますからね」
(yukimix「しょうゆをどばどば」)
動画より制作コストの低いGIFは、このジャンルにはまさにうってつけ。今後もみなさまの妄想をバンバンぶつけてほしいと思います。
ミニ系
タイトル通り、小さい作品を集めました。その作品点数なんと2点!ページ丸ごとミニです。
お盆!横にたくさん並べたくなる画像です。
(寺田「なすだって歩きたい」)
本読みながらにしてはめちゃくちゃ速く走ってます。横山「小さくて可愛い」天久「何のタイヤなんでしょうねこれ」
(いお太「読書」)
作品の小ささに引っ張られてコメントまで読みにくいページになっちゃってすみません。ミニ系はここ数年のGIFブーム以前、90年代や2000年代前半を思い出させてくれてちょっと懐かしい感じがしますね!
クラフト系
CGではなく、現実の材料を使って表現した作品を集めました。
「手順系という新ジャンル」「後ろにいるネコが一瞬だけ顔を出す」「バレリーナどうやって固定してるんだろう?」と、審査員間でもコメントの多かった作品。
(三宅デザイン「踊る紙ナプキン」)
ここから7本は同一作者によるシリーズ。モーショングラフィックスぽい図柄なのですが、実際の紙を切って使うことで、独特の質感を出しています。
(5050esper「反射」)
(5050esper「上がる床」)
(5050esper「切り取り」)
天久「Eテレから仕事が来ますよ」
(5050esper「垂直落下」)
(5050esper「正三角形」)
(5050esper「畳の穴」)
林「タイトルまでかっこいいですよ」
(5050esper「非存在」)
おなかで動いてる歯車が気になる作品。切り絵はそれだけで雰囲気が出ますね。天久「歯車の中がもうちょっと見たかった」
(ミツマチヨシコ「オートマタ2」)
続いてはこちらも味。消しゴムハンコです。林「フラッシュの表現が上手い」
(マツモさん「インスタントカメラ」)
単にPC上で描くのではなく、いったん現実世界に持ち出すことで格段にいい味わいが出ますね。コマ撮りを使えば撮影も簡単なので、ぜひ今後伸びていって欲しいジャンルです。
恐縮系
恐縮系。誰が恐縮するかというと、僕がです。3年前に半分冗談で始めた本コンテスト、あまりにクオリティの高い作品が来てしまうと、嬉しいと同時に「なんかすみません…」という気持ちに。ここではそんな「なんかすみません…」を集めております。
まずはこちらの方から5作品。続けてごらんいただきましょう。
(Hama-House「RUN」)
横山「広告にすぐ使えそうですね」林「悪夢」
(Hama-House「永遠の夢」)
(Hama-House「理想と現実」)
(Hama-House「本当の世界」)
天久「これすごく可愛いですね。完成されてる」川田「動きがネコっぽい」
(Hama-House「人助け」)
そして、昨年の6月から準備してくれていたというこちらの6本。もう「ありがとうございます」としか言いようがない。
(ダイノ サトウ「性的な魚 1 - 生臭いカクテル」)
(ダイノ サトウ「性的な魚 2 - 終わりなき営み」)
林「シャンデリアがやらしい」横山「グラデーションが綺麗ですね」林「アGIFなのに全然ドットが出てない」
(ダイノ サトウ「性的な魚 3 - 強めな刺激」)
(ダイノ サトウ「性的な魚 4 - 一種の作業」)
(ダイノ サトウ「性的な魚 5 - 欠如したモラル」)
川田「なるほどー」天久「さいご目がトローンとするのがいい」
(ダイノ サトウ「性的な魚 6 - 自主トレ」)
こちらはなんと3DSのソフト「うごくメモ帳3DS」で作ったとのこと。すごい。ソフトの色数制限のせいですが昔のPC88のゲームみたいで、レトロ感もいい。
(じゅんじゅん「帽子のキャッチボール」)
いやーもうホント僕たちなんかにお付き合いいただきして、どうもすみません。これからも見限らないでいていただけますと幸いです。
賞の行方は
そしていよいよ、各賞の受賞作品の発表です!
今年は賞の数が大幅に増えて、なんと11本。各賞はネット上で開催されたオンライン投票と、3/15に行われた公開審査会で、この記事に載ってる全作品を上映しながら決定されました。
公開審査会の様子。左二人が司会の石川と福島さん、そして続いて審査員4人。カルカル店長の横山さん、デイリーポータルZウェブマスターの林、天久聖一さん、AR三兄弟の川田さん、その横が特別審査員の爲房さん(後述)
Google+評判賞
こちらは
Google+コミュニティ上で行ったオンライン投票の結果、決まった賞です。
ハヤシ ショージ「月の誕生日」
Tumblr評判賞
こちらは
Tumblr上で行ったオンライン投票の結果、決まった賞です。
じゅんじゅん「帽子のキャッチボール」
えすふじ「通過待ち」
ミツマチヨシコ「オートマタ2」
会場投票賞
これは公開審査会の会場で、お客さんの投票で決めた賞です。
yokosima「なんやこの人生」
カステラ1番審査は2番賞
これは特別審査員である、チームかぶと虫の「カステラ1番審査は2番」というデバイスが選出した賞です。
これです
左にいるのがオペレーター(?)の爲房さん。彼がおもしろいGIFを見て吹き出すと、機械から鈴カステラが発射されます。その量で競う賞です(
デバイスについてはこちら)。もっとも多くの鈴カステラが発射されたのは、こちらの作品。
ショウタロー「トンボぐるぐる」
審査員賞・天久聖一賞
そして審査員賞は、各審査員が自分の好きな作品を選びました。
ダイノ サトウ/性的な魚シリーズ
天久さんコメント:
これ本当に素晴らしくて、コンテストの方向性的にガチになりすぎるかもというところもあって審査員賞にさせてもらいましたが、個人的には大賞でももよかったくらい。労力といいセンスといい、こういうのもっと見たいなと思いました。
審査員賞・川田十夢賞
5050esper「切り取り」
川田さんコメント:
実際の紙を使って、現実にあるピンと図柄が相互作用しあってる感じが拡張現実っぽいなと思って選びました。すごくよかったです。
審査員賞・林雄司賞
山本正明「撒菱(まきびし)」
林さんコメント:
歌が聞こえる。あと忍者もまきびし撒くときこういう風にはいわないですよね。それがおかしかった。2コマに見えて実は何コマもあるのも細かい。
審査員賞・横山シンスケ賞
三宅デザイン「踊る紙ナプキン」
横山さんコメント:
あまりにも感動しました。文句つけようもないですね。とてもクオリティが高かったので。
審査員特別賞
これは実は予定にはなかった賞なのですが、この作品を埋もれさせるにはあまりに惜しいということで、急遽設定されました。
たなこ「インコとオジサン」
審査員よりコメント:
この作品は全部100点なんです。後半だけスローになるところとか技も細かい。あやうく大賞を取りそうになりましたよ。ギリギリで我に返りました。
ゴールデン・キャノン賞
そして、栄えある大賞がこちらのゴールデンキャノン賞。その栄誉に輝いた作品は、こちらです。
kani「よくあるダンス」
kani「よくあるダンス(スローモーション)」
審査員よりコメント:
技術とか絵のうまさとか抜きで、ネタだけでここまでインパクトのあるものを出してきたというのがすごい。国際GIFアニメアワードとしては門戸の広いコンテストを目指していて、技術がない人でも勝負できるんだ、という方向性を打ち出していく上でも、この作品はゴールデンキャノン賞にぴったりでした。審査員一同、一目でみんな大好きになって、審査会でも休憩時間にはずっとこの作品を流していました。
各賞のみなさん、おめでとうございます!
来年もよろしくね
年々応募作品のレベルが上がっていく国際GIFアニメアワード。今年は恐縮系なんてジャンルもできてしまいましたが、来年以降も恐縮する準備はできています。どんどんレベルの高い作品、お待ちしております。
一方で、今年のゴールデンキャノン賞みたいな、技術以外のところで勝負する作品も拾っていきたい、というのが本コンテストです。(というかむしろそっちに評価が甘い傾向がある!)。なのでまだGIFを一度も作ったことがないような方も、次回はぜひぜひご参加ください。
というわけで2014年の国際GIFアニメアワードは、この記事の公開をもちましてすべて終了です。関わってくれたみなさま、どうもありがとうございました。
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ではまた来年!