2011年に地上アナログ放送が停波するため、テレビキャプチャー関連製品の人気は自作市場において下火になっている。著作権保護規格の問題で、16セグメントの地上デジタル放送対応チューナーが単品で登場する見込みも現在のところ皆無だ。そこで注目を集めているのがワンセグ対応チューナー。初のUSBワンセグチューナーである「Dialive」は9月に秋葉原のショップで少数が出回り、即日完売するほどの反響があった。
今回紹介するバッファローのワンセグチューナー「ちょいテレ DH-ONE/U2」もUSBスティック型となる。再生のみの対応だった「Dialive」とは異なり、EPGによる予約録画も可能とあって、発売前から関心を寄せるユーザーは多い。
ちょいテレはバッファローのテレビキャプチャー製品ブランド「P-Cast」で初めてデジタル放送に対応したモデルだ。ロッドアンテナ付きの本体は、突起部を除いて18(幅)×59(奥行き)×13ミリ(高さ)と、USBメモリ並みに小さく、ノートPCに挿して使うにもじゃまにならない。ケーブル長3メートルの高感度アンテナも付属しており、モバイルPCだけでなく、室内据え置きのデスクトップPCにも導入できるのがポイントだ。
ワンセグの視聴に「PCastTV for ワンセグ」を搭載。「PCastTV」の名前が付いているが、従来のアナログ放送向けソフトとは大きくインタフェースが異なり、まったく新しいソフトという印象が強い。ソニーや富士通のワンセグ視聴ソフトのように、TV画面の脇に視聴できるチャンネルの一覧と、番組情報が表示される。
ちょいテレの魅力である録画機能を見ていこう。再生中の番組は視聴ソフトの録画ボタンを押せば、HDDに保存できる。予約録画はワンセグの放送電波から番組表を取得する「ワンセグEPG」と、インターネット上のサイトを利用する「iEPG」に両対応する。据え置きで使うなら、通信が安定しているiEPGを常用し、モバイル時はワンセグの受信環境に呼応して使えるワンセグEPGを利用するといった使い分けが可能だ。
なお、録画データはUSBメモリやDVDに書き出すことはできず、接続したPCでのみ視聴できる。モバイルで使うさいは、容量が少ないノートPCのHDDに保存することになるが、1時間の録画で約200Mバイトに収まるため、よほどヘビーに使わないかぎり容量不足を感じる機会はないだろう。CDやDVDへの書き出しはできないので、保存版を録り溜める使い方よりも、移動中や待ち時間に観る番組を一時的に保存しておく利用法に向いている。
もう1つ注目しておきたいのは、字幕を別枠で表示できる機能だ。現在のワンセグ放送は、地上アナログ放送のサイマル放送となっているが、320×180ドットの低解像度で洋画などを視聴する場合、字幕が小さくなって読み取れない問題が起こる。ちょいテレなら、字幕をテキストデータとして取得するため、適度な大きさで表示できるわけだ。実際の試用では、バラエティやニュース番組では対応にばらつきがあったものの、ドラマやアニメの多くがきちんと字幕を表示した。
ちなみにデータ放送と緊急警告放送が流れたさいの受信機の自動起動機能には対応していない。もっとも、ケータイ電話やノートPCに標準搭載されるワンセグチューナーでも対応していないので、特に不都合は感じないだろう。
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