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母乳強制、DV擁護、中絶禁止…安倍内閣・女性閣僚の「反女性」発言集

「いまや「DV」といえばすべてが正当化される。DV=被害者=救済とインプットされて、それに少しでも疑いを挟むようなものは、無慈悲で人権感覚に乏しい人非人といわんばかりである。まさに、そこのけそこのけDV様のお通りだ、お犬さまのごとしである」「DVという言葉が不当に独り歩きすれば、家族の崩壊を招きかねない」(「別冊正論」第7号/07年)

 さらに、稲田は 以下の理由で“尊属殺人規定を復活せよ!”という主張もしている。

「家族を特別視しない価値観が蔓延すれば、地域共同体、ひいては国家というものも軽んじるようになってしまいます。帰属意識というものが欠如して、バラバラの、自分勝手な個人だけが存在するようになるでしょう」(ケイアンドケイプレス「月刊日本」08年3月号)

 どうやら稲田は、家族の絆というよりも家父長制度の復活を願っているかのようだが、それもそのはず。稲田は父権思想の統一教会との関係も取り沙汰されており、統一教会の“偽装組織”である世界平和女性連合の集会にも参加している。この世界平和女性連合は、正体を隠して小中学校などで性教育の講師をつとめ、統一教会の“純潔教育”を布教したり、「つながりをつけた教師や父母を講演会に誘い、入信や霊感商法に誘導」(「しんぶん赤旗」08年5月5日号)したりしている組織だという。まさに主張も人脈もカルトだらけということだろうか。

 ちなみに、稲田は徴兵制にもご執心だ。「正論」11年3月号に掲載された元空将・佐藤守との対談では、「日本独自の核保有を、単なる議論や精神論ではなく国家戦略として検討すべき」と主張。徴兵制にも高い関心を示し、対談相手の佐藤が現状では必要ないと言っているにもかかわらず、「教育体験のような形で、若者全員に一度は自衛隊に触れてもらう制度はどうですか」と提案し、「「草食系」といわれる今の男子たちも背筋がビシッとするかもしれませんね」と締めくくっている。

「女性の活用」を謳い文句に登用された、この女性閣僚たちの過去の発言を改めてふりかえってみたが、出てきたのは驚愕の発言だらけ。もし、彼女たちが主張していることが実現したら、日本はおそらくとんでもないことになってしまうだろう。徴兵制に姦通罪、女性からの離婚申し立て禁止、尊属殺人罪の復活に保育園の廃止、母乳強制法。そして、シングルマザーやシングルファザーなどの“片親”は差別され、学校では「父親のいうことは絶対」「結婚まで処女を貫け」という教育が施される……。もちろん閣僚になればさすがにここまでのことを言い出さないだろうから、これらがほんとうに実現する可能性は低い。だが、少なくとも、彼女たちが女性にとって子育てしやすい、働きやすい、そして人間らしい権利が守られた社会をつくる方向に向いていないのはたしかだ。

 安倍首相は言った。「「全ての女性が輝く社会」を創らねばならないと、このように考えております」と。だが、この人選を見る限り、輝けるのはごく一部の裕福な家庭の専業主婦とその子どもだけなのではないだろうか。
(水井多賀子)

最終更新:2014.09.08 08:41

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