相鉄線と東急東横線・目黒線を結び、神奈川県央部や横浜市西部から東京都心へのアクセスが大きく向上すると期待される新線「相鉄・東急直通線」。2019年4月の開業を目指し、途中駅となる新横浜付近では工事が本格化してきた。
同線とともに「神奈川東部方面線」を構成する「相鉄・JR直通線」も2018年度内の開業に向けて工事が進む。ヨコハマの電車のイメージが強かった相鉄が東京の中心部へ──。神奈川と東京を結ぶ新たな動脈は、次第にその姿を現しつつある。
相鉄とJR・東急直結で「速達性向上」
「相鉄・東急直通線」は、相鉄本線の西谷駅(横浜市保土ヶ谷区)とJR東海道貨物線をつなぐ約2.7kmの新線「相鉄・JR直通線」に設けられる羽沢駅(仮称、同市神奈川区)を起点に、東急東横線・目黒線の日吉駅(同市港北区)まで約10km(9980m)を結ぶ路線だ。
日吉駅への接続部分など一部を除く8980mは地下線で、途中にはJR新横浜駅付近(同区)に「新横浜駅」、東急東横線綱島駅(同区)付近に「新綱島駅」(駅名はいずれも仮称)の2駅を設置する。
相鉄線から他線に乗り入れて東京都心とを結ぶ連絡線は、2000年の運輸政策審議会答申第18号で相鉄線二俣川駅(横浜市旭区)─新横浜─東急東横線大倉山駅(港北区)間の「神奈川東部方面線(仮称)」が「2015年までに開業することが適当」と位置付けられた。
その後、既存施設を活用して都市鉄道の利便性を高める整備手法を定めた制度「都市鉄道等利便増進法」が05年に施行。相鉄線から他社線に乗り入れる連絡線として相鉄・JR直通線が06年、相鉄・東急直通線が07年に、同制度に基づき既存の路線を結ぶ新線を整備する「速達性向上計画」の認定を受けた。今のところ、速達性向上計画の対象事業となっているのは全国でこの2路線だけだ。