【CEATEC JAPAN 2011】
KDDI、振動で音を伝える「新聴覚スマートフォン」

スピーカー部分に振動モジュールがある

　KDDIブースでは、「新聴覚スマートフォン」の名称で“振動で音を伝える”技術が参考出品されていた。

　「新聴覚スマートフォン」は、通常スピーカーがある受話口に振動するモジュールとアンプを搭載し、振動で話者の声が伝わるというもの。京セラとKDDIが共同開発中の技術で、例えば、イヤホンで音楽を聴いているときに着信があると、イヤホンを外すことなく音楽を聴いたまま、話者の声が聞こえる。振動がイヤホンを通じて音に変換される。大型のヘッドホンをしている場合でもヘッドホンに受話口を当てると、ヘッドホンのボディが振動して話者の声が聞こえる。イヤホンなどを装着していない場合は、耳への振動が音に変換されて鼓膜に伝わる。

　骨伝導のように通常通話とは異なる位置に受話口を近づけるのではなく、耳に当てるだけで音が聞こえる。また、スピーカーのように音穴が必要ないため防水端末が開発しやすくなるとしている。デバイス自体はすでに小型化を実現しており、スピーカーがない分だけ端末の小型化に貢献するほか、省電力化も実現するとしている。

　説明スタッフによれば、アンプの構造が従来と異なるため、その点が現在の課題だという。商用化時期は2012年度で、端末価格に影響しない形で商用導入していく予定と話していた。

　このほか、「新感覚スマートフォン」として、ディスプレイパネルが振動し、押下感に似た感覚が得られる技術が紹介されていた。京セラとKDDIが共同開発中の技術となり、デバイスとしては京セラのHaptic技術を採用したもの。「WIRELESS JAPAN 2011」で展示されており、今回、体験できるアプリの数が増えた。

イヤホンで音楽を聴きながら声が聞くデモが体験できる	概要
新感覚スマートフォン	新感覚スマートフォンの体験コーナーは開場まもなく行列ができていた