10月の中国貿易統計、輸出・輸入ともに伸び鈍化
[北京 8日 ロイター] - 中国税関当局が発表した10月の中国貿易統計は、輸出・輸入ともに伸びが鈍化した。
輸出は前年比11.6%増加し、9月の15.3%増から鈍化した。ただ、市場予想(10.6%増)は上回った。
輸入は前年比4.6%増となり、9月の7%増から鈍化し、予想(5.5%増)を下回った。
貿易収支は454億ドルの黒字となり、過去最高に迫った。
当局は、今後2─3カ月、輸出の伸び鈍化が予想される、と明らかにした。
Hwabao Trustのエコノミスト、Nie Wen氏は「輸出の先行きは不透明で、輸入の軟調は内需低迷を示している。経済は引き続き比較的大きな下方圧力にさらされている」と指摘し「中銀は今後も的をしぼった緩和策を行うだろう」との見方を示した。
輸出の内訳では、米国向けが前年比10.9%増となり、伸びは9月とほぼ同水準。欧州向けは4.1%増と、9月の14.9%増から大幅に鈍化した。日本向けは8.1%減。前月は5.3%減だった。
輸出代金に見せかけて、本土に投機資金を持ち込む「水増し貿易」が行われやすいとされる香港向け輸出は24%増と前月の34%増からは鈍化した。
商務省は、2015年には海外環境が若干改善する見通しだが、不透明感は残るとし「外需の大幅な回復は見込めない」との見方を示した。
政府は今年の貿易の伸び目標を7.5%に設定しているが、1─10月の貿易の伸びが前年比3.8%増にとどまったことから、今年も3年連続で目標を達成できない見通し。
2013年の政府目標は8%増、2012年は10%増だったが、ともに達成できなかった。
*内容を追加して再送します。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」