増える「20代マイペース処女」が焦らない理由
「若い女性が肉食化している」だとか「いや、20代女性も男と同じように草食化している」だとか、20代女性のSEX観について、さまざまな説が飛び交っているが、実際のところはどうなのか? 100人アンケートと街頭インタビューで、20代女子のリアルSEXライフを探ってみた。
全国の20代女性100人にインターネットでアンケートを取ったところ、「今までのSEX経験人数」で一番多かったのは「1~5人」で43%。でもビックリしたのは、2番目に多かったのが「0人」の28%だったことだ。
0人。つまり処女。20代は3割も処女がいるのだろうか?
ほかの調査を調べてみると、2010年の第14回出生動向調査でも、「性交経験なし」の女性は20~24歳=40.1%、25~29歳=29.3%もいる。ちなみに30~34歳も23.8%(18~49歳の男女、有効回答1万581人/国立社会保障・人口問題研究所)。
どうも、「20代の処女率は3割台」というのは、本当らしいのだ。ヤラハタ(やらずのハタチ)なんて全然オッケーだったのね!
では、処女のみなさまはどんな心境なのか、取材してみた。
29歳で処女の宮内玲奈さん(仮名)は、「30歳までになんとか処女を捨てたい」と、“貫通”のために出張ホストを呼び寄せたという。
「処女を捨てようと覚悟を決めたんですが、やっぱり怖くて前戯の段階で断念。友達には経験済みのキャラを偽っているので、レディースコミック知識でなんとかHトークを凌いでいる状態です」
だが、このように悪戦苦闘する女子はむしろ少数派だ。特に20代の前半には「処女でも恥ずかしくない」「彼氏がいなくても平気」という雰囲気があり、“処女=早く捨てたい”という風潮は、もはや一昔前の概念になってしまっているといってもいい。今や大半の“オーバー25歳処女”は「なぜ焦るのかわからない」と自然体で言い放っている。
「他人は他人、私は私」と、あくまでも自分ルールを貫き続けるのは、25歳で処女の前沢由利さん(仮名)。
「好きになってHをしても、どうせいつかは別れる。そんな先のない関係を持つよりも、自分の時間を大事にしたいんです」。生まれてこのかた25年間彼氏なし。告白をされても、「興味が持てない」とバッサリと切り捨ててきたという。
「SEXというか、そもそも他人に興味がないんだと思います。女友達が『昨日彼氏とHしちゃった』とか、恋愛やH話で盛り上がっていても、『なんでそこまで他人に一生懸命になれるんだろう』って不思議でしょうがない。喧嘩したり、別れたり一喜一憂して自分の時間を取られるほうが苦痛です」
冷静というか淡泊というか……。
25歳・処女という事実も、彼女の中では別段、気に留めるほどのことでもないらしい。「いつか気が変わったら、一回くらいやってみてもいいですけどね。自分の“経験”のために」と語る。果たして、その“いつか”が訪れる日は来るのか。
増殖するマイペース処女の中にはこんな意見も。
「そもそも友達同士で『誰がやった、やらない』っていう話題自体があまり出てこない。気にもならないし、聞いたところでどんな反応をすればいいかわかりません」(26歳・処女 保育士)
彼女はこれまで2人の男性と付き合うも、SEXに到達する前に破局。特に危機感も持たず、「やリたくなったらやればいい」のだとか。
「友達と恋愛ネタや彼氏の愚痴では盛り上がっても、そこまで下ネタは話さない。免疫がないというのもありますが、みんな“処女ネタ”自体に興味がないんだと思います。『だから何?』っていう感じで」
経験人数がプライドやコンプレックスの原因になっていた時代は遠い過去。ナンバーワンではなく、“オンリーワン”の多様性を重視した時代の波が、20代女子のSEX事情にも影響を与えているのか。
<PHOTO/Cowardlion>
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