有料ソーシャルネットワーキングサービスを展開するApp.netは米国時間2月25日、現行ユーザーの契約更新時期が迫るなかでユーザー数を増加させるための前向きな策として、無償アカウントの提供を開始した。
Dropboxをモデルにしたこの無償アカウントでは、現行のApp.net会員から招待されたユーザーが同ソーシャルサイトを無期限で使用できるものの、フォローできるユーザーの数や、アップロードできるファイルの数に制限が設けられている。
App.netの創設者であるDalton Caldwell氏によると、フリーミアムモデルを採用した今回のアカウント提供は、同サービスをオープンかつアクセスしやすいものにし、追加機能にお金を支払ってもよいと思ってもらうことを目的としているという。
Kickstarter形式のクラウドファンディングにより約1万人の支持者から資金を集めた、App.netのソーシャルネットワークおよび開発者フレンドリーなプラットフォームは、6カ月前にローンチされた。同サービスはそのスタイルや機能の面でTwitterと似ているものの、広告にわずらわされずにサービスを利用する代償として料金を支払うことが求められる。また開発者も料金を支払う必要があるが、App.netはFacebookやTwitterのようにアプリケーションに後付けで制約を加えないと約束することで、彼らを魅了しようとしている。実際、App.netは開発者らに対して、同社が提供する基本的な機能と類似したものを実装したり、そういった機能を拡張するようなアプリケーションを作成することも奨励している。
ユーザーを獲得し、App.netのビジネスモデルを維持していけるかどうかは当初、開発者や開発される創造的なソーシャルネットワーキングアプリにかかっていた。しかし今では、同サービスの成功を願うユーザーの肩にも責任がかかっている。
App.netは同日時点で約3万2000人のユーザーを抱えているが、同社のソーシャルプラットフォームを毎日利用するユーザーはその10%にとどまっている。開発者コミュニティーは活発であり、App.netのサービスに対する移植や拡充を行っているため、ウェブやモバイル、PCの環境で利用できるさまざまなクライアントやサードパーティー製アプリが増加している。Twitterの規約変更にほんろうされた「Tapbots」という人気の「iOS」アプリの開発者は、「Netbot」というApp.netクライアントアプリを開発している。また、「Patter」というアプリはIRCに似た、グループあるいは1対1のチャット体験をApp.net上で可能にするものだ。
しかし、開発者らは大衆を魅了するようなアプリを開発できておらず、高潔な理念を信じて加入したユーザーの多くは同サービスを活発に利用しないままとなっている。この点は、サブスクリプション料金収入によってサービスを提供し続けるというApp.netのモデルにとって大きな問題となる可能性がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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