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歌川国直

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

歌川 国直(うたがわ くになお、寛政7年〈1795年[1] - 嘉永7年6月28日1854年7月22日[1])は、江戸時代後期の浮世絵師。本姓は吉川(きっかわ)[1]、俗称は鯛蔵[1]、後に四郎兵衛[1]。画号は一鳳斎、一楊斎、浮世庵、独酔舎、柳烟楼、後素園、写楽翁、写楽斎、東雲亭など[1]

来歴

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戯作者の春亭三暁の弟で信濃国の生まれ[1]。文化6年(1809年)頃、初代歌川豊国の門人となる[1]文化9年(1812年)、式亭三馬『昔語丹前風呂』の挿絵を手がけたのが初筆である[1]。これ以降、式亭三馬の作品を中心として、合巻や滑稽本の挿絵を数多く手がけた[1]。文政期から天保期初期にかけては活動が見られないが、天保4年(1833年)『春色辰巳園』の挿絵を手がけてからは人情本の挿絵を中心に手がけた[1]。嘉永元年(1848年)から死去するまでの6年間は活動しなかった[1]。享年62。墓所は八王子市大横町の極楽寺、法名は高琇琮運居士。

門人に竹斎龍子歌川直貞歌川直房、歌川直重らがおり、同門の歌川国芳に影響を与えた。

作品

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「浮絵忠臣蔵 四段目」 『仮名手本忠臣蔵』四段目の場面を浮絵の手法で描く。国直画。

版本挿絵

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錦絵

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肉筆画

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作品名 技法 形状・員数 寸法(縦x横cm) 所有者 年代 落款・印章 備考
料理屋梧桐林店頭図 絹本着色 1幅 105.4x31.4 プライスコレクション 1825年(文政8年) 款記「文政乙酉三月於塵外楼 席上応需 歌川国直」/「国」「直」白文連印 賛文「六帖園のあるし家居あたらしく 作りて酒肴うるせはしいてゝ いとなみ給ふよしを潮澄ぬしの もとよりきゝて 大江戸の孔雀の茶より 鳳凰の桐のはやしの 酒をのまはや 七代目三升」「客人のよりあひ町は酒の池 肉をもきりのはやししけりぬ 六樹園」
二美人図 紙本着色 双幅 右幅:114.9x50.0
左幅:114.6x51.5
東京国立博物館 天保~嘉永年間
遊女禿図 紙本着色 1幅 111.7x50.7 ニューオータニ美術館 天保後半~嘉永年間 款記「歌川國直画」/「東雲亭」白文方印
立美人図[2] 紙本著色 1幅 97.02x46.0 パリ国立高等美術学校 「東雲亭国直画筆」/白文方印 エマニュエル・トロンコワ旧蔵

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l 日本古典文学大辞典編集委員会『日本古典文学大辞典第1巻』岩波書店、1983年10月、288頁。 
  2. ^ 柏木隆雄 柏木加代子編著 『甦る江戸肉筆画 トロンコワ・コレクションを読み解く』 水声社、2019年1月15日、p.122、ISBN 978-4-8010-0383-5

参考文献

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  • 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年
  • 吉田漱 『浮世絵の見方事典』 北辰堂、1987年