『R62号の発明』(アールろくじゅうにごうのはつめい)は、安部公房の短編小説。SF小説とみなされることもある。会社を馘になり、自殺しようとしていた機械技師が、国際秘密クラブに自分を「死体」として売り、生きたままロボットにされる物語。労働運動を阻止するため、「人間は機械のよきしもべとなること」というクラブの政策方針のもとに作製された技術ロボットR62号が、かつて自分を解雇した会社に派遣され新式機械を発明し、機械と化した人間が機械を発明して人間に復讐するというパラドックスが描かれている。 1953年(昭和28年)、雑誌『文學界』3月号に掲載。単行本は1956年(昭和31年)12月10日により刊行された。文庫版は新潮文庫で重版されている。