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2014.03.31

アベノミクスで改善スピード5割増し!マスコミは「貿易収支赤字」で騒ぐより「失業率低下」に注目せよ

髙橋 洋一 プロフィール

人手不足閉店は失業率改善の表れ

経済成長が重要なのは、それが賃金の上昇を同時にもたらすとともに、失業率を低下させるからだ。経済成長と失業率の関係は、オーカンの法則(Okun's law)としてよく知られている。日本でもその法則は比較的よく成り立っている(下図)。

この関係を見ると、だいたい成長率を1%高めると、失業率が0.3%程度下がることになる。失業率は経済統計の中では、GDPと並んで重要なものだ。このため、FRBは失業率を適切なところまで下げる責務を持っている。他の先進国の中央銀行も、失業率は明示的ではないものの重要な指標として認識しているし、マスコミもそれをわかっている。

ところが、日本のマスコミの経済音痴は、貿易収支赤字(経常収支赤字)には過剰に反応するものの、失業率の報道はきわめて少ないところにも出ている。

失業率が下がれば、自殺率や犯罪率が低下することが知られている。さらに、生活保護率も下がる。今話題のブラック企業も求人が大変になって、自ずと淘汰されるだろう。いずれにしても、失業率は最も重要な経済指標の一つだ。

2月の完全失業率は3.6%に改善した。この数字は第一次安倍政権の時の最高の数字(2007年7月)と同じであり、その前になると1998年2月という、ここ16年間で一番いい数字である。筆者は、ここくらいまで下がると予測したが、意外に早く達成した。これだけでも、これまでの経済政策がうまくいっていることを示すには十分である。自公政権になってから、失業率の改善スピードが増している(下図)。

改善スピードは5割増しぐらいなのだが、見た目にはわかりにくいかもしれない。就業者数の推移で見れば一目瞭然だ(下図)。

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