私がOM-Dを使う理由。- My Style, My Olympus -
Vol.03:相手への想い・愛情が感じられる写真を心がけて〜ヒダキトモコさん
その人のいる空間や空気感ごと写真に切り取る
2016年1月25日 10:27
個性豊かな写真家が登場するこの連載、「私がOM-Dを使う理由。」。写真に対する考え方を聞くと同時に、撮影現場で活躍するOM-Dについても答えてもらいます。
3回目の今回は、舞台やCD/DVDジャケットなどの撮影で活躍されているヒダキトモコさんの出番です。(編集部)
現在、どのような写真関連の仕事をされていますか?
エンタテインメント分野とビジネス分野が主です。
それぞれ、エンタテインメントでは音楽雑誌の表紙やグラビア、アーティスト写真、コンサート写真、舞台パンフレット、CD/DVDジャケットなどの撮影、ビジネス分野では各種企業のパンフレットや広告、役員撮影やビジネス誌の取材などを担当しています。
写真を撮るようになったきっかけは?
当初は大学卒業後、企業の広報部で働いていました。その部署でたまたま写真担当になり、各種撮影に立ち会ったり、都内のレンタルスタジオや現像所などに出入りするようになり「商業写真って面白い」と思ったのが直接のきっかけです。それから写真の勉強を本格的に始めました。
影響を受けた写真家、写真集、メディアは?
子どもの頃は音楽のジャケット写真を見るのが好きでした。特に当時アイドルだった中森明菜さんのジャケット写真が毎回斬新で、新曲が出る度に「こんどはどんなビジュアルで来るのか?」と、いつも写真を楽しみにしていました。
写真家を志してからは、中嶌英雄先生のステージ写真、山岸伸先生の女性写真集、そして分野は違いますが自然写真家の星野道夫先生のアラスカの写真にとても影響を受けています。
その影響は自分の作品のどんなところに現れていると思いますか?
被写体に対する敬意や愛情が感じられる写真、姿かたちだけでなく、相手の心を感じる写真、深いところを静かに見守るような写真がよいと思っています。
これは3人の先生方の写真からそれぞれ感じるものでもあります。被写体は氣のようなものを発していますので、その人のいる空間や空気感ごと、しっかり感じて切り取りたいと思います。
また、新しいことにどんどんチャレンジして、見てくれる人をいい意味で驚かせる「鮮度」をいつも求めている気がします。
舞台撮影の際、心がけていることは?
作品や被写体をできるだけ理解してから臨むこと。舞台進行中、被写体の心に寄り添うこと。撮影中の自分の感動にブレーキをかけず形にすること。気配は消すこと。開演前にアスリート並みの準備運動をしておくこと。
今回使った機材の印象は?
M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PROは思った以上の迫力で撮影でき、描写のラインは優しく色合いは鮮やか。M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROは使いやすい焦点域で、ステージ撮影では一番使用頻度が高いレンズです。超広角ズームレンズのM.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROは、思い切って寄ることができてハンドリングしやすい大きさだと感じました。
OM-D EM-5 Mark IIは静音モードが素晴らしいです。おかげで、撮影可能な瞬間が増えました。
全般的にボディは軽量、レンズは小型で明るく、コストパフォーマンスも含めトータルでとてもよい機材ポートフォリオとなっていると思います。
写真と音楽の共通性・表現力などについて、思うところはありますか?
写真も音楽も、何かをきちっと表現する部分と、エモーショナルな部分とが共存し、それが互いにマーブル状になって生まれる一つの作品という気がします。
表現力という意味ではどちらも言葉がいらないので、世界のどこで誰に見せても、どの時代に見せても、被写体や作り手の想いが伝わるという部分が共通の強みである気がします。
写真以外に興味あることは?
学生時代の仲間と時々行く山のぼり。OM-D E-M5(初代)を1台首から下げながら、自由に風景を撮ったりしています。下山後はみんなで、焼肉と温泉でリフレッシュします。
それから、日本の伝統芸能から西洋のクラシック、オペラや欧米のロックまで、いろいろな音楽・舞台に今年はもっと触れたいです。仕事で撮る場合はもちろん、それ以外の時間でもできるだけ多くの機会をつくって劇場へ行き、純粋に客席に座って、色んなことを感じたいです。
今後取り組みたいシリーズやテーマは?
1人の人を長い期間をかけて折々に撮り続けてまして、それを今後も続けていきます。
昨年は6年間撮りためた加藤登紀子さんの写真を、「加藤登紀子50周年記念写真展」という形で発表させていただきました(2015年11月25日〜12月5日、於アートサロン毎日)。普段好きで撮り続けていて、気づくと長い年月を経て、すばらしい記録になっていたら素敵だと思います。
それ以外では、最近改めて横浜のもつ雰囲気の良さを感じていて、この街を舞台により多くの作品を撮影したいと思っています。
写真展の開催や写真集の発売など、告知があればぜひ!
現在、月刊邦楽ジャーナルの表紙の写真を毎月担当させていただいています。
1月20日からは、プレジデントWOMANオンラインで森綾さんの新連載「次世代イケメン紳士録」(毎週水曜日発行)の写真を担当させていただいてます。
福島県出身の写真家・管野秀夫さんの東日本大震災復興応援企画「#空でつながる 写真展vol.14 〜5年目の空に〜」に1点、空の写真で参加させていただきます。3月11日〜3月16日からオリンパスギャラリー東京で、4月15日〜4月21日はオリンパスギャラリー大阪で開催予定です。
発売中のデジタルカメラマガジン2016年2月号にも、「私がOM-Dを使う理由。」が掲載されています。ヒダキトモコさんの作品や舞台撮影のテクニックを収録。ぜひごらんください!