江戸後期の国学者・歌人・読本作者。 大坂の人。本名、東作(藤作)。号、和訳太郎など。俳号、無腸。 紙油商上田茂助の養子。高井几圭に俳諧を学び、八文字屋本の作者として「気質物」を著す。のち、加藤美樹に師事、万葉集や音韻学に通じ、たびたび本居宣長と論争した。
著『雨月物語』『春雨物語』『胆大小心録』『癇癖談』『藤簍冊子』など。
『雨月物語』は、上田秋成によって書かれた18世紀の日本の文学作品で、古典的な怪談・奇譚集です。この作品は、江戸時代の怪異譚を集めた短編集で、19世紀の日本文学に多大な影響を与えました。物語の内容や特徴を含めた2000字のあらすじと感想を以下にまとめます。 あらすじ 『雨月物語』は、全10篇から成る短編小説集で、各話が独立した怪異譚や奇譚を扱っています。物語の多くは、人間の欲望や業、因果応報に基づく奇怪な出来事を描いています。以下に、各篇の簡単なあらすじを示します。 「白峯」主人公は、亡き妻の霊に取り憑かれた男の話。男は、亡妻の霊と再び一緒になりたいという欲望から、次第に狂気に陥り、最終的には自…
数日前の深夜二時過ぎ。 どうにも寝つきが悪くて、ラノベなど読みながらうだうだしていたら、同じように眠れなかったらしい末っ子(19歳)が喋りに来た。 その日、熱を出して大学を休んでいた末っ子に、友人からLINEが送られてきたという。 なんでも古典文学の授業中、爆睡してた学生のスマホから、爆音でラップ流れだしたのだとか。 曲名は、「チーム友達」。 youtu.be 「クソだせぇ上に、中身がうっすい」 とは、末っ子の評。クラスメートも概ね同じような評価だったとか。 曲の途中、「契り、契り」と繰り返す箇所がある。 古典文学での「契り」といえば、男女間の恋や結婚の約束である。 けれども、野郎どもが真顔で…
海辺のカフカ(下)村上春樹新潮文庫平成17年3月1日 発行 平成21年6月15日 27刷 (上)の続き。 megureca.hatenablog.com 僕のお父さんは、何者かに刺殺された。ジョニー・ウォーカーを刺殺したナカタは、西へ向かう。二人は、交わり合うのか?!佐伯さんの幽霊に再び会うことを願っている田村カフカ君。 以下、ネタバレあり。 (下)は、ナカタとホシノ青年の旅から始まる。ホシノは、大きな橋を渡ってとにかく西へ行くんだというナカタの話を聞いて、それなら四国だ、といい、トラックの荷物を目的地に届けると、会社に休みを届けて、ナカタに同行する。 ナカタは、徳島につくと眠りたいと言って、…
海辺のカフカ(上)村上春樹新潮文庫平成17年3月1日 発行 平成21年6月20日 30刷 先日、英国人の知人が古本屋で買ったというこの文庫本を読んでいた。「子どもたちが森にきのこをとりにいって、米軍がでてきて・・・」といわれて、私の頭の中に????がとんだ。 『海辺のカフカ』が、 単行本で初版発行されたのが2002年。当時、発売と同時に買って読んだ記憶がある。村上春樹作品の中では、結構好きだった記憶があったのだけれど、内容を覚えていない・・・。少年が、独り立ちしていくはなしだったよな?!というおぼろげな記憶だけ。 彼は、本人にとっての第二言語である日本語で、日本の小説を読んでいる。時々、この言…
小林秀雄の恵み橋本治新潮社2007年 12月30日 発行*初出「新潮」2004年1月~2006年4月。最終章は書き下ろし。 とある懇話会で、小林秀雄『本居宣長』が課題本となり、2004年5月、6月と二か月にわたって読んできた。でも、やはり、、、難解なのだ。小林秀雄が11年近い歳月をかけて晩年に書いたものを、私なんぞがちょっと読んだからと言って理解できるはずがない・・・。たしかに、本の構成としては『ゴッホの手紙』のように対象とする人の文章をまるっとそのまま引用しながら、解説していくというスタイルで、そのことを理解したうえでよむと、チョットはわかる気もする。でも、そもそも本居宣長の著書からの引用は…
こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、ヨガインストラクターのゆうこです。普段は書籍の編集者として働いています。11月11日、上野桜木にある旧平櫛田中邸で「第2回 琵琶×朗読で味わう日本の名文学」、開催いたしました。この演奏会を頂いたアンケートと一緒にレポートします。 まず琵琶の語りは「羅生門」です。平安時代の武将・渡辺綱と、羅生門に棲むと噂された鬼との対決を描く「羅生門」です。 物語は、源頼光が渡辺綱らと花見の宴をしている優美で穏やかなシーンで始まります。 ここから一転して、生臭い風が吹きわたる羅生門に場面が変わります。 「羅生門のバトルシーン、激アツでした。語りがかっこよかったです」「初めて聞…
雨月物語 1953年 日本大映 あらすじ 「近江の国琵琶湖北岸の村に暮らす貧農の源十郎は、畑の世話をする傍らで焼物を作り町で売っていた。賤ヶ岳の戦いの前に長浜が羽柴秀吉の軍勢により占領され、賑わっていることを知った源十郎は、妻の宮木と子を残し、焼物を載せた大八車を引いて長浜へ向かった。義弟の藤兵衛は、侍になりたいと源十郎に同行する。源十郎は大銭をもって村へ帰ってきた。藤兵衛は市で見かけた侍に家来にするよう頼み込むが、具足と槍を持って来いとあしらわれる。 源十郎は戦が続くうちに、さらに焼物を作り大儲けをしようと、人が変わったように取り組むが、宮木は親子3人が幸せに暮らせればそれで充分なのに、とつ…
京都御苑の東にひっそりと佇む梨木神社は、別名「萩の宮」とも呼ばれ、9月には境内に咲き乱れる萩の花で彩られます。近隣には京都府立医科大学、その付属病院などの関連施設や住宅街があり、とても閑静な一帯です。 訪れてみると、小さいながら心癒されるスポットが沢山ある魅力的な神社であることがわかりました。観光用の大きな案内の看板などもなく、京都市民でも知らない人も多いと思いますので、今回ご紹介したいと思います。 前回は地下鉄丸太町駅から京都御苑を通り抜けて梨木神社へのお散歩コースをご紹介しました。↓ yomurashamroch.hatenablog.com 今回はいよいよ本題の梨木神社を詳しくご紹介しま…
本居宣長(上) (新潮文庫)作者:秀雄, 小林発売日: 1992/05/29メディア: 文庫本居宣長(下) (新潮文庫)作者:秀雄, 小林発売日: 1992/05/29メディア: 文庫上田秋成の文学 (放送大学教材)作者:長島 弘明発売日: 2016/03/01メディア: 単行本 今更ながら、小林秀雄の『本居宣長』を読んだ。小林秀雄の最晩年の大著であるこの本は、しかし、今さら読む方がなにかしらひしひし感じるものがある。 小林秀雄の本は人並みにそこそこは読んだ。しかし、前にも書いたかもしれないけど、『ドストエフスキーの・・・』あたりで冷めてしまった。「あれ?、俺いま何読まされてんだろう?」って感…
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 「青頭巾」[『雨月物語』より]の続きだよ!住職さんは生きているのかな??? ※この記事では、霞亭文庫の画像を適宜改変して利用しています。霞亭文庫書誌詳細※画像はクリックすると拡大します。 【くずし字クイズの答え】影のやうなる人の。僧俗ともわからぬまでに髭髪(ひけかみ)もミだれしに。 【原文】[いか]さまにも人の行き来絶(たえ)たると見えて、去年(こぞ)踏み分けし道ぞとも思はれず。 寺に入て見れば、荻(をぎ)尾花の丈(たけ)人よりも高く生(お)ひ茂(しげ)り、露は時雨(しぐれ)めきて降りこぼれた…