「21世紀の啓蒙―理性、科学、ヒューマニズム、進歩」(上・下) ピンカー・スティーブ <所感> 良書中の良書。 これこそが大局観。そんな視点で世界を俯瞰された本。 「理性と共感によって人類の繁栄を促すことができる」という啓蒙主義の原則に基づき、世界の進歩否定主義をたしなめ、世界は良くなっていると著者は語る。 そのポイントは理性。そして理性を支えるものが科学。 ここでいう科学とはその要素として論理、立証と反証、抽象化をもつものだ。 例えば本書で書かれている「人類の歴史を通して暴力は減りつつあるというが、今朝、学校で銃乱射事件があったじゃないか」という考え方。 これは「減少」と「消滅」を混同した思…