2010年4月号掲載 毎日新聞ローマ支局長/藤原章生(当時) 2009年11月、初めてベルリンに行った。ベルリンの壁崩壊から20年がたち、何か書いてくれという話が職場から入り、ローマから向かった。行く前のイメージとはずいぶん違う、とてもいい感じの町だった。人も親切でまじめだ。冗談話から入るというイタリアの習慣からすれば、気候も重なり、暗い印象があるが、近くで話してみるとみないい人ばかりだった。 ドイツのことは勉強したことがないが、過去にいろいろなところで関わってきた。私は1986年の映画、「ベルリン 天使の詩」を学生から社会人になる間に何度も観ていた。だから、それと絡める記事を書いた。その際、…