『自分探しが止まらない』増刷決定
- 作者: 速水健朗
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2008/02/16
- メディア: 新書
- 購入: 22人 クリック: 1,118回
- この商品を含むブログ (306件) を見る
おかげさまでというか、この本はネット上ではいろいろなブログで取り上げられ、話題になったと言っていいと思うんだけど、実際には売れてはいなかった。
だけど会う人たちの多くに「新しい本、売れてるんだって?」と訊かれるのはほんとつらかった。あと、売れてるという前提でくさすブログとかも結構あった。売れてないっつーの。
新聞の書評ならいざ知らず、ネットで話題になっても、その程度では実書店には届かない*1。単なるたくさんある新書の一タイトルに過ぎず、今どき新刊として入荷され、店頭から捌けたからといって、追加注文などしてくれはしない。
早々に書店の棚から消えたせいもあってか、Amazonでは長いこと500番以内をキープしていて、かなり売れたはずだけど、それは実は逆効果の部分もあるらしい。Amazonで売れた事実は、大手取り次ぎのデータベースに反映されないから、POSに頼る一般書店ではむしろ全国的にも売れてない本として返品対象になる。厳しい。
その雲行きが変わってきた最初のきっかけが、発売から4ヶ月が経ったこのとき(id:gotanda6:20080609)。棚からなくなって久しかった近所のあゆみブックスで、大量に平積みになった自分の本を見つけた。本を読んだ書店員さんがポップをつけてくれていた。次に足を運んだときに、明らかに平積みの山が減っていくのがわかった。
以後、鏡リュウジ氏にNHKの週刊ブックレビューで取り上げていただいたことなどもあり、一旦はまったく書店で見なくなった自分の本が、再度書店で見かけるようになる。
発売当初は15冊しか入荷のなかったジュンク池袋が、50冊以上再入荷してくれたのが9月。それ以外にも、渋谷の山下書店や下北沢のヴィレッジ・ヴァンガードなどで、書店員さんのポップ付きで平積みしてくれている光景を見るようになった。これまでは実書店には届かないんだなあという諦めが強かったのだけど、ちゃんと現場の書店員に届いているという感触が得られたのはとてもうれしかった。
その積み重ねの成果として、増刷が決定したのだと思う。発売から10ヶ月経って最初の増刷というのは、かなりレアケース。
ブログで取り上げてくださったみなさま、ポップを書いてくださった書店員のみなさま、ありがとうございました。
『ケータイ小説的。asin:4562041633』という本も、売れていると勘違いされがちですけど、一度も増刷はかかってません。結構いい本なので、ぜひ再入荷よろしくお願いします(笑)。