ソフトウェア開発の、
・ プロとは何か?
また、
・ プロに必要なことは何か?
を解説した本です。現在は絶版のようですが、ソフト開発のプロを目指したい方は中古ででも良いので入手いただき、ご一読頂ければ、、と思います。
ソフトウェアの難しさは、
① ソフトウェアはそもそも複雑
② 他のソフトウェアやハードウェア、法規、商習慣との依存関係がある
③ 変わりやすい(ハードと比べるとコードを修正しやすい)
④ 目に見えない(ソフト開発はロジックの変換なので、実物がなかなか見えない)
といったところにあります。
こうした難しさを解決していくのが課題です。
こうした課題の解決のために、ソフトウェア開発のための原理原則のようなものが必要ですが、現状はソフトウェア・エンジニアリングという実学からまとめられた知識体系があります。これが物理法則のように明快なものとは限らず、社会学や心理学のようなものまで取り込まれているため、実践中心になりがちな傾向にあると理解しました。
こうしたソフトウェア・エンジニアリングを駆使して課題を解決していくプロが業界に必要なわけです。
プロに求められるのは、
1.前例に縛られず、学習消去できる
2.観察結果や経験を集積し判断できる(現場感がある)
3.ソフトウェア・エンジニアリングのような原則と、2.の結果を照らし合わせて解決案を提示できる。
といったことのようです。
こうした過程で新たな理論が生まれていき、一つの原則となっていく・・、
の繰り返しだと理解しました。
プロのソフト開発のエンジニアとしては、
・「職人芸」の段階から、大量生産するための品質のバラつきを抑えて「商用」にブラッシアップ。
・「商用」の段階から、新たな理論を生んで「エンジニアリング」として使えるようにする。
ということまでやれることが求められ、周りを巻き込んで組織のプロ度を高めることで、競争力の高い組織としていこう、という投げかけをされていると解釈しました。
追伸:
実はスティーブ・マコネルも最初は、ソフトウェアエンジニアリングなんて全然知らずに仕事をしていた、と書いてあり、何だか勇気づけられました・・。
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ソフトウエア開発プロフェッショナル 単行本 – 2005/1/20
ソフトウエア開発の永遠のテーマである「短期かつ高品質」の実現と、エンジニアのスキル&キャリアアップについて、「プロフェッショナル」をキーワードに論じた本。優れた開発手法はずっと以前から提唱されているのに、大多数のプロジェクトでは導入の検討すらしない現状に警鐘を鳴らし、開発の平均レベルの底上げのためには「エンジニアの“プロ化”を推進すべし」と説く。プロを育成するための、組織ぐるみの「キャリア支援システム」や、「プロ免許制」の導入など、具体的なアイデアを提示。実際に成果を上げたソフトウエア会社の事例や、米国の一部で始まった免許制について、豊富なデータをもとに詳細に検証していく。
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BP
- 発売日2005/1/20
- ISBN-104822282155
- ISBN-13978-4822282158
登録情報
- 出版社 : 日経BP (2005/1/20)
- 発売日 : 2005/1/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 288ページ
- ISBN-10 : 4822282155
- ISBN-13 : 978-4822282158
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2016年2月28日に日本でレビュー済みAmazonで購入
- 2005年2月13日に日本でレビュー済みIT業界は、うわべの技術が次々登場するだけで、実際の進歩は早くない。20年前に登場したソフトウェアの生産性を高める技法であっても、現場では意外と使われていない。見積もり一つをとっても、KKD(勘・経験・度胸)と呼ばれる手法(ですらない)が大半を占めている。
ソフトウェア開発には、プロセス志向と実力主義の二つのアプローチがある。どちらでも適切に運用すれば、良いソフトウェアを開発することができる。しかし実際に多いのは「ニセ実力主義」の組織であり、古い技法すら使わぬままにデスマーチを繰り返し、開発者を疲弊させ、失敗プロジェクトを量産している。
本書では、ソフトウェア工学を適切に運用する意義を説いた上で、ソフト開発プロの免許を提唱している。無茶な納期や品質への妥協を上司に強いられても、プロの免許があれば「これを認めれば免許取消か告訴のどちらかだ」と拒絶する権利を持つとの提案は、実に魅力的だ。米国でのプロ免許の重みが、日本では考えられないほど重いことが背景にあるとは言え。
「ニセ実力主義」のソフトウェア開発組織で働く技術者および、ソフトウェア開発組織を運営する管理者・経営者には一読の価値あり。特に管理者・経営者には、自分の組織がニセ実力主義ではないか、そうならばどう脱却するか考えるために読んでいただきたい。
- 2015年12月13日に日本でレビュー済みAmazonで購入この本はマコネルさんの、プロのソフトウェア開発とはエンジニアリングであるべきだ、という信念を説いている本だ。
語り口は平坦で分かりやすく、比喩も面白く、なおかつ引用文献とデータが豊富である。
マコネルさんの本は、名著Code Completeでもそうだが、読んでいて実に面白い。
読者を飽きさせない工夫が随所にあるのだ。比喩だったり、問題提起だったり、グラフによる視覚化だったり。
そして、ある議題にたいする両端の意見を必ず並べて紹介する。その上で、自分の意見を語る。
本書はソフトウェア開発の現場をなんとか改善したい人にとっては、(自分の置かれているポジションがどうあれ)、非常に参考になると思う。
私自身かなり刺激され、もっと身を入れて精進せねばと思った。
また、一方で勇気づけられたのは、マコネルさんが最初からバリバリに意識の高いエンジニアではなかったことだ。
この本で第9章で独白(?)しているだが、3年目までは仕事で使う仕様書と言語入門書以外は、ほとんど本も読まなかったらしい。
そんなマコネルさんを変えたきっかけは、本書を読んでからのお楽しみということで。
残念ながら日本語版は絶版(?)になっているようだが、中古でも手に入れて読む価値のある本だと思う。
原書もAmazonで売っているので、英語が苦にならない方なら、そちらがお勧めか。
- 2007年9月14日に日本でレビュー済みAmazonで購入ソフトウェア開発の文化論についての書籍としてはトム・デマルコの本が有名だが、
トム・デマルコの本は基本的にプロジェクトマネジメント論としての性格が強く、
その中において人を中心とした内容が多いと言われるのは周知の事実である。
そんなデマルコ本をプログラマーからシステムエンジニアあるいはマネージャへの
上位へのステップアップとして手を出してみたものの、敷居の高さを感じて
挫折してしまったと言う経験をお持ちの方はいないだろうか?
そんな方には是非こちらの本を読んで見ることをお勧めする。
本書はソフトウェアエンジニアリングと言う視点をベースに持ち、
コンピュータサイエンスとの比較を中心にソフトウェア開発技術者、
つまりソフトウェア開発のプロフェッショナルとしてどうあるべきか?
と言う内容が語られている。
章構成も良く考慮されており、最初はソフトウェア開発プロジェクトが
現在の様に至った過程を示しベースを確立する。その後は個人<組織<業界と
対象範囲を広げながらそれぞれの視点で「ソフトウェア開発のプロフェッショナル」が
どうあるべきかが語られ、後半にはソフトウェア開発における教育制度や
免許制の導入についての考え、技術者が持つべき倫理観について筆者の想いが爆発する。
とは言うものの詭弁じみた内容は全く無く「理にかなった形で実現するには」と言う
視点から外れていないのが見事だ。実際に実現する日もそう遠く無いように思う。
各章の終わりには参考文献のリストが載っているのだが他の書籍と比べるとその量が
非常に多く、裏取りの緻密さが伺える。日本語訳が出版されているものもそれなりにあるので
そちらもあわせて読んでおきたい。
久しぶりに「スカッ」とした読み心地であったので評価は5です。
- 2006年3月3日に日本でレビュー済み優れた現状分析がされていて、読み物としては面白いのですが
その対策として、免許制度によるプロの育成では、即効性に
欠けています。
長期的な視点で読む本でしょう。
- 2008年10月24日に日本でレビュー済みAmazonで購入例えば、フリーランスの開発者の場合、数々の企業と契約しながら設計・開発を進めるワケですが、ぶっちゃけ上場大企業でさえ作業標準や管理基準があやふや(最近はPMP他普及で多少は改善していますが)、CCB工数はダレが持つのか?、作業範囲・スコープは?、、←というコトバさえ理解されないコトも多い^^;
この本では、本来あるべき、契約にもとづく"品質の高い"OUTPUTの目指し方が書かれています。
私は、07年度後半に始まった某2次請け系業者との契約〜設計・開発の最中、あまりのアバウトさに閉口して本書を購入、読みながら『そうだそうだー!!』を連発していました。。
(上記業者とは、その後、契約範囲と瑕疵他明文化により作業範囲を囲い込み、離脱成功しています。)
アバウトな契約に悩める技術者の方へ、あなたの鬱憤も本書で少しは晴れることでしょう。
デマルコ本の曖昧さに迷いが生じている方にもオススメです。
また、国内で書かれたこの分野の書籍には偏ったものが多い印象なので、それらを俯瞰する視点を磨くためにも良書であると言えます。
- 2005年2月26日に日本でレビュー済み本書は、ソフトウェア開発の生産性を高めるためのソフトウェア・エンジニアリングに関して書かれているものです。ソフトウェア・エンジニアリングとは何か?、コンピュータサイエンスとの違いは?、他のエンジニアリングとの違いは?などといった疑問に答えてくれる本です。また、ソフトウェアプロフェッショナルの意識について、個人の視点、組織の視点、業界の視点から論じており、この仕事をしている者として大変参考になりました。ソフトウェア開発者の必読書だと思います。