大衆に迎合せず、権威を嘲笑する知識人は犬儒派に分類されるそうです。だとすれば、呉氏は正に犬儒派の知識人と言えると思います。
呉氏の思想は、自ら「封建主義者」と名乗っているように近代国家に対する懐疑を含んでいます。左翼思想自体が基本的に近代国家の産物なので、左翼知識人批判が多いですが、よく読めば、左翼知識人に限らず、近代国家の常識に安住する知識人を批判しているということが理解できると思います。(つまり、左翼、右翼以前の問題として批判しているということです。)
呉氏の本は、近代国家の常識に囚われ、知らず知らず思考が硬直化している人に、知的刺激としておすすめです。
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犬儒派だもの (双葉文庫 く 6-11) 文庫 – 2006/3/1
呉 智英
(著)
「二十世紀の負の遺産を残したまま二十一世紀は始まった。・・・・・・なぜもっと大上段に構えない。なぜもっと深刻そうに論じない。そう不満をもつ人もあろう。しかし、これが私のやり方なのである。だって、犬儒派だもの」。え!?犬儒派って何だって!?それは序文をご覧あれ。シニカルに大笑い。知的なユーモアが横溢する傑作エッセイ集。
- 本の長さ271ページ
- 言語日本語
- 出版社双葉社
- 発売日2006/3/1
- ISBN-104575713104
- ISBN-13978-4575713107
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登録情報
- 出版社 : 双葉社 (2006/3/1)
- 発売日 : 2006/3/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 271ページ
- ISBN-10 : 4575713104
- ISBN-13 : 978-4575713107
- Amazon 売れ筋ランキング: - 578,974位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,737位双葉文庫
- - 18,238位エッセー・随筆 (本)
- - 58,014位ビジネス・経済 (本)
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2008年12月17日に日本でレビュー済みAmazonで購入
- 2005年8月25日に日本でレビュー済み本書は、随筆家、呉智英の実力を存分に見せつけてくれる好エッセーである。この本の魅力を私は次のように分析してみた。
1〈わかりやすく、面白い〉この本に収録されている中では、第二章の『我が師、我が友』の、「現代の奇人」水木しげるのエピソードを紹介した部分など、理屈抜きに爆笑必至だ。呉自身の身辺雑記的な、第四・五章も、ときおり、戯作的な暴論が挿入されていて、エスプリが効いている。
2〈軽い筆致で書いていながら、読者にものを考える時間を与えてくれる〉第三章『自我と毒薬』がこれにあたる。私は、様々な自殺を評したこの文章を読んで、「死」と「人生」とは何か、について考えさせられた。
3〈虚飾に満ちたニセモノの知を、木っ端微塵に砕いてみせる〉第一、六章が該当する。この章で、世間に流通している権威面した知識人・大新聞の言説が、いかにいい加減なものかを、該博な知識でもって論証していて、読んでいて爽快な気分にさせてくれる。
上記のように、知的、且つ、娯楽性に満ちた本書は、従来の呉の読者も、またそうでない人も、十分に楽しめるものである筈だ。
- 2006年4月12日に日本でレビュー済みいつも楽しませてくれる呉智英氏の新しい文庫です。
内容もバラエティに富んでいて初めて読む人にもお勧めですね。氏は一貫して民主主義・人権思想に対して根本的なパラダイム転換をもたらすようなするどい考察を述べていますが、それが「犬儒派」と謙遜されるところの少し意地悪でとぼけたいつもの調子で堪能できます。毎日新聞に連載された小文を一般読者がどんな顔をして読んだのか、想像すると笑みがこぼれます。
- 2021年3月27日に日本でレビュー済みAmazonで購入呉智英のエッセイ集のなかではマイベスト。中島梓についての辛口エッセイも所収。
「犬儒派だもの(Nun, ich bin doch Kyniker)」というタイトルの付け方が憎い。その由来について述べた序文、ディオゲネスについての解説が秀逸。
呉は大学卒業後水木しげるのところで資料整理の仕事をした。側近から見た水木、その形容しがたい性格、行動パターン、人生観がおもしろい。呉いわく「水木しげるは面白い。めちゃくちゃに面白い。マンガも面白いし、文章も面白いけれど、水木しげる当人はもっとも面白い。」水木しげるのエピソードを記したエッセイ、3篇が収録されている。
とくに印象に残るエッセイは「四十台の青春」。2 度目の青春という意味ではない。呉はFラン大学に出かけ、3日間の集中講義をするが、学生は無表情、無反応。なのに、最終日でも受講者は減っていなかった。講義終了後、呉は学生たちのレポートを読み、感動する。同時に、だれにぶつけていいかわからない憤りも経験する。いい話だ。