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はてな (http://www.hatena.ne.jp) が提供してきたサービスのうち、
私にとって衝撃的だったというか未来を感じさせたものが二つある。
一つは「はてなわんわんワールド」、もう一つは「はてな投げ銭」だ。

わんわん

今となってはどちらも、廃れた、とは言いすぎかもしれないけど、
はてなのサービス群の中でも非常に目立たないポジションになっている。

わんわんワールドは置いといて、ここでは投げ銭の話をする。

投げ銭ははてなのユーザ同士がお金をやりとりできるサービスで、
手数料はかかるけど簡単な小額決済ができるのが素晴らしく、
マイクロペイメントの本命か!?と興奮したものだ。
もう二年も前の話になるのか…。
(ref. [2005-08-12-3][2005-08-11-6][2005-08-10-1])

さて、一部の期待を一身に受けた投げ銭だが、
今やなかったことにされてしまいそうなくらいの勢いだ。

どうしてこんなことになってしまったのか。

青空:写真と本文は関係ありません

はてなの方針として「わざと流行らせないようにした」と考えることも
できるのだが(例えば、お金を扱うサービスはリスクもあるので、
始めちゃったから仕方ないないけどなるべく利用を少なくしたい、
などの理由による)、ここでは「それはない」という前提で話を進める。

結局それはマーケティングの問題であると思う。
こういうマイクロペイメントが非常に便利な場面が、
はてなユーザにはいろいろあったと思うのだが、
そこへうまく訴求できていなかった。

例えば、小さな有料イベントを開催する際の参加費を投げ銭で徴収する、
という場面を思い描いた人もいたはずだ。
こういうイベントは当日に参加費(場所代等)を徴収するのが一般的であり、
参加者のキャンセルが多いと金銭的につらくなる。
赤字分は主催者がかぶったりしがちだが、事前徴収できれば問題はない。

イベント例

はてなとしてはこういう「イベント参加費の事前徴収」という利用場面を
アピールし、イベントによっては手数料を無料にすることにより、
まずは利用者を増やしみんなが使えるインフラとして育てるべきだった
のではないだろうか。

手数料無料によりその分の収入が減ったとしても、
将来的にこういう場面での利用が増えるのであれば、
はてなにとっては大いにプラスであったはずだ。

ちゃんと育てていれば、
LLやPerlやRubyのカンファレンスなどの
「はてなユーザに親和性の高いイベント」
での参加費支払いのスタンダードになっていたかもしれない……。

利用者が増えれば、
物販や Hatena Mechanical Turk もできたかもしれない……。

一般のネットユーザに認知されれば、
日本のPayPalになっていたかもしれない……。

はてな投げ銭はマイクロペイメントサービスの中でも
キャズムの左側の人たちに一番近かったのになんかすごくもったいない。

ラディッシュ:写真と本文は関係ありません

しかしまだ終わったわけではない。
今後の展開を期待している。

とってつけたようだが、本当に期待している。
いや、ほんと。
使えるマイクロペイメント、超渇望だよ。

(この文章は、特にちゃんと調査して書いたものではないので、
間違いや怪しい部分や気になる点などありましたらご指摘ください。
よろしくお願いします。)