内容説明
「痴呆」という用語が「認知症」に変更された。これはどのような病、障害なのか。また患者はどんな気持ちで不自由な日常を生きているのか。『痴呆を生きるということ』で、この病をかかえる人の精神病理に光をあてた著者が、最新の医学的知見を示すとともに、患者の手記、自身の治療・ケア体験などから、誤解されがちな病の真実に迫る。
目次
はじめに―痴呆から認知症へ
第1部 認知症の医学(認知症とは;認知症の原因疾患;認知症の症状;認知症の経過 ほか)
第2部 認知症を生きる心の世界(ある私小説から;ある認知症者の手記;認知症をかかえる不自由;つくられる認知症の行動)
著者等紹介
小沢勲[オザワイサオ]
1938年神奈川県に生まれる。1963年京都大学医学部卒業。京都府立洛南病院勤務、同病院副院長、老人保健施設桃源の郷施設長、種智院大学教授を経て、種智院大学客員教授
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ボル
20
実際に身の回りの方が、「ひょっとして認知症かも知れない」と気付いた時に最も有用な書ではないかな。認知症や認知症に似た別の病気のことなどが細かく、実例を交えながら述べられている。以後の症状(前駆状態、初期認知症、中等度認知症、重度認知症)に現れる現象を知ることによって、覚悟しておくべきことなどが解りやすく書かれている。反面、認知症が進めば、ああこんなことがあった等回顧することも出来る。私の場合は回顧しながら、自分はそう歩まないようにすべきということで学びがあった。老後は老後で楽しみたいからね。2020/01/02
めぐみ
8
認知症を内側から見るという視点を始めて得た。病者をいたわる「虚構の世界」を作れないような余裕の無い社会はいつか崩壊すると思う。2015/03/19
ひま
8
通ってる講座の実習で、今年は特養に何回か行くことがあって、「認知症とは??」とマジに何度か思ったので入門的に。精神病理的視線から見て、現場を経験している著者の視線がとてもやさしい。介護者の抱える闇にも寄り添っている。今後の日本でしばらく続く課題だなぁ。2014/12/26
Humbaba
8
老化が進めば,認知症になる可能性は高まる.認知症になってしまえば,問題行動をしてしまうことが多くなる.しかし,本人としては,それを行う必要があると感じているからこそそのような行動を起こすのである.2012/02/26
かなもー
7
前半半分は認知症という主に大きな二つの病名とその内容にについてかなり細かく説明してあり、後半は認知症患者から見えているの世界の視点で解説されていて、とても興味深く読んだ。きっとこんな世界で生きているんだろう。なら私たちはどうすればいいのか?と、優しく問いかけてくる。2014/09/05