PukiWiki の開発プロジェクトの再建案
PukiWiki は国内の個人学習やゲーム攻略サイトなどで広く使われているが、ゼロ年代後半から開発が停滞しており、5年以上の正式リリースがなされていない状態である。PHP 5.3 がリリースされて3年以上経過しており、ユーザーによる対応パッチが公開されているが、いまだに PHP 5.3 に対応した正式リリースが登場しておらず、開発はほとんど止まっていると判断される。
古い PHP のバージョンに対応できない状態が続けば、ユーザーがセキュリティメンテナンスされておらず安全ではない古いPHP のバージョンを使うことを強制させることになるし、PHP 5.3 以降を対象とする PukiWiki のプラグインや別の CMS を導入しようとするユーザーの妨げになる。
開発チームが最小限行うべきことは PHP 5.3、および PHP 5.4 への対応パッチを取り込んだバージョンをリリースし、開発の継続がむずかしいのであれば、開発終了のアナウンスを行うことだ。できれば、代わりに使える Wiki の候補を列挙し、別の Wiki に移行することをすすめる。
開発を継続させる意思があれば、新しい開発者が参加できるようにするしくみに変える必要がある。
PukiWiki をもとにした派生プロジェクトがいくつか存在するので、方針としては、それらのプロジェクトと協力関係をつくれるようにすることだ。
PukiWiki の開発に使われているソースコード管理ツールは集中型の CVS/SVN であるために、派生プロジェクトとのコード共有がむずかしい状態にある。 また課題や質問管理に PukiWiki を使っているが、未解決の質問や未回答の質問、優先順位などを分類して表示することができないので、プロジェクトの進捗状況を判断しずらい。
開発プロジェクトの改善案としては Github に移行し、派生プロジェクトとパーサーなどの独立した機能のライブラリやデータのために個別のリポジトリを用意し、Composer を使って構成管理できるようにすることである。
これによって、外部の開発者は pull リクエストの形式でフィードバックできるようになる。
ソースコードの改善に関しては、ほかのプロジェクトが開発しているフレームワークやライブラリを採用し、標準化をすすめ、新しく参加する開発者の学習コストを下げる。
PHP の最小バージョンは PHP 5.3 とする。w3techs の統計によれば PHP 5.3 がもっとも広く使われるバージョンになり、国内の大手サーバーであるさくらインターネット、ロリポップ、Coreserver などで利用できるようになっているからだ。
PukiWiki の派生プロジェクトのなかには Zend Framework 2 (ZF2) を採用しているところが存在する。ZF2 も PHP の最小バージョンは PHP 5.3 である。