スマートフォンの普及が進むなか、いわゆる“シニア世代”のスマホ利用意向も増えているといいます。通信キャリア各社はシニア層に向けて、スマートフォンへの移行をスムーズにすべく、それぞれ“専用”の機種を用意しているのをご存じでしょうか。
もともと携帯電話は、どこでも電話をかけられるというコミュニケーションのツールでした。それが時代が進んでいくと、コミュニケーションの主役がメールになり、今ではLINEなどのチャットツールや、SNSサービスの利用がメインになりつつあるのは周知の事実でしょう。
私たちと同世代ならそれで構いませんが、親世代がそのコミュニケーションの輪から取り残されてしまっていないでしょうか。スマートフォンで撮影した写真を親に送ったら、フィーチャーフォンでは見られなかった、というトラブルもあるのではないかと思います。
親世代もスマートフォンに移行してもらえれば、写真を送るにもメッセージを送るにも楽です。メールを送るのは思い切りが必要かもしれませんが、気楽なメッセージなら……という人には、親世代を“スマートにする”という手段もあるかもしれません。
先日、富士通から登場した「らくらくスマートフォン3」は、そんなシニア向けの機種ですが、変わった点が多い、面白いスマホです。「らくらく」というと初心者向けで機能が制限されて、と思ってしまいますが、意外と高機能に仕上がっています。ワンセグもおサイフケータイも使え、カメラも高機能でほぼ通常のスマートフォンと変わりません。
こうした“シニア向け”のスマートフォンですが、今までは大きなボタンがあったり、色も地味だったりと、一目で見て「シニア向け」と分かるようなスタイルでした。しかし、この「らくらくスマートフォン3」は、電源を切っていると見た目は一般的なスマホとまったく変わらないものになっています。
親にらくらくホンを勧めたら「そこまでもうろくしておらん!」と怒られた――などというのはよく聞く話ですが、この機種なら素直に使ってもらえそうです。
このらくらくスマートフォンを少し触ってみたところ、スペックは一般的な機種とほとんど変わらないのですが、単なる“初心者向け”機種ではないことが分かりました。より分かりやすい仕組みを目指した結果、新たな形になった――それがスマホ慣れした人間が触った感想です。
もし親世代にらくらくスマートフォンをプレゼントするときには、私たちもその特徴を知っておいたほうがよさそうです。一般的なスマートフォンと異なる特徴があるので、使い方を説明するときには、少し注意が必要になります。
まず、最初に触ったときに不思議に思うのが、タッチの感覚が異なること。らくらくスマートフォン3は、画面上のボタンを触っただけでは、ボタンの色が反転するだけで操作したことにはなりません。
そこからさらに“押し込む”ことでボタンを操作したことになるのです。押し込んだときには本体がブルっと震え、反応したことが分かる仕組みになっています。“タッチ+プレス”という操作感は新鮮です。
ハードウェアが工夫されているのはタッチパネルだけではありません。例えば、最近では珍しくホームボタンが物理的なものになっており、音量ボタン、カメラボタンがそれぞれ大きく作られています。もし使い方が分からなくても、ホームボタンを押せば見慣れた画面に戻れる、というのは安心でしょう。
そのほか、防水防じん機能、ワンセグ機能、充電クレードルなども用意されているのはうれしいところ。特に充電クレードルがあることで、表裏が分かりにくいmicroUSBケーブルを挿すという、あの説明しがたい面倒くささから解放されるのはありがたいです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング