成果は仕事の質と量の「かけ算」だから、質がゼロ(完全にNG)の場合は、量が多くても成果はゼロ。時間あたりのアウトプットの量を増やしても、質がともなわないと知的生産性は低いということ。
生産性を語る場合には、なるべく少ない労力で、なるべく多くの成果を目指す「Do more with less」の精神が基本となります。そのためにも、まずは知的生産性の方程式を頭に叩き込んでおきましょう。知的生産性とは、時間を分母に、仕事の質×量を分子にとった、単位時間あたりの成果です。同じ成果であれば、かけた時間が短いほど生産性が高いということになりますし、同じ時間であれば、質×量が多いほど、生産性が高いことになります。
しかし、ここでポイントとなるのは、成果はあくまで仕事の質と量の「かけ算」ですから、質がゼロ(完全にNG)の場合は、量が多くても成果はゼロということです。どんなに時間あたりのアウトプットの量を増やしても、質がともなわないと、知的生産性は低いということになります。
この方程式を見れば一目瞭然ですが、質を上げ、量を上げ、それに費やす時間を減らすことが生産性向上の基本アプローチになります。しかし、最初から消費時間を減らすことばかり考えても、決して生産性は高くなりません。仕事の経験年数によって、アプローチは異なるべきです。
誰でも、ある程度の経験値と量をこなさないと仕事の質は高まりません。
成果の量を増やすべき過程で、それに要する時間を減らすことばかり考えていては、大きな成果を生み出すことはできません。経験の少ないビジネスパーソンは、最初は量産することを目指し、次に質を目指す、最後に時短を考えるという順番で時間管理をとらえるとよいでしょう。量が質を生むという時期を経ずして、いきなり質だけを求めるのは無理があるのです。
知的生産性を実際に高めていくためには、次の8つの約束を守ってください。詳しくは後述しますが、ここでは、そのエッセンスだけを紹介しましょう。
本連載は、6月26日発売の書籍『結果を出して定時に帰る時短仕事術』(ソフトバンククリエイティブ刊)から抜粋・再編集したものです。
残業ゼロで成果を倍増する仕事効率化術――。と言っても、単に効率化だけではダメ。人生の価値マネジメントから始めるタスク管理としくみ作りを実践しましょう。「ワークライフバランス」と言っても単に時間バランスだけとっても意味はありません。
ビジネスパーソンは、顧客の要望を上回る成果を出しながらも、自分の時間をしっかり確保して、プライベートの充実と自分の付加価値を高めるための将来に向けた事故投資を両立する必要があります。
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知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
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