IS発表
2011年7月21日(木曜日)
IS発表
公開: 2011年7月22日19時25分頃
bAの新しいCMSサービス、ついに発表となりました。その名は「IS」。
- 「インダストリスタンダード サイトマネージメントサービス」(IS) 提供開始 (www.b-architects.com)
- Industry Standard - Site Management Service (www.industry-std.com)
以前、bAサイトをリニューアルしたときに「クラウドCMSによるサイト構築を開始しました (www.b-architects.com)」という発表をしていますが、そのCMSがこれです。何となく分かっているかもしれませんが、この開発には私もかなり関わっています。
どんな製品なのか、という点については「サービス概要 (www.industry-std.com)」のページにいろいろ書きましたが、最大の特長は、コンポーネントエディタによるコンテンツ編集でしょう。見出し、段落、リスト……といったコンポーネントがあらかじめ用意されていて、それを選択してデータを入力することでコンテンツを作成します。
ニュース記事を作る場合は、たとえばこんな感じになります。
- ニュースの下に「新しいページを追加」する
- タイトル、サブタイトル、掲載日等を入力
- コンポーネントエディタで本文を作成
- 見出しを作る……「要素を追加」→「見出し」→「見出し2」を選択して、見出し文を入力
- 本文を書く……「要素を追加」→「段落」→「段落」を選択して、本文を入力
- 区切りを入れる……「要素を追加」→「区切り」→「区切り1」を選択
- 関連項目へのリンクを追加……「要素を追加」→「リスト」→「リンクリスト」を選択して、URLと表示テキストを入力
- 公開日を入力して (即時公開する場合は空欄で良い)、「ドラフトとして保存」する
- プレビューを確認。必要に応じてコンポーネントの追加、削除、並べ替えなどを行う
- 承認申請を出して承認してもらう
選んでデータを入力するだけなので、HTMLの知識が不要というのがメリットです。しかし真のメリット (と、私が考えているもの) はそこではなく、自由度が低いことです。デザインやレイアウト、マークアップを自由に変更することができないのですが、それが大きなメリットだと考えています。
CMS製品の中には、「WYSIWYGエディタで自由な入力ができる」「HTMLの知識がなくてもデザインやレイアウトを自由に変更できる」といったことを売り文句にしている物がよくあります。確かにWYSIWYGエディタは自由度が高く、それは大きなメリットでしょう。
しかし企業サイトでは、その自由度が裏目に出ることがあります。ニュースやプレスリリース、製品情報といったコンテンツは、ほぼ定型です。デザインの自由度はあまり必要なく、むしろ全体を統一したいというニーズの方が強いです。
自由度の高いWYSIWYGエディタでは、作業者によってデザインが違ってしまうことがあります。また、見出しのつもりで「太字」を選択したらb要素になった、見えない空の要素ができてしまった、要素の入れ子構造が変になった、といったマークアップのトラブルもよくあります。
※たいていはHTMLを編集するモードを備えているので、問題が起きてもHTMLを編集すれば解決できます。が、それができる人は、WYSIWYGエディタを使わずに最初からHTMLで書いてしまうことが多いような……。
デザインを統一し、望ましいマークアップにするためには、ガイドラインや運用マニュアルを充実させれば済みます。実際、多くの企業はそうしていると思いますが、それは結局のところ、作業者の熟練が必要になるということです。
それに対し、ISでは用意されたコンポーネントだけしか使えませんし、マークアップを入力することもできません。選べるコンポーネントも少ないので、誰がやってもほとんど同じ構成になります (段落の区切り方や区切り線の有無などの差は出ますが)。コンポーネントの選び方さえ間違えなければ、望ましくないマークアップになることもありません。
また、データとマークアップが分離されているのも特長です。入力データにマークアップを一切含まず、データとマークアップを完全に分離していますので、コンテンツ部分のマークアップをあとから一括で変更することが可能です。
管理画面と表側は別のアプリケーションになっていますので、表側アプリケーションを増やして別のテンプレートを適用すれば、データはそのままで別バージョンを出力することもできます。たとえば、スマートフォン用のコンテンツを出したりするのに使えます (ただしスマートフォン用のテンプレートはデフォルトでは存在しないので、作る必要があります)。
ただし、「入力データにマークアップを一切含まない」ことにはデメリットもあります。まず、文字参照がいっさい入力できません。™ (U+2122) や© (U+00A9) を入力するには、™や©と書いても駄目で、文字をそのまま入力する必要があります (入力画面はUTF-8なので、そのままペーストで問題なく入力できます)。また、文中でsup要素やsub要素を使ったり、em要素で強調したりすることもできません。そういう意味でも自由度は低いです。
※それから、これは意外だったのですが、HTMLの知識があっても、HTMLのコードをコピペするより楽に作れると感じました。ISのサイト (http://www.industry-std.com/ (www.industry-std.com)) はISで作られているのですが、これは私がデータ入力を行っています。
肝心のお値段ですが、諸事情により、今のところどこにも書かれていません。個人で使うには高いけれども、企業が中堅どころのCMSとハードウェアを買って運用することを考えればかなり安い、という感じになるはずです。
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