「おっさん、金ちょうだい」。大阪市内の公園で60代男性に声をかけた少年=当時(17)=は、男性が応じないと見るや顔を殴り、包丁で腰と太ももを刺した。「犯罪とも思っていなかった」。男性に大けがをさせ、強盗殺人未遂罪などに問われた大阪地裁の法廷で、少年はこう供述した。なぜ後先も考えず、安易に重大犯罪を起こしたのか。背景として浮かび上がったのは、わが子を思うあまり「正論」を振りかざしてきた母と、息子の確執だった。 【表でみる】強盗殺人未遂事件を起こした少年の成育歴 事件が起きたのは令和5年12月15日の午後7時過ぎ。少年は暴行の末にかばんを奪い、財布から現金約1万3千円を抜いた。この日、心待ちにしていた友人との飲み会を前にして金がなく、「何をしてでも用意する」と思い立ったのが動機だった。 少年事件のため、裁判は傍聴席から被告が見えないよう遮蔽板を立てて行われた。少年は今月2日の初公判で「殺すつも