このところ、ライトノベルの歴史の中で最も重要な作品はなんだったんだろう、と考えることがある。
真っ先に銀英伝を挙げる人もいるだろう。
ためらいなくロードスだという人もいるだろう。
スレイヤーズで決まりだと断言する人もいるだろう。
それでもけっきょくこの結論にたどり着く。
ブギーポップ以外にあり得ない、と。
思うにブギーポップの(というか上遠野浩平の)歴史的に重要な特徴のひとつは、
技術的にかなり隙だらけだったことじゃないだろうか。正直、上遠野浩平の文章はお世辞にもうまいとはいえないし。
「笑わない」を読んで、何人かの志ある若者は、「すげえ!」と打ちのめされつつも、
「もっとこう、こんな文章で、こんなキャラで、俺も書きたい!」なんて思ったんじゃないだろうか。
そういう若者の数はたぶん、銀英伝を読んで「俺はこれを超えるスペオペ戦記を書く!」なんて思った気骨ある人間よりはるかに多かったはずだ。
実際んとこ、銀英伝はあれだけ昔の作品なのに、売り上げで勝る後続スペオペ作品は現れていない。
ロードスもそうだ。巻割り売り上げでいうとスレイヤーズはちょい落ちて、オーフェンもちょい落ちて、
以来、ロードスを超える売り上げのファンタジー作品は出現していない。
ブギーが。
ただ、ブギーポップだけが。
その血を広げて、自分を超える子孫を生み出した。
たぶん競走馬でいうと、ロードスはセントサイモンで、ブギーはネアルコだったんだと思う。
◆◆◆
>それじゃブギーだけ大して売れていないとしか言っていないぞw
そうそう。銀英伝、ロードス、スレイヤーズ、オーフェンなんかと並べたとき、ブギーは一桁落ちる。
でも影響力は絶大だった。直系の子孫から、もっとすごいのが現れた。このエントリはそういう話。
それはもちろん、孫の代に生まれて、ブギーをはるかに上回る実績をあげて、短期間でレーベル間の海を越えてまで血を広げた、
赤毛で小さくて日本刀の切れ味で気性がツンツン荒くて釘宮声でいななく、あれだ。
でもそういう論点で語られることってあまりないんだよね。不思議だ。評論ごころを刺激しない作風だからなんだろうか。
ロードス島戦記とか銀河英雄伝説とかって発表当時は「ヤングアダルト」「ジュヴナイル」の扱いだったと思うんだけど。 児童生徒向けの作品であって(実情はどうあれ)、オタクに向...
今のラノベだって、一応「ヤングアダルト」「ジュヴナイル」扱いだろ…
銀英伝はジュブナイルじゃないとおもう……ラノベでもないけど スペオペでしょ? あとスペオペをSFって堂々という人もちょっと遠慮してほしい SF?少し不思議の略?っていうのと同...
ただ、ブギーポップだけが。 その血を広げて、自分を超える子孫を生み出した。 それじゃブギーだけ大して売れていないとしか言っていないぞw で、ラノベがラノベと言われるように...
待て、一言だけ言わせてくれ! 銀英伝をラノベにくくるな
このところ、アニメの歴史の中で最も重要な作品はなんだったんだろう、と考えることがある。 真っ先にガンダムを挙げる人もいるだろう。 ためらいなくエヴァだという人もいるだろ...